駅徒歩5分で昭和へ江戸へ!わたらせ渓谷鐡道「大間々駅」から時空散歩

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駅徒歩5分で昭和へ江戸へ!わたらせ渓谷鐡道「大間々駅」から時空散歩

駅徒歩5分で昭和へ江戸へ!わたらせ渓谷鐡道「大間々駅」から時空散歩

更新日:2017/06/30 13:21

やた 香歩里のプロフィール写真 やた 香歩里 鈍足の旅人、地域の魅力発掘人,駅徒歩絶景ハンター

群馬県と栃木県を渡良瀬川沿いに結ぶわたらせ渓谷鐡道。車窓からの渓流美や、足尾銅山などの歴史遺産で人気の鉄道ですが、群馬県みどり市大間々(おおまま)町の「大間々駅」周辺は、江戸や明治から続く醸造蔵や大正時代の洋館、昭和の劇場など、時代を感じるスポットが、駅からわずか徒歩5分ほどのエリアに点在しています。アカデミックにもグルメ的にも楽しめる大間々で、手軽な時空散歩を楽しんでみませんか?

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江戸時代から続く「日本一しょうゆ」の岡直三郎商店

江戸時代から続く「日本一しょうゆ」の岡直三郎商店

写真:やた 香歩里

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大間々駅前の道を東に200mほど、突き当りの大きな道:東国文化歴史街道(国道122号線)を少し南に行くと、この大きな和風建築があります。こちらは江戸時代の天明7年(1787)にこの大間々の地で創業した、「日本一しょうゆ」の岡直三郎商店。ここで作られているのは、国産の原料と産地にこだわった、「木桶仕込・天然醸造醤油」です。

大間々では明治28年(1895)に大きな火事がありました。消火のための水さえも足りなくなったとき、こちらの醤油で火を消し止めたという逸話があります。

江戸時代から続く「日本一しょうゆ」の岡直三郎商店

写真:やた 香歩里

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こちらでは蔵の見学も可能です。杉の大きな木桶が並ぶ蔵の中に入ると、ずっしりとした伝統と、こだわりの重みを感じます。蔵の中には「蔵付き酵母」が存在し、この蔵の醤油の味を大事に育て、守り続けています。木桶の口はビニールでしっかり覆われていますが、中で発酵する醤油のこぽこぽというような音が聞こえることもあります。生まれては消える小さな気泡は、醤油が生きている証です。

江戸時代から続く「日本一しょうゆ」の岡直三郎商店

写真:やた 香歩里

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お土産に、江戸時代からの味を守るお醤油はいかがですか? 国産有機大豆と有機小麦を使用したこだわりの有機醤油「一番しぼり」や「二段仕込」のほか、めんつゆやタマゴかけ醤油、にんにく醤油やしょうが醤油など、バラエティーに富んだお醤油がズラリ。どれにしようか迷ってしまうあなた、味見もできるのでご安心を。煎餅などのお菓子も豊富に揃っています。

また、店内で食べられる「おしょうゆソフトクリーム」は筆者のイチオシ。香ばしい醤油の風味がしっかりと感じられ、コクがあります。ぜひ一度ご賞味を!

明治創業、赤城山の水でつくった近藤酒造の「赤城山」

明治創業、赤城山の水でつくった近藤酒造の「赤城山」

写真:やた 香歩里

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岡直三郎商店から50mほど南に行くと、そこにも歴史ありげな佇まいの大きな和風建築があります。さて、何の建物でしょう? 軒下の大きな杉玉がヒントになりますね。そう、酒蔵です。こちらは明治8年(1875)創業の近藤酒造。このどっしりとした店構えの裏には酒蔵が並んでいます。創業以来、群馬の名峰赤城山の伏流水を仕込み水に使い、酒造りをしてきました。

明治創業、赤城山の水でつくった近藤酒造の「赤城山」

写真:やた 香歩里

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赤城山麓の伏流水は、群馬を代表する淡麗・辛口の銘酒「赤城山」を生み出しました。創業以来140年以上にわたって続いてきたこだわりの酒造りへの評価は高く、現在も数々の鑑評会で賞を受けています。

伝統的な清酒はもちろんのこと、近年では和風シャンパン「赤城山純米スパークリング」や、群馬県産の酵母・酒米・水による「オール群馬」の酒「赤城山舞風」を発売するなど、新しい試みも続けています。

明治創業、赤城山の水でつくった近藤酒造の「赤城山」

写真:やた 香歩里

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「営業中」などの掲示がないので、入っていいものかちょっと躊躇しますが、営業時間内であればこちらで商品を購入できます。日常飲みにちょうど良いお手頃な定番品から、贈り物にもお薦めの純米大吟醸酒・特別大吟醸酒、また季節限定のお酒など、多彩なお酒が揃っています。営業日・時間等については、下の「関連MEMO」のリンクをご参照ください。

旧銀行の大正洋風建築「コノドント館」

旧銀行の大正洋風建築「コノドント館」

写真:やた 香歩里

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このモダンな洋館は「みどり市大間々博物館」、通称「コノドント館」です。この建物、もとは大正10年(1921)に建築された旧大間々銀行の本店でした。銀行らしいどっしりした造りで、当時最先端の建物であったであろうことが窺えます。一見レンガ造りに見えますが、実は木造建築で、外側にレンガ風タイルを貼った、木骨石積レンガタイル造り。現在ではみどり市の重要文化財に指定されている貴重な建物です。ここでは地域の自然や歴史・民俗資料などが展示されています。

元銀行だけあって、1階には大きな金庫室があり、そこには古銭や貨幣が展示されています。普通はまず入ることのできない銀行の大金庫に入るという面白い体験もできますよ。

旧銀行の大正洋風建築「コノドント館」

写真:やた 香歩里

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さて、この博物館の愛称になっている「コノドント」とはなんなのか、御存じでしょうか? なんとなく恐竜っぽい響きですが、実はそうではなく、歯のような形の微化石(ごく小さな化石)です。ウナギのような形態の、原始的な生物の歯ではないかと考えられています。

このコノドントを日本で最初に発見したのが、大間々町の故・林信悟氏でした。林氏はコノドントを発見しただけでなく、研究しやすいように取り出す方法を考案するなど、コノドントの研究に大きく寄与した人物です。館内では顕微鏡でコノドントを見ることもできます。

旧銀行の大正洋風建築「コノドント館」

写真:やた 香歩里

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コノドント館の展示内容は、1階が古生物のほかみどり市の自然と生きものを展示する「自然展示室」、中2階が上の写真の部屋で、かつての地域の暮らしを伝える「民俗展示室」、2階がこの地域の歴史を原始から近現代にわたって展示する「歴史展示室」となっています。コンパクトながら、展示室ごとにコンセプトがはっきりしていて、見ごたえもぎっしり。

ほかに企画展示室や、3D画像の見られる立体映像室もあります。動物の鳴き声が聞けたり、井戸のつるべをひっぱってみたりという体験型の展示もあり、思いがけず時間を忘れて見入ってしまうような展示が盛りだくさんです。

昭和の賑わいを残す劇場「ながめ余興場」

昭和の賑わいを残す劇場「ながめ余興場」

写真:やた 香歩里

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上の3つの建物のある東国文化歴史街道とは線路を挟んで反対側の、やはり徒歩5分ほどのところに、白壁・黒屋根の大きな建物があります。

こちらはみどり市の指定重要文化財「ながめ余興場」。「余興場」とはちょっと耳慣れない言葉ですが、昭和12年(1937)に建築された劇場なのです。玄関部分の屋根は唐破風(からはふ)付の重厚なもので、あの歌舞伎座を模したものと言われています。

昭和の賑わいを残す劇場「ながめ余興場」

提供元:みどり市観光課

http://www.city.midori.gunma.jp/kankoguide/

この劇場は、木造2階建て、吹き抜け構造で桟敷席や二階席も設けらており、地下には人力による回り舞台の仕掛けもある本格的なものでした。時代の波とともに、昭和62年(1987)に一度は閉館の道を辿りましたが、大切な近代化遺産としての保存と活用の機運が高まり、1年3ヶ月をかけた大改修を経て、平成9年(1997)、利用が再開されました。

現在も、発表会やコンサートなどの音楽イベント、寄席やトークイベント、集会などに幅広く利用されています。平成27年(2015)には、市川猿之助さん出演の「ながめ歌舞伎」が上演され、話題になりました。

昭和の賑わいを残す劇場「ながめ余興場」

提供元:みどり市観光課

http://www.city.midori.gunma.jp/kankoguide/

舞台下には奈落があり、ここでは回り舞台の仕掛けを見ることもできます。そのほか、様々なポスターやチラシ、写真や衣装など、昭和の芸能を伝える資料が展示されています。

館内は見学可能ですが、興業や催事などで利用している場合は見ることができません。休館日もありますので、見学希望の場合は事前に確認されることをお薦めします。下記「関連MEMO」のみどり市観光課のHPから問い合わせ先を確認することができます。

日本近代史の凝縮、「大間々駅」周辺でお手軽時空散歩を!

なぜ大間々町がこんな近代史の見本のような町なのか? それは、ここがかつて足尾銅山の銅を江戸に運ぶ「あかがね街道」の宿場町であり、また生糸や絹の集散地として大変栄えた町だったからです。

今回は時代順に江戸から昭和に向けてご紹介しましたが、コノドント館と岡直三郎商店・近藤酒造は東国文化歴史街道沿いにあるので、歩く順番としては、大間々駅からコノドント館をめざし、岡直三郎商店→近藤酒造→ながめ余興場と回るか、最初にながめ余興場を見学し、高津戸峡に降りて高津戸峡遊歩道を「はねたき橋」まで歩いて、そこからコノドント館に回るのがおススメです。大間々駅周辺には他にも、常夜灯や蔵、創業120年の銭湯や、「関東の耶馬溪」名高い高津戸峡まで、あっと驚くような見どころが満載です。

ローカル線には、駅周りには何もなくて、観光スポットに行くには1日に数本しかないバスで数十分…ということも珍しくありません。駅から徒歩5分の距離で江戸から昭和までを味わえる大間々で、百年の昔に迷い込んだような旅を楽しんでみてください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/06/15 訪問

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