大阪をスローに走る「チン電」阪堺電気軌道の撮影スポットガイド

大阪をスローに走る「チン電」阪堺電気軌道の撮影スポットガイド

更新日:2022/05/27 13:59

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
大阪府の天王寺と堺の間を走る路面電車「阪堺電気軌道」は1911年(明治44年)の開業以来「チン電」の愛称で地元の人たちや観光客に親しまれています。古い鉄橋や、パワースポットの住吉大社の前や南海電鉄高野線との立体交差などをスローに走るチン電はとてもフォトジェニック!大阪を代表する観光スポットとの競演も撮影できます。大阪をスローに走る、魅力ある「チン電」の撮影スポットをご紹介します。

近代土木遺産の「大和川橋梁」

近代土木遺産の「大和川橋梁」

写真:モノホシ ダン

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阪堺電気軌道には「阪堺線」と「上町線」の2つの路線があります。2つ合わせた路線距離(営業キロ)は約18kmです。堺市側の起点駅は「浜寺駅前」停留所で、「住吉」停留所で阪堺線と上町線に分岐します。阪堺線の終着駅は「恵美須町」停留所で、上町線の起点駅は「天王寺駅前」停留所です。

なお、浜寺駅前停留所から天王寺駅前停留所に直通する電車はありますが、恵美須町停留所に直通する電車はありません。すべて阪堺線の「我孫子道」停留所で乗り換えとなります。路線図など詳しくは関連MEMOをご覧下さい。

阪堺電気軌道の撮影スポットで、最初にご紹介するのが、大阪市と堺市の境界である大和川に架かる阪堺線の「大和川橋梁」です。この橋は阪堺電気軌道の創業時の1911年製で、全長198mのプレートガーター橋。さらに橋を支える橋脚は珍しい鉄管柱で、近代土木遺産に選定されています。撮影ポイントは「大和川」停留所を降りてすぐです。

近代土木遺産の「大和川橋梁」

写真:モノホシ ダン

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鉄橋は赤錆色をしていて、横河橋梁製作所(現在の横河ブリッジ)の設計施工です。可愛らしいチンチン電車が渡るには立派すぎるほどの橋です。

近代土木遺産の「大和川橋梁」

写真:モノホシ ダン

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大和川停留所のホームからも撮ってみましょう。ホームからは、電車の足回りも隠れること無く撮影することができます。

<大和川停留所の基本情報>
住所:大阪府堺市堺区遠里小野町1丁1
アクセス:浜寺駅前停留所から25分 天王寺駅前停留所から22分

パワースポット「住吉鳥居前」停留所

パワースポット「住吉鳥居前」停留所

写真:モノホシ ダン

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続いては約1800年の歴史を持つ「住吉大社」の大鳥居とのコラボです。撮影ポイントは、阪堺線の「住吉鳥居前」停留所を降りてすぐです。車がいっしょに写りこまないようにタイミングを計って撮影しましょう。電車の本数が割とあるので1本逃しても焦らず機会を待ちましょう。

パワースポット「住吉鳥居前」停留所

写真:モノホシ ダン

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住吉大社では、反橋(そりはし)からの撮影もおすすめです。住吉大社の象徴ともいえる橋で、水面に映る様子から太鼓橋ともよばれています。

反橋からは、大鳥居越しに阪堺電車が見えるので、大鳥居と阪堺電車を絡めた写真が撮れます。車両の真横から撮ることになるので、特徴的な広告やラッピングをした電車がいいでしょう。

<住吉鳥居前停留所の基本情報>
住所:大阪府大阪市住吉区9
アクセス:浜寺駅前停留所から31分 天王寺駅前停留所から16分

パワースポット「住吉鳥居前」停留所

写真:モノホシ ダン

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住吉鳥居前停留所から歩いてすぐのところには、南海電鉄南海線の住吉大社駅があります。なお、住吉大社駅の東隣には、2016年(平成28年)1月31日に廃止された阪堺電気軌道、上町線の住吉公園停留場がありました。

廃止後、ホームや線路は撤去されて駐車場となっていますが、「住吉公園驛」の文字が残る駅舎はテナントが入居している関係もあってそのままです。最盛期には1日200本の発着があった駅舎で、往時の賑わいを想像してみてください。

<旧住吉公園驛の基本情報>
住所:大阪府大阪市住吉区長峡町3

南海電鉄高野線との立体交差「神ノ木」停留所

南海電鉄高野線との立体交差「神ノ木」停留所

写真:モノホシ ダン

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さらにおすすめの撮影スポットが、南海電鉄高野線との立体交差がある上町線「神ノ木」停留所です。ここはチンチン電車が南海高野線をオーバークロスする形になります。撮影ポイントは停留所を降りて階段を下って高野線の住吉東駅が見えるすぐのところです。

南海電鉄高野線との立体交差「神ノ木」停留所

写真:モノホシ ダン

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タイミングがよけれはチンチン電車と高野線のコラボを撮影することができます。どちらも割と運行本数がありますので、辛抱強くチャンスを待ちましょう。

<神ノ木停留所の基本情報>
住所:大阪府大阪市住吉区住吉1丁目1
アクセス:浜寺駅前停留所から34分 天王寺駅前停留所から12分

チン電と大阪三大タワーの競演

チン電と大阪三大タワーの競演

写真:モノホシ ダン

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ラストは大阪の3大タワー、「あべのハルカス」と「通天閣」および「大阪府咲洲庁舎」とチン電とのそれぞれのコラボをご紹介します。

あべのハルカスとの撮影ポイントは上町線の「松虫」停留所を降りてすぐのところです。ここは線路の形状がカーブになっているので、速度を落としたチンチン電車とあべのハルカスを上手に収めることができます。

<松虫停留所の基本情報>
住所:大阪府大阪市阿倍野区松虫通1丁目1
アクセス:浜寺駅前停留所から43分 天王寺駅前停留所から4分

チン電と大阪三大タワーの競演

写真:モノホシ ダン

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「通天閣」とのコラボでは、阪堺線の「東粉浜」停留所がおすすめの撮影スポットです。場所は東粉浜停留所を降りて、恵美須町方面に少し歩いたところです。できればズームレンズを使って遠くからやってくるチンチン電車を狙ったほうが通天閣を大きく写すことができます。

<東粉浜停留所の基本情報>
住所:大阪府大阪市住吉区東粉浜2丁目23
アクセス:我孫子道停留所から6分

チン電と大阪三大タワーの競演

写真:モノホシ ダン

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「大阪府咲洲庁舎」は、高さ256m、地上55階建ての超高層ビルで愛称は「さきしまコスモタワー」です。冒頭でご紹介した大和川橋梁の先に、庁舎の上の3分の1ほどが見えます。大和川橋梁を渡るチン電と、その彼方にそびえるを大阪府咲洲庁舎を画面に収めましょう。

<大和川停留所の基本情報>
住所:大阪府堺市堺区遠里小野町1丁1
アクセス:浜寺駅前停留所から25分 天王寺駅前停留所から22分

阪堺電気軌道の名物車両や停留所の撮影スポットは

阪堺電気軌道の名物車両や停留所の撮影スポットは

写真:モノホシ ダン

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最後に阪堺電気軌道の名物車両をご紹介します。2022年現在、阪堺電気軌道には約40両弱の車両がありますが、その中で最古参なのが「モ161形」電車です。

中でもトップナンバーの「モ161号」(写真)は、1928年(昭和3年)製で、阪堺電気軌道の前身である南海鉄道が投入した車両です。現在は、定期運行から引退し、おもに貸切専用車として運用されています。

しかし、期間限定でリバイバル運行されることがあり、鉄道ファンを喜ばせています。リバイバル運行につきましては、関連MEMOの阪堺電気軌道のホームページでご確認ください。

阪堺電気軌道の名物車両や停留所の撮影スポットは

写真:モノホシ ダン

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このほかに、停留所の撮影スポットとしては、「我孫子道」停留所がおすすめです。停留所のすぐ先には阪堺電気軌道の「我孫子道車庫」があり、我孫子道で折り返す電車も多く、カラフルな車両を眺めることができます。

ところで、チンチン電車の撮影ではお得な「全線1日フリー乗車券 てくてくきっぷ」がおすすめです。料金は大人600円、小人300円で、3回乗り降りすれば元がとれるようになっています(1回乗車の運賃は230円)。なおICカードの「ピタパ」も使えます。こちらもスマートな乗降が可能です。

<我孫子道停留所の基本情報>
住所:大阪府大阪市住吉区清水丘3丁目14
アクセス:浜寺駅前停留所から28分 天王寺駅前停留所から21分

全線1日フリー乗車券を使って観光を楽しむのもいい

いかがでしたか。今回は全線1日フリー乗車券を使ってチン電の撮影スポットだけのご案内でしたが、もちろん観光にも広く使えます。阪堺線の恵美須町停留所からは「通天閣」が、上町線の天王寺駅前停留所からは「あべのハルカス」へのアクセスがそれぞれ便利です。

阪堺線の御陵前停留所からは千利休が茶道の修行を行なった「南宗寺」が近い。また南宗寺には大阪夏の陣にまつわる謎を秘めた徳川家康のお墓もあります。同じく阪堺線の宿院停留所からは千利休や与謝野晶子を記念して建てられたミュージアム「さかい利晶の杜」も見逃せません。

「全線1日フリー乗車券てくてくきっぷ」を有効に使って色々なパターンの観光を楽しんでみてはいかがでしょうか。

2022年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/03/23−2022/05/20 訪問

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