睨みをきかせる不動明王!富山・大岩不動の湯は隠れた名湯!

睨みをきかせる不動明王!富山・大岩不動の湯は隠れた名湯!

更新日:2017/08/23 15:57

八岳木 流泉のプロフィール写真 八岳木 流泉 温泉ライター
富山県の中新川(なかにいかわ)郡は、山岳信仰で知られる立山や、峻嶮な頂の剣岳を仰ぐ山あいの場所です。その地には、古くからの名刹「日石(にっせき)寺」が鎮座しており、参拝客もかなりの多さ。そんな日石寺の足元には、隠れた名湯「大岩不動の湯」が湧いています。掛け流しの露天風呂、睨みをきかせる不動明王。魅力あふれる名湯へと旅に出てみませんか。

岩で知られる日石寺

岩で知られる日石寺

写真:八岳木 流泉

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大岩不動の湯と、同温泉が仰ぐ日石寺は、中新川郡の山奥にあります。市街地から県道をたどって山へと入る途中、道端に案内板は多くありませんが、施設に近づくと大きな看板が出ているため、迷うことはありません。

日石寺は神亀2(725)年に開かれたとされる真言密教のお寺です。本尊は不動明王ですが、仏像の形で安置されるのではありません。本尊は大岩を彫った磨崖仏で、3メートル以上の高さを誇っています。「大岩のお不動さん」との愛称も持つほどで、地域の住民から観光客まで幅広く参拝客が訪れます。本尊が岩の磨崖仏だけあって、日石寺の銘板などは岩にはまっています。境内の石や岩などを見て、大岩のお不動さんたる由縁を探すのも楽しいですね。

シックな大岩不動の湯

シックな大岩不動の湯

写真:八岳木 流泉

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日石寺からほど近いところにある大岩不動の湯は、平成20(2008)年に開湯したまだ新しい日帰り施設です。外観は黒い板で設えられて非常にシックに、地域に溶け込む様相です。

大岩不動の湯へ車でアクセスする場合は、北陸自動車道の「立山」インターや「滑川」インターが便利です。公共交通機関の場合は、富山地方鉄道「上市」駅から、町営バスに乗り「大岩」停留所で降りると近いです。

シックな大岩不動の湯

写真:八岳木 流泉

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大岩不動の湯は男女別の内湯と露天に分かれています。週ごとの交替制ですが、一方を「六本滝の湯」、他方を「不動明王の湯」とするのです。前者は日石寺の境内にある心身を清める滝、後者はもちろん日石寺の不動明王です。どちらにもそれらをモチーフにしたステンドグラスがはめられており、この土地ならではの情緒を感じることができます。

とりわけ不動明王のステンドグラスは迫力満点!睨みをきかせる不動明王に、思わず見とれてしまいます。不動明王のステンドグラスに限っては、施設駐車場からも眺めることができます。こちらの浴室に当たらなかった人は外から眺めてください。

木造内湯と岩の露天と

木造内湯と岩の露天と

写真:八岳木 流泉

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内湯の浴槽は杉など地元の木材を用いた木造りです。天井が高く開放的で、圧迫感やムンムンとした感覚はありません。ステンドグラスには六本の滝。電灯が控えめのなか、どこか幻想的に浮かんでいます。

木造内湯と岩の露天と

写真:八岳木 流泉

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中規模サイズの露天風呂は、掛け流しになっています。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉。透明ですが僅かに灰色を帯びた濃厚なお湯です。日によりお湯の色が変わると評判で、透明度が低い灰色のときから赤色まで、不思議な色の変化が楽しめるということです。

露天風呂からの眺望は期待できませんが、日石寺から続く鬱蒼とした山々が間近に迫り、まさに深山幽谷の世界です。場所柄か、あまり混み合うこともなく、秘湯感もたっぷり。山奥の日石寺で大岩の磨崖仏を拝み、隠れた名湯で体をほぐす。大岩不動の湯は魅力満載の静かな温泉場です。

霧がかかって増す幻想度

曇天の日を選んで大岩不動の湯の露天に入っていると、時折、山に霧がかかってきます。その光景が実に幻想的で、あたかも水墨画の世界にいるようです。内湯に戻ればステンドグラス。他に類を見ない趣向で楽しませてくれるこちらの温泉。旅して損はさせません!

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/08/30 訪問

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