福岡と山口の県境を歩いて渡りませんか?「関門トンネル」人道

福岡と山口の県境を歩いて渡りませんか?「関門トンネル」人道

更新日:2017/07/24 15:55

肥後 球磨門のプロフィール写真 肥後 球磨門 一人旅ブロガー
とても短い距離なのに流れが速く泳いで渡ることは難しい福岡県北九州市門司区と山口県下関市の間にある関門海峡。泳いでは渡れないけれど歩いては渡れます。それを可能にしてくれるのが関門海底トンネルの人道です。門司側のトンネル出入り口近くには海峡が見渡せる広場や由緒ある神社、そして下関側には源平合戦が繰り広げられた壇之浦があり、その両方を徒歩で往復できる関門トンネル人道を紹介します。

関門トンネル人道入り口へのアクセスは徒歩かレンタサイクルがおススメ

関門トンネル人道入り口へのアクセスは徒歩かレンタサイクルがおススメ

写真:肥後 球磨門

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関門トンネル人道の入り口は下関側も門司側も同じような造りになっています。
門司側の入り口はJR門司港駅からバスで13分程度ですが、便数が1時間に一本程度しかないので時間に余裕を持って移動することをおススメします。車を利用する場合は人道入り口前には駐車場がないのでノーフォーク広場の駐車場(トンネル入り口まで徒歩5分)か展望広場駐車場(同じく徒歩3分)の利用が便利です。門司港駅から歩く場合は40分ほどかかります。

下関側の入り口前には駐車場が整備されています。ただし人気がある駐車場で休日などは駐車待ちに時間を取られる場合が多いこともあるので下関駅からのバスの利用をおススメします。

一番のおススメはレンタル自転車です。門司港で自転車を借り、人道で下関に渡り、下関から関門連絡船で門司港に戻ると駐車場の心配もなく時間を有効に使えるのでいかがでしょうか。

片道780mの海底散歩

片道780mの海底散歩

写真:肥後 球磨門

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関門トンネル人道入り口からエレベーターを利用して、門司側は約60m、下関側は約55mの地下に約30秒で到着します。
ここからウォーキングスタート。人道内は地域住民の方が通勤や買い物に利用したり、ジョギングやウォーキングを楽しんだりしています。

地下とはいえ換気が十分にされているので、片道780メートル、往復するとおよそ1500メートルの距離はちょっとした有酸素運動になるのではないでしょうか。

片道780mの海底散歩

写真:肥後 球磨門

壁面には魚の絵が描かれ、海底を散歩する気分になれるような演出がされています。何かが起こったときのための非常用ボタンも設けられているので安心して海底散歩を楽しみましょう。

なお通行料は無料となっています。ただし自転車は有料。

片道780mの海底散歩

写真:肥後 球磨門

下って上る海底トンネル。一番下にあるのが県境

下って上る海底トンネル。一番下にあるのが県境

写真:肥後 球磨門

海底トンネルの特徴といえるのが入り口から徐々に下っていき最低部から上り坂になること。山の峠道に掘られているトンネルと逆なのでこの傾斜で海底に向かっているのだと実感できます。
歩くだけなら片道およそ15分の旅ですが、所々で記念写真を撮りながらだと20分程度は見ておいたほうがいいでしょう。

下って上る海底トンネル。一番下にあるのが県境

写真:肥後 球磨門

最低部に到着すると目にするのが「福岡県」と「山口県」の県境を示すラインです。両県の間は海で隔てられているので、自分の足で県境をまたぐなんてここでしか体験できません。
このラインをまたいで記念写真をパチリ。思い出の一枚になるのではないでしょうか。

関門橋が一望できるノーフォーク広場

関門橋が一望できるノーフォーク広場

写真:肥後 球磨門

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関門トンネル人道の門司側、下関側ともに周囲に観光名所があり、門司側にあるのがノーフォーク広場と布刈神社です。
「ノーフォーク」とは、北九州市と姉妹都市である米国バージニア州のノーフォーク市にちなんでつけられた名前で、眼前に船舶が往来する関門海峡、そして関門橋が望める絶好のビューポイントです。

関門橋が一望できるノーフォーク広場

写真:肥後 球磨門

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ノーフォーク広場から関門トンネル人道入り口まで「観潮遊歩道」を利用して海岸伝いに歩くことをおススメします。まるで船に乗って関門橋の下をくぐるときのように関門橋が眼前に迫ってきます。

関門橋が一望できるノーフォーク広場

写真:肥後 球磨門

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人道入り口近くにあるのが和布刈神社(めかりじんじゃ)です。「和布刈」とは「ワカメを刈る」という意味です。この神社では海岸でわかめを刈って神前に供える「和布刈神事」(めかりしんじ)が行われています。
1400年ほど前の西暦710年に、神事で供えられたワカメが朝廷に献上されたと記述が残っている由緒ある神社です。さらに壇之浦の合戦前夜、平家一門が勝利を祈願したという伝承も残っています。
人道を渡る前に由緒ある神社にお参りし、海底散歩の無事を祈りましょう。

源平最後の決戦地「壇之浦古戦場」(みもすそ川公園)

源平最後の決戦地「壇之浦古戦場」(みもすそ川公園)

写真:肥後 球磨門

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関門トンネル人道の下関側出入り口から国道を挟んで向かいにあるのが源氏と平家の最後の激戦地「壇之浦古戦場」です。
現在は「みもすそ川公園」として遊歩道が整備され、関門海峡を行きかう船を間近に見ることができます。

源平最後の決戦地「壇之浦古戦場」(みもすそ川公園)

写真:肥後 球磨門

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公園内には、平教経が源義経を討とうとして追い詰めた時、俗にいう「八艘飛び」で義経は味方の船に逃れたという物語をあらわした像、「平知盛 碇潜(いかりかづき)」と「源義経 八艘飛び」が設置され、関門海峡を背景に人気の記念撮影スポットになっています。

源平最後の決戦地「壇之浦古戦場」(みもすそ川公園)

写真:肥後 球磨門

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この場所は明治維新のときに下関戦争が起こった場所でもあり、長州砲のレプリカが関門海峡に向かって数門設置されています。
この場所に立って海峡が見守ってきた歴史に思いをはせてみてはいかがでしょうか。

「関門トンネル」人道を利用して観光を楽しみましょう

徒歩15分で源氏と平家が最後の戦いを行った関門海峡を渡る旅、いかがでしたか?
このトンネルは往復してもいいですが、門司港レトロでレンタル自転車を借りて人道で下関に渡り「みもすそ川公園」を見学後、下関の唐戸市場から関門連絡船を利用して門司港に戻るコースをおススメします。
唐戸市場では獲れたての新鮮な海産物や美味しい寿司などがいただけます。市場の近くには耳なし芳一で有名な平家一門を祭った赤間神社もあるので自転車だと気軽に立ち寄れると思います。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2017/01/28 訪問

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