写真:菊原 朝香
地図を見る取手には海や山がないので、一番おいしいのは野菜と米!ということで、ランチはカレーライスがメインになったと話してくれたのは店主の天野天(あまの・たかし)さん。地元で一番おいしいものを、それも産地でしか食べられないおいしい食べ方で食べてもらいたいと。
たとえば、トマト。ディナーメニューに「クーリ・ド・トマト」という料理があります。これは他に調味料などは一切使わず、トマト100%で作るとてもシンプルな料理なのですが、「テンサン」では取手の生産者「新鮮野菜工房」が作る黄色いトマトの皮ごとジュース(加熱と非加熱)と苺のような甘みと酸味が特徴のシュガープラムという品種の2種類で作っています。
そのたった2種類のトマトが、驚くほど味に深みや奥行きを出してくれるんです。これは、他の場所では食べられない「テンサン」ならではの一皿。
写真:菊原 朝香
地図を見る取手のトマトは、甘さの奥に酸味や青臭さなどいろんな要素がほどよく絶妙で、ただつぶして10〜15分くらい煮詰めただけのものが最高においしいごちそうになるんです。
そうやって取手の野菜のおいしさを引き出したメニューとして「テンサン」の看板的な存在なのが「季節野菜のカレー(中辛700円、辛口750円、激辛800円いずれも税込)」。20種類以上の旬野菜を煮込んで作っているだけあって味に奥行きを感じます。
ちなみに、写真のメニューは「新鮮野菜工房の新種トマトのカレー(税込900円前後、入荷状況により変動)」。付け合わせのトマト2つは「クーリ・ド・トマト」のトマトと同じですが、ルーの中にゴロゴロ転がっているのは、まだ市場に出回っていない「MD(エムディー)」という開発名で呼ばれている新種の黒トマト。フルーツトマトほどの甘さはないけど、舌に残る余韻がとっても上品。
ただ残念なことに、このカレーや「クーリ・ド・トマト」など「新鮮野菜工房」のトマトを使ったメニューは、秋〜春の期間(収穫状況によっては入荷しない日もアリ)しか食べられません。でも他にも負けずにおいしい野菜のメニューはたくさんですよ!
写真:菊原 朝香
地図を見るオススメなのが、この「季節野菜のカレー」に、朝採れの取手野菜を盛り盛りに盛ったサラダとドリンクをセットしたランチセットメニュー(+税込200円)。どうせなら一日分の野菜を食べた!という気持ちで帰ってほしいという天野さんの思いが込められたサラダです。
旬の取手野菜を使っているので、その時々採れるものや量によって内容が変わるのも楽しみですよね。アイスプラントやエディブルフラワーなど見た目もカラフルで食欲をさらにかきたててくれます。どの野菜も味が濃いので、それぞれの味の個性がとても際立っていて最後の一口まで飽きません。
同じ野菜でも、東京の半額以下で仕入れられるからこその質と量と値段です。
写真:菊原 朝香
地図を見る茨城県「季節野菜のごはんやさん テンサン」は、古民家をリフォームしています。不動産屋の契約書には「築年数不明」と記載されていたくらい古いんです。蔵に残った書物に「天保」などといった年号のものがたくさんあることから、実際には築200年近いのかも!?という説も。
取手の野菜の魅力に取りつかれた天野さんはこの古民家と出会い、約1年前にここで自分のレストランをオープンしました。
写真:菊原 朝香
地図を見る店内のインテリアはすべて元々あったものをリサイクルしています。なので内装費はほぼゼロ円。まだまだ改装が必要なところが残っているので、少しづつリフォームしています。
写真:菊原 朝香
地図を見るテーブルは古いコタツに椅子は古箪笥といった組み合わせも天野さんのアイディア。置いている本は自分のもの。自分の趣味に近いものをあえてそろえることで、お客さんとの話のきっかけになるようにとの心遣い。
写真:菊原 朝香
地図を見る店内にはその時々の旬の取手野菜が販売もされています。もちろん、なくなり次第終了。実際に食べてみて「おいしい」「また食べたい」と思った食材が買えるのはとてもうれしいですよね。
写真:菊原 朝香
地図を見る茨城県「季節野菜のごはんやさん テンサン」は、ランチは予約優先、夜は完全予約制で、メニューはフレンチのおまかせコースのみ。なので予約がない日の夜はお休みです。天野さん一人で切り盛りしているので、無理せず対応できるだけのお客さんの数でやっています。
店内やショップカード、箸袋に書かれているカワイイにゃんこは天野さんによるデザイン。子供のころから書いているキャラで、これしか書けないという天野さん、カワイイですよね。
ちなみに「テンサン」というこの店名は、天野さんの名前からきています。下の名前の「天(たかし)」を「テン」と音読みして、敬称の「サン」をつけたもの。今では家族からも「テンサン」と呼ばれているくらいなじんでいます。
茨城県「季節野菜のごはんやさん テンサン」、いかがでしたか?カレーが好きな人に、おいしい野菜が食べたい人に、古民家が好きな人に、ぜひ訪れてほしいお店です。隠れ家のように田んぼや住宅の中に建っている一軒家レストランなのですが、公共交通機関でもたどり着くことができますし、駐車場もあるので車での来店もOKです。取手の地酒や天野さんの故郷・山梨県の名物ほうとうといった変わったメニューがあったりと、二度三度と訪れたくなるお店です。お店に関する詳細な基本データは、関連メモをご覧くださいね。(※本文中にもありますが、「新鮮野菜工房」のトマトを使ったメニューは夏〜秋の期間はお休みです。)
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(2024/4/25更新)
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