フィレンツェ、サンタマリアノヴェッラ教会でルネサンスの栄華に浸る

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フィレンツェ、サンタマリアノヴェッラ教会でルネサンスの栄華に浸る

フィレンツェ、サンタマリアノヴェッラ教会でルネサンスの栄華に浸る

更新日:2017/06/26 09:22

奥村 千穂のプロフィール写真 奥村 千穂 フィレンツェ宿泊コーディネーター、滞在型アパート紹介、現地医療通訳

ルネサンスの発祥の地、イタリアのフィレンツェ、サンタマリアノヴェッラ教会には、多くの人が、美術史の教科書で目にしたことがあるであろう、有名なフレスコ画が複数残っています。

美術館で絵画を鑑賞するのとは違い、建築、絵画、装飾の総合芸術としてのフレスコ画を鑑賞出来るのは現地ならでは。フィレンツェで1400年代に起こったイタリアルネサンスとは?という問いに答えてくれそうな、特別な体験が出来るでしょう。

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順風満帆!福を呼ぶルチェッライ家の紋章

順風満帆!福を呼ぶルチェッライ家の紋章

写真:奥村 千穂

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サンタマリアノヴェッラ教会は、同名のフィレンツェ中央駅の真向かいにあります。回り込むと、教会の正面に出ます。ここが、サンタマリアノヴェッラ広場。

1219年にフィレンツェにたどり着いたドメニコ派の修道士達が、元々そこにあった小さな教会を修道院にしたのが、この教会の歴史の始まりです。

順風満帆!福を呼ぶルチェッライ家の紋章

写真:奥村 千穂

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ペストの流行が過ぎ去り、フィレンツェに富と活気が戻り、イタリアルネサンスと呼ばれる文芸復興運動が開花して、その盛りを迎えた1460年頃に、貴族ルッチェッライ家により、建築家レオン・バッティスタ・アルベルティに、ファサード(正面部分)の建築が依頼されます。

アルベルティは、古いゴシックスタイルの後方部分を、中央バラ窓の左右に付けられた装飾によって、完全に隠してしまいます。こうして、新しいルネサンスという時代を象徴するのにふさわしい建築様式を実現します。

縦横の比率が緻密に計算され、究極の美を追求したルネサンス建築の代表的な建造物の1つです。

順風満帆!福を呼ぶルチェッライ家の紋章

写真:奥村 千穂

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ファサードを飾る模様として使われているのは、ルチェッライ家の紋章。風を受けて大きく膨らんだ帆を表しています。順風を得て事業の成功を表す、福を呼ぶ、商人らしいシンボルマーク。

多くの人の目に留まる教会のファサードに、貴族ルチェッライ家がこのようなアピールをすることは、まさに現在の新聞広告の様な意味合いもあったのです。

ルネサンスの始まりからフィレンツェ黄金期へ

ルネサンスの始まりからフィレンツェ黄金期へ

写真:奥村 千穂

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教会の内部は、天井に向かって伸びる様な典型的なゴシック様式です。窓を飾るステンドグラスからの光が床に反射し、この歴史ある教会の荘厳さを感じさせます。

更に前に進んで、奥に見える巨大な十字架を鑑賞してみましょう。

ルネサンスの始まりからフィレンツェ黄金期へ

写真:奥村 千穂

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中央、主祭壇の上には、ジョットの「キリスト磔刑図」(1290年頃)が掲げられています。2001年に修復が終わり、もともと1421年まで掲げられていたオリジナルの場所に戻されました。

イタリアルネサンスが1300年代から150年の間に、徐々に速度を上げながらあらゆる分野において発展して行く中で、ジョットーの作品はそれらの先駆けとなります。

ルネサンスの始まりからフィレンツェ黄金期へ

写真:奥村 千穂

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こちらは、主祭壇の左横にあるブルネッレスキの「キリスト磔刑像」(1410年〜1415年)
同時期に作成されたサンタクローチェ教会のドナテッロ作「キリスト磔刑像」と見比べて見ると、それぞれの彫刻家の個性が明らかになり興味深い作品です。

ブルネッレスキはその後、ドゥオーモのクーポラを建造します。

聖書のシーンをルネサンス期の服装で

聖書のシーンをルネサンス期の服装で

写真:奥村 千穂

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主祭壇に向かって左側にある、マサッチョ作「三位一体」(1425-1427年)。

キリストを支える父なる神、光輪を付けた聖母マリア(左)と使途ヨハネ(右)が中心に描かれています。更にその下、左右に配置されている人物は、このフレスコ画を教会に寄進した当時実在したフィレンツェの上流階級の人物です。

一番下の石棺に横たわる骸骨はアダム。「死を想え」というメッセージが込められています。

聖書のシーンをルネサンス期の服装で

写真:奥村 千穂

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主祭壇の裏側、トルナブオーニ礼拝堂では、ドメニコ・ギルランダイオの一連のフレスコ画(1485〜1490年)を見ることが出来ます。

フィレンツェの貴族トルナブオーニ家の為に描かれたこのフレスコ画には、少なくとも20人の同家の実在の人物が描き込まれています。

聖書のシーンをルネサンス期の服装で

写真:奥村 千穂

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これは「聖母マリアの誕生」という聖書の記述を、1400年代の当時のフィレンツェの上流階級の人物、服装、建物の内装に当てはめて描いた大胆な作品。まるでフィレンツェの貴族の邸宅の中で起きた出来事の様に見えます。

ドゥオーモのクーポラを予言!? スペイン人大礼拝堂

ドゥオーモのクーポラを予言!? スペイン人大礼拝堂

写真:奥村 千穂

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主祭壇に向かって左横の扉を出て階段を下りると、キオストロ・ヴェルデ(緑の回廊)と呼ばれる静かな回廊に出ます。

回廊の北側には、大きな礼拝堂があります。
この礼拝堂は、1566年に、トスカーナ大公コジモ1世の妻でスペイン人だったエレオノーラの為に、宗教行事の場として、当時のスペイン人コミュニティに譲渡された為、それ以来、「スペイン人大礼拝堂」と呼ばれています。

ドゥオーモのクーポラを予言!? スペイン人大礼拝堂

写真:奥村 千穂

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壁面の装飾は、アンドレア・ボナイウートにより1365-1367年に制作されました。

まだルネサンスが開花する前の時代の作品ですが、活き活きとした人物表現のフレスコ画が壁面を埋め尽くす様子は圧巻です。

ドゥオーモのクーポラを予言!? スペイン人大礼拝堂

写真:奥村 千穂

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こちらは、ドメニコ派の修道士を描いた作品。

中央にあるのは、まだ当時、計画のみだったフィレンツェのドゥオーモ。ブルネッレスキがクーポラの設計をする50年以上も前に、その形、大きさを見事に予言しています。

世界のセレブを顧客に持つ老舗、サンタマリアノヴェッラ薬局

世界のセレブを顧客に持つ老舗、サンタマリアノヴェッラ薬局

写真:奥村 千穂

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教会の西側には、キオストログランデという大きな回廊があります。僧房と共に作られたこの回廊の大きさは、この教会に相当数の聖職者が居たのかを今に伝えています。

1868年にイタリア中の多くの修道院と同じ様に、サンタマリアノヴェッラ教会も国に接収され、キオストログランデは1920年から、2015年まで、イタリア軍の士官学校として利用されていました。そのため、回廊では、学生達が良くランニングをしていました。

今は、教会と一緒に美術館として一般開放されています。

世界のセレブを顧客に持つ老舗、サンタマリアノヴェッラ薬局

写真:奥村 千穂

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サンタマリアノヴェッラ教会と言えば、世界のセレブを顧客に持つコスメ&香水の老舗、オッフィチーナ・プロフーモ・ファルマチェウティカ・サンタマリアノヴェッラ(通称、サンタマリアノヴェッラ薬局)が有名です。

元々は教会の修道士達が作っていた香水やエッセンシャルオイルを1612年以降、一般市民に販売し始めたのが始まりです。現在も、当時と同じ製法で、ポプリや香水を作り続けて販売している長い歴史を持つ薬局です。

今のお店の入り口は、中のゴージャスさとは裏腹に、「え?」と驚くほど、少々ゴチャゴチャした通りにありますが、元々は、この回廊に面した場所が入り口でした。上の写真は、今は使われていないけれど、昔、教会側からの出入り口だった場所です。

サンタマリアノヴェッラ薬局の入り口は、Via della Scala 16番地からです。こちらも是非訪れてみて下さい。

バブル時代のフィレンツェに思いを馳せる

ペストの流行が治まり、経済が発展し、裕福層が増えてきたフィレンツェで、多くの貴族が教会へ絵画やフレスコ画を寄進します。

そこに自らの姿を描き込んでもらったり、聖書の記述をそのまま、当時のフィレンツェの生活シーンに当てはめたり。画家達はこぞって、古代ローマの彫像を学びつつ、遠近法と人体表現を探求します。

富と芸術が結びついて「ルネサンス」という流れを生み出した現場として、サンタマリアノヴェッラ教会は、当時の華やかさを今に伝えてくれます。
フィレンツェには教会が沢山あって、どれから見て良いか迷ってしまいますが、もし1つだけ選ぶのであれば、初期ルネサンスの傑作がずらりと揃っている、サンタマリアノヴェッラ教会をお勧めします。

一部は美術館になっていますが、あくまでも教会なので、ショートパンツやタンクトップでの入場は出来ません。帽子も被っていたら、教会に入る時に脱ぐ必要があります。
写真撮影はフラッシュなしであれば可能ですが、携帯電話の使用や大声での会話は控えましょう。

開館時間と入場料はMEMOにリンクした公式HP(英語)をご覧下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/06/08 訪問

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