北海道「函館山夜景」と歴史的建造物のナイトウォッチングの楽しみ方

北海道「函館山夜景」と歴史的建造物のナイトウォッチングの楽しみ方

更新日:2017/07/03 19:00

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
北海道函館市の函館山からの夜景は、長崎の稲佐山、神戸の摩耶山掬星台とともに「日本三大夜景」のひとつとされています。函館山からの夜景の素晴らしさはいうまでもありませんが、麓の西部地区の元町教会群や函館ベイエリアのライトアップされた歴史的建造物のナイトウォッチングも昼間とは違って幻想的な魅力にあふれています。函館山だけではないロマンチックな函館市内の夜景鑑賞に出かけて見ませんか?

まずは定番の函館山夜景を楽しもう

まずは定番の函館山夜景を楽しもう

写真:モノホシ ダン

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函館山の夜景鑑賞には、125人乗りのロープウェイかJR函館駅前から出ている夜景鑑賞用の函館山登山バスがおすすめです。マイカーやレンタカーは登山道の時間帯通行規制があるので、おすすめできません。また冬季(例年11月中旬〜4月中旬)は登山道がスリップ事故防止のために閉鎖されますので、ロープウェイのみの利用となります。

函館山ロープウェイは往復で大人1280円、乗車時間は片道約3分間です。函館山登山バスは片道大人400円です。ロープウェイはのりばまで足を運ばないといけないので、便利なのは函館駅からダイレクトに行ける登山バスのほうです。乗車時間は片道約30分です。 

バスは運行本数もわりと多いですが、必ず座って行きたいという方は出発時間の約30分前にはバスのりばで待つようにしましょう。バスは出発時にはほぼ満席になるため、途中のバス停からの乗車を考えている方は満員で乗れない場合があります。バスの詳しい時刻は関連MEMOをご覧下さい。

まずは定番の函館山夜景を楽しもう

写真:モノホシ ダン

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函館山山頂の展望台から夜景の写真を撮影する場合は、手振れ防止のため手すりの上にカメラを置いてシャツターを切りましょう。また複数の画像を重ねて1枚の画像を作成する「手持ち夜景モード」がついているカメラはこの機能を使ってみるのもおすすめです。撮影したら必ず再生画像を拡大してブレがないかチェックしましょう。なお三脚の使用は混雑のためおすすめできません。

市内の主要な建物の照明は概ね22時までです。写真で白く光っているタワーは、明治時代初年の箱館戦争の史跡「五稜郭」を俯瞰することのできる五稜郭タワーです。函館港に係留されている船は函館市青函連絡船記念館の「摩周丸」です。

まずは定番の函館山夜景を楽しもう

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函館山の標高は334mです。両側を海に囲まれた独特な地形のため春から夏にかけてはとくに霧が発生しやすいです。また山頂は日が暮れると急に寒くなってきますので夏でも上着の携行は必須です。夜景を心ゆくまで鑑賞したらふたたび登山バスで下山しましょう。帰りの登山バスは利用客の下山の時間帯がズレるため、比較的空いています。

荘厳な元町教会群のライトアップ

荘厳な元町教会群のライトアップ

写真:モノホシ ダン

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登山バスで函館山を後にしたら「登山口」のバス停で降車して、函館市西部地区の歴史的建造物のライトアップを鑑賞しに行きましょう。ナイトウォッチングのスタートは「元町教会群」のライトアップからです。

写真は1916年(大正5年)に建てられた「函館ハリストス正教会」です。函館の顔ともいうべき歴史的建造物で、観光パンフレットの表紙などに幾度となく登場してきました。日本初のロシア正教会の聖堂で、白壁とグリーンの屋根のコントラストが美しく、函館山の展望台からもよく見える建物です。

荘厳な元町教会群のライトアップ

写真:モノホシ ダン

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つづいて「カトリック元町教会」に行って見ましょう。現在の建物は1924年(大正13年)に再建されたもので、ハリストス正教会とともに元町教会群の代表的建造物です。このあたりは昼間は観光客で賑わうところですが、夜間は同じ夜景でも函館山の喧騒がウソのようにひっそりとした佇まいを見せてくれます。

荘厳な元町教会群のライトアップ

写真:モノホシ ダン

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さらに人気の元町教会群のひとつである「函館聖ヨハネ教会」は、1979年に再建されたもので、茶色の十字形をした屋根が特徴です。この撮影ポイントの坂は「チャチャ登り」といわれ、函館ハリストス正教会、カトリック元町教会、函館聖ヨハネ教会の3つの教会を一望できるところです。

函館発祥の地「元町公園」

函館発祥の地「元町公園」

写真:モノホシ ダン

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つづいてレトロな洋館と石畳の坂道が印象的な「元町公園」に行ってみましょう。写真のモダンな木造建築の洋館は「旧函館区公会堂」です。ブルーグレーとイエローの外壁が美しい1910年築のコロニアル様式の建物です。大正天皇が皇太子時代に滞在されたこともあります。

函館発祥の地「元町公園」

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高台にある元町公園は市街や港の眺めが素晴らしいところです。1859年(安政6年)、函館は幕末のペリー来航により横浜、長崎とともに国際貿易港として開港し、元町は箱館発祥の地といわれています。「箱館から函館」へ表記が変更されたのは、旧幕府軍と明治新政府軍との箱館戦争後の1869年(明治2年)です。

写真は元町公園を代表するもうひとつの洋館「旧北海道庁函館支庁庁舎」です。1909年(明治42年)に建てられたルネッサンス風建築物で、1950年(昭和25年)まで道南地方の行政の中心地となっていました。

函館発祥の地「元町公園」

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函館で早くから開けた元町を含む西部地区は昔から大火が多く、防火帯を兼ねた広い坂が多いところです。その坂の中でもっとも有名なのが写真の「八幡坂」です。函館港と市街地の眺望がよく数々のドラマやCMのロケ地として有名な坂で「行ってみたい坂」の上位に常にランキングされています。正面に見える船は函館市青函連絡船記念館の「摩周丸」です。

函館ベイエリアのライトアップも見逃せない

函館ベイエリアのライトアップも見逃せない

写真:モノホシ ダン

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函館港に面して赤レンガ倉庫が立ち並ぶのが「函館ベイエリア」です。1909年(明治42年)に建てられた「金森赤レンガ倉庫」は金森洋物館・函館ヒストリープラザ・金森ホール・BAYはこだての総称で、映画やドラマの函館ロケ地には欠かせないところです。また金森ホールは、函館で結成された人気ロックバンドの「GLAY」がデビュー前にコンサートを行った場所です。

函館ベイエリアのライトアップも見逃せない

写真:モノホシ ダン

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金森赤レンガ倉庫には運河があり、ここから函館湾へのクルーズ船が出ています。夜はレーザービームのライトアップが美しいところです。

函館ベイエリアのライトアップも見逃せない

写真:モノホシ ダン

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函館ベイエリアの一角にある「はこだて明治館」は、1911年(明治44年)から1962年(昭和37年)まで函館郵便局として使用されていた建物です。現在はオルゴールやガラスなどのショップが入っています。

函館市青函連絡船記念館「摩周丸」は函館の原風景

函館市青函連絡船記念館「摩周丸」は函館の原風景

写真:モノホシ ダン

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ライトアップのナイトウォッチングのラストはJR函館駅にほど近い「函館市青函連絡船記念館摩周丸」です。青森港と函館港を結んでいたJR青函連絡船は、1988年(昭和63年)3月13日の青函トンネル開通によりその使命を終え、引退しました。

旧国鉄時代を含めると80年間に渡る活躍で、全船(55隻)の運航距離約8千万キロは地球を約2千周したことになり、運んだ旅客は約1億6千万人、貨物2億5千万トンに上り、今日の北海道の発展に大いに寄与したのでした。

函館市青函連絡船記念館「摩周丸」は函館の原風景

写真:モノホシ ダン

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青函トンネルの開通により終航したJR青函連絡船は全部で7隻でした。そのうち「八甲田丸」と「摩周丸」の2隻だけが展示記念船として青森と函館の両港に残されました。青函連絡船は函館の原風景とも言われ、北海道新幹線が開通した現在もそれは変わっていません。函館へ行ったなら、摩周丸を訪れて連絡船の栄光の軌跡と思い出をたどるのもおすすめです。

函館山の夜景だけではない夜の函館市内の楽しみ方

いかがでしたか。函館を訪れたならば函館山の夜景は必見ですが、歴史的建造物のライトアップのナイトウォッチングもまた必見です。所要時間は函館山登山口から元町教会群、元町公園、函館ベイエリア、摩周丸と回って約90分です。

函館山から見えていた風景を視点を変えて間近に見るというのも新鮮でまた楽しいものです。歴史的建造物のライトアップは昼間とは違って荘厳さを感じさせるものばかりです。観光客の姿もめっきり減って、静かに風景を楽しみたいという方にもおすすめですよ。

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/10/12 訪問

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