博多でとんこつラーメンを食べることは、もはや基本と言えましょう。とんこつラーメンの代表格とはいえ、その味もニーズにより変化したり、ニューウェーブに押されたりと進化しています。
こってりとした濃厚とんこつを貫く店、あっさりとキレのいいとんこつスープベースで個性を磨いていく店…それぞれを味わい尽くすのも“麺食い”には楽しいラーメン探訪になります。好みの分かれるラーメンは特に、「ここが美味しい」と一言ですすめられないのが現実。でも、ラーメンだけ何軒も食べ比べはできない。それならスターターとして創業当時のファーストウェーブ時代、その本来の味と、今のトレンドの両方を味わっておきたいところ。
大御所の一つ“大砲”の「食べくらべセット/800円」(写真)は、その想いを叶えるべく古今を味わえます。こってり濃厚の昔ラーメンとまろやかな定番の今ラーメンの二つの味を半分ずつ味わえるもの。今では全国的に麺の硬さを好みにオーダーできますが、スタンダードの細麺をごく硬めに、いわゆる博多式オーダー「バリかた」でトライもいいでしょう。
テーブルに置かれた紅ショウガやすりゴマをトッピングすればまた味に変化があり、とんこつと一言に言ってもこれ程までに魅力が異なるのかと感じます。
ここだけで済ませるはずが、他でも食べ比べてみたくなる…それがまた楽しい誤算になるはずです。
1970年代から、天神の昼時間に、ビジネスマン達の鼻腔をくすぐりお腹を満たしてきた、グルメ風月の「ビーフバター焼き」。湯気立つ熱々の鉄板の上、おこげができたアルデンテなパスタの上にビーフソテー。
そこに回しかけられた和風バーベキューソース。ジュージューと音を立てる鉄板から漂う、香ばしい麺と肉々しいビーフにソースからの玉ねぎの甘い香り…なんとも渇望感を掻き立てられる香りとその眺め!
弾力あるパスタのカリッとした食感と、バターで炒められたコク旨のビーフ、そこに玉ねぎなどの野菜の甘みとインパクトある酸味の醤油ソース。その全ての味が口の中で合わさることに意味がある絶妙なバランスです。
白いご飯を合わせたい味、という表現も加えておきたいところで、W炭水化物の壁を乗り越えられるライス派やパン派の方は、別料金でつけることができます。さらにビーフやパスタを増量することもできますが、「基本のビーフバター焼き/600円」だけでも充分ボリューミーな満足感。
天神のグルメ風月だけでなく今では、福岡空港国内線ターミナルビルのフードコート内に構える「天神B.B.Quisine」でもオーダーできます(写真)。
往年のファンはもちろん、一口食べたら病みつきという“無性に食べたくなる症候群”を生んでいるこのロングランメニューは、是非トライを。
もつ鍋やホルモンといえば、博多グルメとして屋台メニューとしての筆頭に出てくる名物ですが、今地元民がオーダーする「もつ焼き」は芸能人にも人気メニューなのです。
年季の入った小さな鉄製のフライパンで運ばれてくる「もつ焼き」は純白の花が咲くように、なんとも美しい!“タレ付きを網焼き”という、もつ焼きの概念を覆すこの美しいビジュアル。その店名、「煮こみ」のもつ焼きです(写真/博多駅南店)。
もんじゃ焼きのハガシで鉄板から引き剥がし口に含めば、ぷりっぷりの弾力とジューシーで旨み濃厚な牛もつの脂分。この白さはストイックな下処理の証しで、この油脂感の先に感じる清らかな味わいが女子にも人気の理由なのです。
まずは塩で堪能し、ポン酢で頂いたり、テーブルに乗った博多ならではの「ごま」や「ゆず胡椒」などで味わいの変化を楽しめます。福岡は日本酒や焼酎の銘酒が多いことでも有名、もつ焼きとのペアリングも最高。
地元民が次々と席を埋める小さな店内。その一角に貼られた芸能人の色紙から伝わる美味しい興奮の殴り書きを眺めながら、白い花を召し上がれ!
ごま鯖を始めとして、美味しい海鮮に刺身文化が有名な博多。長浜鮮魚市場をはじめとした市場が集まり、玄界灘で獲れた新鮮な魚介類を楽しめるお店がその新鮮さを競い合っています。写真は、その代表的海鮮メニューの一つ「剣先イカの活造り」。
この美しい透明感と、巧みな隠し包丁でさらに引き立てられたコリッコリ食感にすっきりした甘み。出されて刺身部分を食べ終えるまで、その新鮮な様子(色が変わったり、動きます)を眺めるのも、活造りならではの魅力です。博多の店のテーブル常備品とも言える「すりごま」をかけて食べる、ごま鯖ならぬ、ごまイカもまた一興の食べ方。
また、刺身以外の部分は天ぷらなどにしてもう一度出されるという、二度美味しいサービスも。
「イカの活造り」発祥地、博多。是非その真髄を味わってください。
日本テレビ「秘密のケンミンSHOW」で紹介され、再燃した福岡のご当地パン、リョーユーパンの「マンハッタン」。福岡県民を中心に九州っ子で知らない人はいないともいう、1974年発売のロングランヒット商品です。
オールドファッションタイプのチョコドーナツとチュロスの中間をいく硬めのドーナツ。カリッサクッほろっとしながら、なかなかボリューミーで一袋食べ終えると満足感充分です。チョコレートコーティングは、やはり牛乳と食べたくなる味。部活帰りに頬張った学生時代の郷愁感は、この商品に馴染みのない県外者でもなんとなく分かる「懐かしい味、クセになる食感」です。
スタンダードな「マンハッタン」と夏限定の「真夏の夢のマンハッタン」(写真)。後者の夏限定商品は、気温でチョコレートが溶けてベタベタしないように工夫、生地にチョコレートが練り込まれているもの。甘さも少しビターに仕上がっています。
コンビニやスーパーですが、リョーユーパンを扱っているかどうか、また扱っていても売り切れていることもあります。コンビニやスーパー巡りをして、やっと出会えた時の喜びはひとしお。写真の商品は、博多駅マイング内スーパー「博多ステーションフード」で購入したもの。是非ともお探しを。
グルメの街“博多”には、Sクラスのグルメからディープなグルメまでその魅力は幅広く、何度訪れても食べ飽きること、ご紹介し切ることはありません。今回は、芸能人御用達から地元民推奨、そしてご当地ロングラン商品までをご紹介しました。是非ソウルフルな博多グルメ旅を!
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