写真:波奈 美月
地図を見る長野県下伊那郡大鹿村は、南アルプスと伊那山地に挟まれた美しい村。日本最大の断層である中央構造線が村の中央部を縦断しており、その真上にある「分杭峠(ぶんくいとうげ)」が、"ゼロ磁場"のパワースポットとして知られています。
"ゼロ磁場"とは、2つの地層が押し合うエネルギーの均衡がちょうど良く、強い"氣"が集まって、パワーが感じられる場所のこと。科学的に証明できるものではありませんが、その"氣"を浴びれば心身に癒しの効果があると言われています。
写真:波奈 美月
地図を見る大鹿村の"ゼロ磁場"は、分杭峠だけではありません。村を南北に貫く国道152号線(秋葉街道)は、中央構造線に沿ってできた谷を通っており、道沿いには"パワースポット"と呼ばれる場所が点在します。今回はそれらの見どころを、国道の北から南へ「分杭峠→北川露頭→地場坂→安康露頭」の順にご紹介!
写真:波奈 美月
地図を見る「分杭峠」は、伊那市長谷と下伊那郡大鹿村との境界に位置する標高1,424mの峠です。中国の高名な気功師、張志祥(ちょうししょう)氏により"ゼロ磁場"が発見され、一躍有名になりました。
峠には、国道152号線を通れば行けますが、一般車両の駐車は禁止となっており、通過することしかできません。ゆっくり滞在したい場合、伊那市側のふもとにある粟沢(あわさわ)駐車場まで行き、シャトルバスを利用することになります。
写真:波奈 美月
地図を見るシャトルバスの運行期間は、例年4月初旬〜11月末までの間。粟沢駐車場から8:00〜14:30の間、30分〜1時間間隔で出発します。往復1,000円(12歳以下500円)で、駐車場(約100台)は無料で利用できますよ。詳細は、記事下の関連MEMO「伊那市観光協会公式サイト」よりご確認ください。
粟沢駐車場から約15分で分杭峠に到着します。発着所近くの国道脇に、昔の領地境を示す「従是北高遠領」の石碑と「分杭峠 標高1,424米」の表示があり、撮影ポイントとして人気!北方には、中央構造線の断層に沿ってできた谷を見渡すことができ、なかなかの絶景ですよ。
写真:波奈 美月
地図を見る「憩いの広場」から100mほど山道を降りると、いよいよ「氣場」に到着!山の斜面が整備され、座れるようになっていますが、湿気があるのでシートを持参しましょう。
できれば1時間以上滞在して"氣"を浴びるほうが良いとのこと。ふもとより気温が低いので、春や秋に長時間滞在するとかなり冷え込みます。防寒対策はしっかりしていきましょう。あまり人が多いと"氣"が乱れるそうですので、早い時間や平日に訪れるのがお薦め。
発着所から700mほど林道を進んだ所にある「水汲み場」(通称)も強い氣場と言われています。※水は飲料水(検査を受けた水)ではありません。
写真:波奈 美月
地図を見る「北川露頭」(きたがわろとう)は、分杭峠から国道152号線を大鹿村側に約3キロ南下した所にあります。広い駐車場(無料)とトイレが完備され、ちょっとした休憩にも最適!
訪れる人は多くありませんが、安康露頭と共に国指定天然記念物になっており、地質学的に有名な所です。
駐車場から案内板の矢印に従い、3分ほど木々に囲まれた気持ちの良い道(未舗装)を進むと、解説板がある所に到着します。解説板の下に中央構造線が通っており、そこから中央構造線の露頭(露出している所)を見下ろすことができますよ。
写真:波奈 美月
地図を見る鹿塩川の川岸まで降りれば、露頭を高さ約5mの崖面の状態で、間近に見ることができます。写真のように、接している断層の岩石が違うため、境界がはっきりわかるのにはびっくり!左側の赤色(花崗岩)が中央構造線の太平洋側(外帯)で、右側の緑色(結晶片岩)が日本海側(内帯)です。
あまり知られていませんが、「北川露頭」も癒しに良いとされています。テレビで紹介されたこともあり、人が増えすぎて気が乱れた分杭峠よりパワーが強いと言われた時期もあったほど。
写真:波奈 美月
地図を見る"ゼロ磁場"の坂、通称「磁場坂」は、分杭峠より強い波動があると言われています。特に宣伝をしていないため、知る人ぞ知るパワースポット。そのうえ、大きな目標物が無く、「行きたいけど場所がわからない!」というかたも多いようです。
北川露頭から「地場坂」までは、国道152号線を地蔵峠・上村方面に約20キロ南下します。途中にある観光案内所(「道の駅 歌舞伎の里大鹿」内)で観光情報を仕入れたり、「中央構造線博物館」に寄って中央構造線に関する知識を深めるのもお薦め。
観光案内所からは、約5キロで大沢橋(※小さな橋です)に到着します。橋の手前にY字路があり、左側の入口近くにごみ小屋がある坂が「地場坂」です。
写真:波奈 美月
地図を見る駐車場はありませんが、坂の入口から国道152号線を地蔵峠・上村方面に50mほど進むと、数台駐車できるスペース(未舗装)があり、そちらを利用できます。
「磁場坂」に立ったら、地蔵峠の方向を向き、静かに集中すると良いそうですよ。交通量は少ないですが、普通の道路ですので、あまり長居をしないようにしましょう。
坂の途中には、湧水を汲める所もあります。"ゼロ磁場"でパワーを含んだ水を飲めば、健康に良いこと間違いなしですね。民家の軒先ですので、いただく時は迷惑を掛けないよう、しっかりマナーを守りましょう。
写真:波奈 美月
地図を見る「安康露頭」(あんこうろとう)は、北川露頭と共に、国指定天然記念物になっています。大きくパワースポットとして取り上げられたことは無いようですが、中央構造線の露頭であるせいか、パワースポットと解釈する人もいるようです。
国道152号線を磁場坂から6キロほど地蔵峠・上村方面へ進むと、左側に「安康露頭入口」の表示板が現れます。駐車場が無いので、入口にある2〜3台ほど駐車できるスペース(未舗装)に駐車しましょう。このあたりの国道152号線は、道幅の狭い山道になるので、運転にはご注意ください。
写真:波奈 美月
地図を見る表示どおりに木々に囲まれた道(未舗装)を2分ほど歩くと、美しい青木川の向こう岸に、幅約30mに及ぶ巨大な露頭が現れます。
北川露頭と同じく、岩石の違いで中央構造線の内帯(赤いほう)と外帯(黒や緑のほう)が接しているのがわかります。写真の中央付近に、境界(中央構造線)がはっきりと現れていますよ。
日本を貫く大断層の境目に立っていると思うと、なんだかロマンを感じますね。
大鹿村を訪れるには、国道152号線(秋葉街道)や県道59号線(小渋線)を利用します。いずれも狭い山道を通ることは避けられないので、運転にご注意ください。
今回ご紹介したポイントは国道152号線沿いですが、冬期や雨の日は通行止めになることがあります。事前に通行できるか確認されてからお出掛けくださいね。
県道59号線は、地域の基幹道路なので、基本的に一年中通行できます。そのため、一般的に大鹿村に入るルートは「松川IC→県道59号線」で紹介されていることが多いです。
大鹿村のお土産は、海水と同じ塩分濃度の鹿塩温泉から作った「山塩」がお薦め。口当たりがやわらかく、天ぷらや野菜につけて食べると最高ですよ。
大鹿村の見どころはまだまだあります。例年6月上旬〜7月上旬は中村農園で国内有数の「ヒマラヤの青いケシ」畑が咲き誇り、5月3日と10月第3日曜日は国の無形民俗文化財である「大鹿歌舞伎」の公演が行われます。パワースポット巡りと併せていかがでしょうか?
「ヒマラヤの青いケシ」に関しては、別記事に掲載しています。記事下の「関連MEMO」よりアクセスできますので、ご旅行の参考にぜひご覧ください。
2022年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/5/5更新)
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