筑波山の名刹・薬王院〜巨木茂る境内から目指す山頂

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筑波山の名刹・薬王院〜巨木茂る境内から目指す山頂

筑波山の名刹・薬王院〜巨木茂る境内から目指す山頂

更新日:2017/07/14 14:43

大木 幹郎のプロフィール写真 大木 幹郎 巨木マニア、低山登山家、ブロガー

茨城県の代表的な山、筑波山は登山に観光に人気の山。好展望の山頂へのアクセスは、南山麓の筑波山神社からの表登山道とケーブルカー。次に東山麓、つつじヶ丘からロープウェイの利用が一般的。観光施設と見所は、この一帯に集中していますが、西山麓にも薬王院という名所があります。椎の巨木に包まれた境内に、威厳ある立派な堂塔が並ぶ古刹と、ここを登山口とする山頂への登山道をご紹介。

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筑波山の名刹・椎尾山薬王院

筑波山の名刹・椎尾山薬王院

写真:大木 幹郎

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筑波山の西山麓、桜川市へ続く尾根にある小峰が、標高約256mの椎尾山。この中腹にある寺院が薬王院で、延暦元年(782)に開山された天台宗の古刹です。境内の景観は古くからの霊場に相応しい荘厳なもの。椎の大木の樹林に包まれて、立派な堂塔が並ぶ山寺の伽藍。堂塔では、江戸期に建立された仁王門、本堂、そして三重塔が県内でも貴重な文化財(写真は仁王門)。境内の巨木と椎尾山を覆う椎の樹林は県の天然記念物。薬王院は素晴らしい文化財の宝庫なのです。

薬王院へは筑波山神社の周辺から車で約20分。筑波山へ登山や観光で訪れる際、合わせて立ち寄りたい名刹です。境内の東側には、筑波山の山頂へ続く登山道・薬王院コースがあり、登山口としても利用できます(登山道の詳細は後述)。

筑波山の名刹・椎尾山薬王院

写真:大木 幹郎

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薬王院を代表する堂塔をご紹介。桜川市の指定文化財である仁王門と本堂、そして県の指定文化財である三重塔です。

境内の入口に立つ仁王門は、元禄元年(1688)に建立。安置された仁王像、風神雷神の像や、龍の彫刻が見事です。仁王門から先、椎の巨木に包まれた石段を登って本堂の前へ。

本堂(写真)は火災を経て延宝8年(1680)に再建されたもの。ご本尊の薬師如来坐像は鎌倉時代の作とされる県指定の文化財。堂内は内壁の彫刻や彩色画が見事で、特に龍の天井画が大迫力。珍しいものでは、眼病平癒にご利益があるという、巨大な眼鏡があります。

筑波山の名刹・椎尾山薬王院

写真:大木 幹郎

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薬王院の本堂の向って左側に建つ塔が、宝永元年(1704)に建立された高さ25mの三重塔。県指定の文化財で、県内に3基のみ現存する貴重な三重塔の1つです。端正で格調高い姿の塔には、ほぼ全面の外壁と尾垂木に、精巧な彫刻が施されています。

薬王院は椎の巨木の宝庫

薬王院は椎の巨木の宝庫

写真:大木 幹郎

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薬王院の大きな魅力は、お寺のシンボルともいえる椎の巨木たち。境内から見応えある椎の巨木をご紹介します。はじめに紹介するのは、仁王門の前に立つ巨木。境内で最大の巨木、幹周り5mを超える2本のうちの1本。捩れるように伸び上がった迫力の幹と、仁王門を背景とした眺めが魅力です。

薬王院の巨木が茂る境内と椎尾山。椎を中心とした約2.6ヘクタールの自然林は、椎尾山薬王院スダジイ樹叢と呼ばれる、県の天然記念物(スダジイ=すだ椎)。この樹叢の中で、直径30センチを超えるものは100本以上、樹齢300〜500年の巨木は10数本も生育しているそうです。

薬王院は椎の巨木の宝庫

写真:大木 幹郎

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薬王院で一度に多くの椎の巨木を眺められるのが、仁王門から本堂へ続く石段。この石段の両脇には、椎の巨木が群生しているので、境内でも特に森厳な雰囲気。最上段から見下ろすのが特にお勧めです。

薬王院は椎の巨木の宝庫

写真:大木 幹郎

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三重塔の隣に立つ椎の巨木。仁王門の前に立つ大椎と同じく、幹周り5mを超える、境内で最大の巨木の1本です。注連縄が巻かれているように、境内の他の巨木よりも御神木らしく威厳のある立姿。境内には他にも椎の巨木が何本もあるので、探してみてください。

登山道・薬王院コース〜登山口から自然研究路

登山道・薬王院コース〜登山口から自然研究路

写真:大木 幹郎

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薬王院を登山口として筑波山の山頂を目指す、薬王院コースの登山道をご紹介します。登山口は薬王院の境内の東側、林道に面した場所(標高約200m)。ここから御幸ヶ原まで、移動距離は約3km、移動時間は約1時間40分。登山口から先、写真のような樹林帯の中を40分ほど登り続ければ、林道・鬼ヶ作線との合流地点に至ります。

登山道・薬王院コース〜登山口から自然研究路

写真:大木 幹郎

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登山道の林道・鬼ヶ作線との合流地点。林道を横切って登山道は更に続きます。ここから先が、本コースで最も傾斜のある区間。長い階段が続くので、急がず一定のペースを保って登りましょう。

登山道・薬王院コース〜登山口から自然研究路

写真:大木 幹郎

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林道の合流点から約30分ほど登り続ければ、階段は九十九折となり、階段の急坂は終了。道が平坦になってきて一息つけます。更に約15分ほど進めば、男体山の山頂直下を周回して御幸ヶ原へ続く道、自然研究路との合流地点に到着です。

登山道・薬王院コース〜自然研究路から山頂

登山道・薬王院コース〜自然研究路から山頂

写真:大木 幹郎

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男体山の山頂の真下、標高700〜800mを周回する自然研究路。その北側に薬王院コースとの合流地点があります。合流地点から分岐を左へ進み、約15分で御幸ヶ原へ到着。山頂まであと少し。

なお、自然研究路の一帯は、男体山の山頂が日陰となり、降雪後もしばらくは雪が融けずに残っています。冬季に訪れる場合はご注意ください。
(写真に1月下旬の降雪後の残雪)

登山道・薬王院コース〜自然研究路から山頂

写真:大木 幹郎

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この景色は山頂ではなく、自然研究路にある展望所からの眺望。薬王院コースとの合流地点から、分岐を左でなく右へ進み約25分。近くに東屋や案内板があります。山頂に劣らない素晴らしい眺望。時間や体力に余裕がある場合は是非お立ち寄りを。

なお、自然研究路についての詳細は関連MEMOのリンク、筑波山ケーブルカー&ロープウェイのサイトをご参考ください。

登山道・薬王院コース〜自然研究路から山頂

写真:大木 幹郎

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女体山の山頂から男体山の眺め。男体山の真下、建物(ケーブルカー山頂駅と売店)が見える場所が御幸ヶ原。山頂では関東平野の大展望と、女体・男体の双峰を間近に眺められるのが魅力です。

最後に御幸ヶ原から山頂への往復と、薬王院への下山の時間をご説明します。男体山への往復は約20分、女体山への往復は約30分。薬王院への下山は約1時間15分。下山では自然研究路から先、長い階段にご注意ください。御幸ヶ原で十分に休憩しておきましょう。

薬王院は登山コースもある筑波山の名刹

以上、筑波山の名刹である薬王院と、ここから山頂を目指す登山道のご紹介でした。薬王院の境内は、椎の巨木に包まれて、立派な堂塔が並ぶ荘厳な景観。特に県内でも貴重かつ美しい三重塔と、樹齢500年を超えるという椎の巨木には、感銘を受けることでしょう。

薬王院から山頂を目指す登山道、薬王院コースは、御幸ヶ原までの移動時間が往復で約3時間。筑波山神社から登る表登山道(御幸ヶ原コース)よりも、約40分ほど長い道のり。御幸ヶ原に付くまでは、樹林に覆われ展望のない地味な登山道です。しかし、訪れる人が少なく、静かな山行が味わえます。そして下山後、薬王院の境内をゆっくり見学する楽しみを残しておけば、十分に魅力的。

薬王院は筑波山神社の周辺にある駐車場から、車で約20分の距離。筑波山へ登山や観光で訪れるご予定の方、薬王院へのお立ち寄りをお勧めします。また、表登山道(または白雲橋コース)を登り飽きた方、新しい登山ルートに挑戦してみませんか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/01/27 訪問

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