ご紹介する西伊豆・土肥地区にある土肥海水浴場は、夏になると多くの海水浴客で賑わう人気の海岸です。長さ約700m、幅約50mの広い砂浜と遠浅な海が特徴の西伊豆最大のビーチ。ここは珍しいことに、海水浴場のすぐ近くに駿河湾フェリーが発着するフェリー乗り場があり、海水浴をしながら船を鑑賞できるポイントなんです。
このフェリーは「富士」という名前の船で、静岡市清水区の清水港と土肥港を結んでいます。駿河湾フェリーは、1971年9月から運航を開始。運行当初は、富士市の田子の浦港と土肥港を繋いでいましたが、2002年4月から現在の航路になりました。
船上から、世界遺産の構成資産の三保の松原や富士山など、素晴らしい眺めが見られるため、航海ルートを海上県道223(ふじさん)号に認定した全国的にもめずらしい航路です。1日4往復しており、船の全長は83m、全幅14m。総トン数1554トン、最大搭載旅客450名、乗用車54台を収容できる大きさ。地方で活躍する船としては比較的大きいです。写真は、およそ65分の船旅からちょうど土肥港に入港するところです。
フェリーは、遠くから勇ましく突進。入港間際は減速するため、見せつけるかのようにゆったりと入港するシーンを海岸から見られます。船体は、コバルトブルーに赤や黄色、ピンク色などのレインボーのデザインが施され、船の後方は、清水区に本拠地を置く地元サッカーチーム「清水エスパルス」のマスコットキャラクター「パルちゃん」がトレードマーク。航海速力は、約18.5ノット。およそ時速34kmで進む高速フェリーです。
入港する際は速度を落として走行しますが、かなりの総トン数があるため、大きな波が海岸に押し寄せます。入港の様子は、年間を通して見られますが、特に夏は嬉しいことに、海の中で船から押し寄せる大きな波や、船のエンジン音などを体感できます。エンジンの振動が海中でも伝わるかのようで、船と一体化した不思議な感覚や、船から押し寄せる波などを体中で満喫できますよ。
時間によっては、夕日をバックにした美しくも勇壮なフェリーが見られるので、カメラのご準備も忘れずに。海水浴シーズンは、監視員を配置して安全に配慮されているので、小さなお子様連れでも安心して楽しめます。
そして、船舶ファンにたまらない極め付けがこれっ!海岸にある「土肥温泉丸」です。漁船を湯船にした温泉で、温泉に浸かればまるで漁船に乗っているかのような雰囲気が味わえます。
海水浴後の暖をとるのにも最適で、温泉丸は無料で入れる海水浴シーズンの限定風呂。海岸に3ヵ所、計6艘の船があり、温泉は源泉かけ流しの贅沢な湯で、温泉丸に浸かってフェリーを眺めるのも中々乙なもの。ここから眺める景色は、きっとマニアは嬉しいはず!
駿河湾は、フランスに本部を置くNGO(非政府組織)の「世界で最も美しい湾クラブ」に加盟。湾の優れた自然景観を保全するなどの目的で、国内では松島湾・富山湾に次ぎ、京都の宮津湾と共に加盟した美しい海岸が広がっています。
日本では、大小様々なフェリーが運航していますが、海水浴をしながら間近で見られる海岸は稀。船は乗っても楽しめますが、運行する様子は中々見られないもの。船舶ファンの他、船が好きなちびっ子もきっと大喜びすること間違いなし!
土肥海水浴場は、海上花火大会などのお楽しみイベントも行っていますよ。海岸に行く際は、水分補給など熱中症対策も忘れずに。この夏は、海水浴と一緒にフェリー見物ができる一石二鳥な土肥海岸へお出掛けしませんか?
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/4/26更新)
- 広告 -