ポルトガル中部のアゲダは、川と緑に囲まれた人口4万8000人ほどの小さな町。日頃は人通りも少ない静かな町ですが、夏になると世界各国の観光客たちでにぎわいを見せます。人々を惹きつけているのは、毎年7月に約1カ月にわたり開催される、世界でも注目の芸術祭。アーバンアートと音楽を中心に、さまざまなイベントで盛り上がります。
もともとこの地域では、夏の強い日差しを遮るために商店街などの歩道で傘を使っていたのだとか……。これを町の活性化につなげようと、2006年にスタートしたのがアンブレラ・スカイ・プロジェクト。商店街をはじめ、町中心部の路地をアーケードのように色とりどりの傘で覆い、まるでおとぎ話の世界のような異空間をつくり出しました。
その光景が口コミで話題を集め、年々観光客が増加。傘のアーケードが登場する夏に合わせて、ストリートアートやコンサートなどのイベントも開催されるようになり、今では期間中、毎日3000人以上もの観光客が訪れる芸術祭へと発展しました。
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https://www.agitagueda.com芸術祭が開催される7月は、約1カ月間にわたって連日特設ステージでコンサートが開かれ、アーティストたちがさまざまなジャンルの音楽を熱演。町なかのいたるところでは、大道芸やダンス、ボディペインティングなどのパフォーマンスが繰り広げられます。
また、周辺の川や山ではカヌーやマウンテンバイクなどのスポーツイベントも開催。ショップやレストランも営業時間を大幅に延長し、祭典を盛り上げます。
写真:竹内 あや
地図を見る9月末になると傘のアーケードは取り除かれてしまいますが、それ以外の時期でも意外に楽しめるのがアゲダの町。誰かに見つめられていると思ったら工場の壁から大きな目がのぞいていたり、商店街のアーケードの向こうに海のような世界が広がっていたり、町なかに突如、空へと続く虹の階段が現れたり……。建物の壁や道脇のベンチ、公園の駐輪場、商店街の窓など、いたるところに壁画やオブジェなどが点在しています。
写真:竹内 あや
地図を見る実はこれらは、毎年“アンブレラ・スカイ・プロジェクト”の一環として制作されているもの。何度訪れても、その都度新たな発見ができるのもアーバンアートならではの魅力です。
町なかの何気ない風景に溶け込んだアートを探して、足の向くままに散策してみるのも楽しいかもしれません。ひとつひとつのアートを見逃さずに見たいのであれば、川沿いに観光案内所があるので、そこでオブジェや壁画が見られる場所を記載したアートマップを手に入れるといいでしょう。
写真:竹内 あや
地図を見るアゲダの町はとてもこぢんまりしているので、散策中に迷うことはほとんどありません。町の中心部は、駅の南側に広がる約1平方kmのエリア。無人のアゲダ駅から続く通りをまっすぐ歩いていくと数分で川へとぶつかりますが、その手前が町の広場になっていて、商店街や市場、公園へとつながっています。
時間があれば、小高い丘の上の教会へ立ち寄ってみるといいでしょう。教会前の広場から、眼下に広がる町並みを見渡すことができます。
写真:竹内 あや
地図を見るアゲダへの拠点となる町アヴェイロへは、ポルトガル第2の町ポルトから列車で約1時間。そこからアゲダへは、旅情を誘うローカル列車で約35分の道のりです。
ポルトは歴史的町並みが世界遺産にも登録されており、世界各国から多くの観光客を惹きつけている町。さらにアヴェイロは“ポルトガルの水の都”とも呼ばれ、運河に浮かぶ伝統的な船モリセイロで知られています。
アゲダの町は観光客用の施設が限られているので、いずれかの町を拠点にして日帰りで訪れるといいでしょう。
日頃は観光客が訪れることもない小さな町アゲダですが、毎年夏になると多くの観光客を惹きつけます。色鮮やかな傘が無数に空に浮かぶ光景は、見ているだけでも幸せな気分に……。おとぎ話のような世界へ、あなたも足を踏み入れてみませんか――。
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(2024/4/20更新)
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