写真:手塚 大貴
地図を見る鳥取県米子市の南に位置する南部町。名峰・大山を望むこの町の田園風景の中を進むと、突如目の前にあまりにも神秘的な風景が現れます。
それは、広大な田んぼの真ん中にポツンと浮かぶ、まあるい小さな森。ジブリ映画『となりのトトロ』の世界を思わせるその可愛らしい姿から、“トトロの森”の愛称で親しまれているこの森、実は「客神社(小原神社とも)」という名の歴史ある神社なのです。
写真:手塚 大貴
地図を見る神社をすっぽりと包み込む森は愛くるしいまんまるの姿で、まさに“トトロの森”の愛称の通り、アニメの中の風景が現実に現れたかのような不思議な雰囲気を感じます。
これまで地元の人以外にはほとんど知られていない神社でしたが、最近になってそのフォトジェニックな風景が話題となり、カメラマンの間で秘かに人気の撮影スポットに。インスタグラムでの投稿も増え、“SNS映え”スポットとしても注目されています!
写真:手塚 大貴
地図を見るこんもりとした緑の森の姿から、“ブロッコリー神社”と呼ばれることもある「客神社」。まあるい森に包まれた神社からはパワースポットのような神秘的な空気が漂います。
この「客神社」、今からおよそ300年ほど前の享保年間に建てられた古い歴史のある神社。この森の近くで畑仕事をしていたおばあさんに神様が乗りうつり、「雨雪の日に入る宮を建てて欲しい」というお告げを受けたことで造営されたという話が伝わっています。
写真:手塚 大貴
地図を見る「客神社」の祭神は、大己貴命(大国主命)と少名彦名命。医薬禁厭(まじない)の神である少名彦名命への信仰は厚く、この神社にもイボ落としのご利益を求めて、多くの参詣者が集まりました。
写真:手塚 大貴
地図を見る神社の周囲に広がるのは、日本の原風景を思わせる一面の田園風景。かつての賑わいは遠いものになりましたが、今再び日本人の心を惹き付ける場所として、多くの人がこの田んぼの中の道を歩いて神社を訪れているのです。
写真:手塚 大貴
地図を見る田んぼの真ん中に小島のように浮かぶ、まあるい“トトロの森”。さて、いったい森の中には何があるのでしょうか?
森の入り口には、「客神社」の名が刻まれた鳥居と石灯籠。それはあたかもアニメの中の世界に迷い込んでしまったかのような雰囲気。童心に返ったような気持ちで、鳥居をくぐり森の中へ入っていきましょう。
写真:手塚 大貴
地図を見る鳥居の先の石段を登ると、そこには小さな本殿が建っています。本殿は森の中央に建ち、たくさんの樹木に包まれて、まるで森によって社が大切に守られているかのような光景。
神社を包み込む木々は、立派な大木も多く、長い年月を感じさせるほど苔むした木も。そして木々の間から望むのは、美しい田園風景。森の中に佇んでいるだけで、心が静かになっていき、ふと懐かしさが込みあげてくる・・・、そんな不思議な“トトロの森”です。
写真:手塚 大貴
地図を見る本殿の後ろの大木に巻かれているのは、申しあげまつりのわら蛇。荒神様祭りも行われています。
写真:手塚 大貴
地図を見るフォトジェニックな撮影スポットとして、その名が知られつつある「客神社」。撮影場所としては、田んぼの向こうにまあるい森と鳥居のある風景を望む、神社東側が最適。
ただし撮影の際は、くれぐれも周辺の農家や住民の方々のご迷惑にならないように気を付けて。田んぼの中に立ち入らない、車の通行を妨げない、といったマナーを守りましょう。
写真:手塚 大貴
地図を見る「客神社」は季節によってその表情を美しく変化させます。田んぼに張られた水面に森が鏡となって映りこむ初夏、黄金色に輝く稲穂の群れに森がひときわ映える秋、そして真っ白に染まった大地に雪化粧した森が水墨画のような姿を見せる冬・・・。
さらに1日の中でも、茜色に染まる夕暮れや星空の下の夜など、多彩な表情を見せてくれます。その日、その瞬間にしか見られない風景を求めて、“トトロの森”へ足を運んでみてください!
「客神社」へのアクセスは、JR米子駅前のバスターミナルから日ノ丸バスの上長田・大木屋線または東長田線に乗って約20分、「西伯病院」で下車。そこから法勝寺川を渡り、田んぼの中の道を進めば、徒歩10分ほどで到着します。
南部町にはこのほか、大国主命の再生神話の地である赤猪岩神社があり、春には法勝寺川の桜、初夏には金田川のホタルが楽しめるなど、四季折々の魅力がいっぱいです。
今にもその木陰からトトロが姿を現しそうな、まあるい森の「客神社」。“トトロの森”が訪れる人の気持ちをホッと和ませてくれるのは、その風景が田んぼや森とともに生きてきた日本人の心象風景と呼応するからなのかもしれませんね。
この記事の関連MEMO
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/4/27更新)
- 広告 -