写真:竹内 あや
地図を見る石畳の路地が入り組むポルトの旧市街を散策していると、ふとした瞬間、ハリーポッターの世界へ迷い込んでしまったかのような感覚に陥ることがあります。それもそのはず。この町は『ハリーポッター』シリーズの著者、J・K・ローリングがシリーズを書き上げる直前に過ごした地なのです。
J・K・ローリングは1991〜1993年にかけてポルトに在住し、英語講師として働いていました。このとき、それまで思い描いていた物語のアイデアをさらに膨らませ、執筆に時間を費やすようになったといわれています。
ポルトに住み始めてまもなく、J・K・ローリングはバーで出会った男性と結婚し一女を出産しますが、結婚生活はうまくいかず、妹の住むエディンバラへ。貧困とストレスに悩まされながらも、1995年にシリーズの第1作『ハリーポッターと賢者の石』を完成させました。
写真:竹内 あや
地図を見るハリーポッターの世界を彷彿させるもののひとつが、クレリゴス教会のすぐ先にある書店「レロ・エ・イルマオン」です。床から天井まで所狭しと並んだ書籍に、木造の重厚な螺旋階段……。“世界の美しい書店”のひとつにも選ばれているだけあって、店内に足を踏み入れた瞬間、その荘厳さには息を呑むほど。ハリーとロン、ハーマイオニーの3人がどこからかひょっこりと顔をのぞかせるのではないかと思ってしまうような雰囲気です。
写真:竹内 あや
地図を見る実はここは、ハリーたちが通うホグワーツ魔法魔術学校の図書館のモデルになったともいわれている場所。ポルトに滞在中、J・K・ローリングもよくここへ通っていたといわれています。吹き抜けの2階奥には小さなカフェがあり、J・K・ローリングにとっても落ち着いてくつろげるお気に入りの場所のひとつだったとか……。現在は、夏のハイシーズンにもなると多くの観光客で賑わっていますが、まだ人が少ない開店直後に訪れれば、どこか神秘的で重々しい、魔法学校図書館の雰囲気が味わえます。
写真:竹内 あや
地図を見るJ・K・ローリングがお気に入りだったもうひとつの場所が、旧市街に佇む1921年創業の老舗カフェ「カフェ・マジェスティック」。テラス席の奥に広がる、アールヌーヴォー様式の優雅な調度品で彩られた内装が印象的です。ここで、彼女は物語の構想を紙ナプキンに書き付けていたといわれています。
写真:竹内 あや
地図を見るカフェがあるのは、美しいアズレージョが印象的なサント・イルデフォンソ教会からアルマス礼拝堂へと続く、サンタ・カタリーナ通り。こぢんまりとしたブティックやカフェが軒を連ねる石畳の通りで、ときどきレトロな雰囲気の路面電車が目の前を横切っていきます。現代から切り離されたかのような旧市街の町並みのなかで、J・K・ローリングはさらに構想を深めていったのかもしれません。
写真:竹内 あや
地図を見るポルトには、ほかにもハリーポッターの世界を彷彿させる光景がたくさんあります。想像上の生き物の彫刻が施された噴水や人気のない路地、どこか神秘的な重厚な石造りの教会(写真)など……。
また、ホグワーツ魔法魔術学校の生徒たちが身に着けている黒いマントも、ポルト大学の学生が身に着けているものがモデルになっているのでは……ともいわれています。学部ごと異なる色柄の紋章からも、ホグワーツの4つの寮旗を連想させられずにはいられません。
J・K・ローリングにインスピレーションを与えたともいわれる町、ポルト。世界遺産にも登録されている歴史地区やアズレージョの美しい教会など、数多くの魅力であふれています。
おもな見どころを巡ったあとは、思う気ままに散策してみるのも楽しいもの。一見、観光スポットとは無縁な何気ない空間に、“ハリーポッターの世界”を垣間見ることができます。
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(2024/4/19更新)
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