最初にご紹介するのは「さんま寿司」です。下田市白浜地区では、その昔、豊漁を感謝して神様に捧げた食べ物。10月初旬から12月中旬まで「さんま寿司まつり」が開催されるなど、地元に定着した名物になっています。
さんま寿司は、下田市内のお店で食べることができ、魚臭さが気にならない癖になるような美味しさです。毎年12月下旬から行われる「下田水仙まつり」では、「ほうえい漁師直営店」が期間限定で出店し、さんま寿司(写真下)の他、香ばしさが堪らない「あぶりさんま寿司」も堪能できます。
「(株)ほうえい」
静岡県下田市須崎1555−4
こちらは、西伊豆宇久須「三共食堂」で味わえる「小あじ鮨」。特産の獲れたての鯵に、ショウガ・ネギ・シソなどの薬味を載せた小ぶりのお寿司。約40年前に、民宿を経営していた時に常連のお客さんに評判になり、今ではすっかり名物として定着した元祖!「小あじ鮨」です。
「三共食堂」
静岡県賀茂郡西伊豆町宇久須283
その土地に伝統あり!風土と文化が織りなす代々受け継がれるお寿司も味わってみませんか?
こちらは、東伊豆町稲取の「げんなり寿司」です。甘く味付けされた金目鯛のそぼろが載った特大の押し寿し。その量の多さで「げんなり」することから名付けられた、「げんなり」が転じて「縁起成り」とも呼ばれる縁起の良い寿司です。金目鯛が特産の稲取ならではの味わいで、稲取漁港の港の朝市や、雛のつるし飾りまつりのシーズン中に、マックスバリュ稲取店などで販売しています。
「マックスバリュ稲取店」
静岡県賀茂郡東伊豆町稲取1699−11
次に紹介するのは、西伊豆町田子地区に伝わる田子寿司です。中に甘辛く煮たかんぴょうや椎茸入りの酢飯がサンドイッチ状にされた変わったスタイル。外側はヤブミョウガの葉でサンドされていて、酢飯に葉の香りが移り絶妙な美味しさ。
田子港は、その昔、江戸と大阪を結ぶ船の風よけの港であったことから、関西の食文化が伝わったと云われ、進水式などのお祝い事のお返しに用いられたそうです。田子地区にある「有楽」で販売しており、午前中に売り切れることのある人気寿司です。
「有楽」
静岡県賀茂郡西伊豆町田子1523−2
こちらは、伊東市に伝わる箱寿しです。木箱に入れた酢飯を、お祭りの時に、近所などに配ることから始まったとされ、酢飯の上に鯛のそぼろ・煮締めた椎茸・卵焼き・かまぼこなどが彩りよく並んだシンプルな味。伊東市にある「一心」や、ご当地スーパー「ナガヤ(桜田店)」などで買うことができ、流罪になった日蓮上人の食事に重箱で出したなどの言い伝えも残る伝統の箱寿しです。
「一心」
静岡県伊東市湯川546−18
そして、職人が考えた進化形の「創作寿司」も存在。こちらは、西伊豆松崎町にある日本料理店「味正」の「ひきずり寿し」です。郷土料理をヒントに作られたメニューで、鍋で煮た割り下に、金目鯛をくぐらせた食べる独特のスタイル。生のまま食べてもOK!よく煮しめてから食べてもOK!の、食べ方も様々ある卓越した職人技が光る逸品です。
「味正」
静岡県賀茂郡松崎町江奈638−1
変わってこちらは、国道136号線沿い函南町の道の駅「伊豆ゲートウェイ函南」内にある「伊豆創作寿司 いず鮨」。ここでは、魚ではなく野菜を使った「本日の伊豆野菜寿司盛り」が評判。伊豆産の肉厚な椎茸や筍などを使った野菜寿司です。「伊豆の魅力を全て味わう」をコンセプトにしており、とことん伊豆産にこだわった野菜ばかりを使用。地元函南町のトマトなど、寿司のネタとしてはかけ離れた食材とのコラボもあり、絶妙でヘルシーな野菜の創作寿司は人気で美味です。
道の駅「伊豆ゲートウェイ函南」
静岡県田方郡函南町塚本887−1
駅弁寿司も、歴としたお寿司。電車にとことこ揺られて旅するのも、情味があって中々乙なもの。下田市に終着駅がある伊豆急「下田駅」の「ショッピングKIS’A」では、金目鯛「押ずし」を販売。伊豆急線では、金目鯛をモチーフにしたラッピング電車も運行し、下田市は水揚げが日本一の金目鯛が盛んな土地。下田港で揚がった金目鯛を使用し、食べ応えあり!の長さ16.5cm。うっすらと白板昆布が載り、昆布と金目鯛の風味が見事にマッチした上品な美味しさです。
伊豆急下田駅「ショッピングKIS’A」
静岡県下田市東本郷1−6−23
ラストは、伊豆半島の北にあるJR「三島駅」から。駅構内にある「桃中軒」では「港あじ鮨」が一押し。朝採れの沼津直送の鯵を使い、山葵の葉で酢飯を包んだ「にぎわい鯵鮨」など、全部で3種の味が楽しめます。2003年発売以来の人気商品で、伊豆天城産の生わさびを擦りおろして食べる本格的なお寿司です。
「桃中軒」
静岡県三島市文教町
ご紹介した以外に、沼津市戸田の食事処「かにや」では、世界最大のカニ「タカアシガニ」を使った「タカアシガニ寿司」。鯵の生産量日本一を誇る沼津市内浦にある「いけすや」では、絞めたての鯵を使った「活あじのわさび葉寿司」などなど、紹介しきれませんでしたが、伊豆半島の東西南北、いろいろなご当地寿司があるので、ご自身で探してみては如何でしょうか?
ご紹介した寿司は、地元の素材に加え、伝統や特色を盛り込んだものばかり。グルメも旅の楽しみの一つ。伊豆ならではの、ご当地寿司を食べれば、旅がもっと楽しくなること間違いなし!きっと、旅の思い出にもなることでしょう。
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