水天宮はもともと有馬家の屋敷にあった神社で、参勤交代の際に江戸でも参拝できるようにと有馬家の藩主が福岡県久留米市から分霊したものです。江戸時代には有馬家以外からの信仰も厚く、塀の外から賽銭を投げ入れる人が後を絶たないほどで、当時の藩主は毎月5日に門を開き、人々の参拝を許したのです。
しかし、水天宮はもともと水難や除災の神として信仰されており、当時は水難から逃れたい漁師が多く参拝していたのだそう。現在のように、安産祈願の神様ではなかったのです。
水天宮が安産祈願の神様といわれるようになったのには諸説ありますが、1つは生類憐みの令で知られる徳川綱吉から犬を賜ったこと。犬は昔から安産の象徴であったため、それから派生したといわれています。また、御祭神の一人、天御中主神が天地創造の神であることから、「すべてを生み出す」神様として、安産祈願へつながったなどという説もあります。
建て替えられた水天宮は、白木を基調とした爽やかな造りで、代々受け継がれてきた錺金具や彫刻なども施されています。今回の改装で免震構造も取り入られており、時代に即した社となっています。
水天宮といえば、「犬」のイメージのため、多くの方は「子宝いぬ」の方をよくご存じかと思います。しかし、実は水天宮の神使は河童!「安産子育河童」は、小さな河童たちがお母さんにしがみついた、かわいらしい像です。お参りの際は、ぜひこちらも見てみてくださいね。お土産用に河童のお守りや鈴も販売されています。
人形町は明治座や浜町公園へと続く甘酒横丁を中心に、江戸時代から続く老舗が建ち並ぶエリア。季節ごとに開かれる、せともの市や人形市、べったら市といった日本古来の行事も残るエリアですので、訪れるたびに違った楽しみ方を味わうことができます。
特におすすめなのが、「重盛永信堂」のせんべい。たまご風味の優しい味わいで、戦時中贅沢といわれた卵や砂糖をふんだんに使ったことから、「ゼイタク煎餅」とも呼ばれたそうです。ジャムサンドは10月から4月下旬までの期間限定商品ですので、この時期にはぜひ足を運んでみてください。
七福神の顔をかたどった、人形焼きも必見ですよ!
人形町といえばやっぱり、甘酒横丁ですよね。甘酒横丁の名前の由来は、小路の入り口に甘酒屋があったからというのは、有名なお話です。
現在、甘酒横丁の名前の由来となった甘酒屋さんはありませんが、明治40年創業の「双葉」で、甘酒を堪能することができます。夏は冷たい甘酒もあるので、人形町巡りで疲れた時には、甘酒で一息つきましょう。
人形町からくり櫓は、人形町を象徴する存在。江戸時代の火消しの「は組」をモチーフにした人形で、午前11時から午後7時までの間、1時間ごとにからくり人形を楽しむことができます。時間が合うときには、ぜひチェックしてみてくださいね。
実は、水天宮は人形町の「七福」のひとつ。
人形町には水天宮(弁財天)のほかに、小綱神社、茶の木神社、松島(大島)神社、末廣神社、笠間稲荷神社、椙森(すぎもり)神社の6つの神社があり、それぞれ七福神を祀っています。それぞれ違ったご利益があるので、水天宮だけでなく、ほかの七福神にも足を延ばしてみてください。
たとえば、末廣神社は世界の守護神、福徳を授ける神様として知られる毘沙門天が祀られており、勝負事にもご利益があるといわれています。
水天宮と比べると規模の小さな神社ばかりですが、ときにはかわいらしいお稲荷さんとの出会いも。全て回っても所要時間は2時間ほどなので、気軽に七福神巡りを楽しみたい方にもぴったりのコースですよ。
2016年改装された水天宮は、古き良き文化を残しつつも新しい文化を取り入れており、妊婦さんやご夫婦以外も見る価値のある場所です。周辺には立ち寄れるスポットもたくさんあるので、食べ歩きを楽しむのも◎!七福神巡りをしながら、新しい発見を楽しんでくださいね。
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