「西陣」街歩きのコツは路地にあり!?もう1歩奥の京都へ

「西陣」街歩きのコツは路地にあり!?もう1歩奥の京都へ

更新日:2017/06/13 14:44

島塚 渓のプロフィール写真 島塚 渓 トラベルライター
数ある京都の観光地のなかでも、名前は聞いたことはあるけど実際に足を運んだことがないという人が多いのが西陣エリア。
ここは四条通や清水寺のような派手さはありませんが、実は京都の歴史と情緒を存分に感じられる観光スポット。すでに京都に何度も訪れている人にこそ、ぜひ行ってみてほしいディープな場所となっています。

西陣織の原点へ!

西陣織の原点へ!

写真:島塚 渓

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ちょうど西陣の真ん中あたりに位置しているのが、浄福寺通(じょうふくじどおり)。
一般的に東は小川通から西は七本松通あたりまでを西陣と呼んでいますが、明確な行政区域があるわけではありません。

もともと応仁の乱で西軍が陣地を構えたことに由来するこのエリアは、織物業が盛んなことでも有名。京都の伝統工芸品として知られる西陣織を製造する工房が集まっていることで知られています。

西陣織の原点へ!

写真:島塚 渓

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浄福寺通は石畳の道とたくさん残されている町家が特徴。かつては西陣の中心地として栄えていたこともあり、風情のある建物が軒を連ねています。
なかでも西陣織を展示・紹介している「織成館(おりなすかん)」は、昭和11年当初の建物をそのまま利用した美術館で、内部の見学もできます。もともと帯製造業「渡文」の初代当主・渡邉文七氏の店舗兼住居を改装して施設。格子作りの外観や内部の梁・柱など建築物としても要注目の美術館となっています。

西陣織の原点へ!

写真:島塚 渓

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「織成館」は西陣織の制作過程から優美な完成品までを鑑賞できる稀有な美術館。館内には幕末から昭和初期にかけての時代衣裳や復元された能装束などが展示されています。
西陣織の場合は工程ごとに職人さんがおり、古くから分業制が確立しています。それぞれのプロたちの仕事により、このような緻密で優美な模様を作ることができるのです。

一風変わった塀のある道がポイント

一風変わった塀のある道がポイント

写真:島塚 渓

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「織成館」から徒歩で5分ほどのところにあるのが本隆寺(ほんりゅうじ)。もともとは四条大宮にあったお寺が宗教一揆により失われた後、1542年に現在の地に再建されたのがはじまりだと言われています。

江戸時代になると2度の大火が京都を襲い、西陣一帯は焼け野原となってしまいますが、奇跡的に本隆寺の本堂が焼失することはありませんでした。そこから「焼けずの寺」としてあがめられ、現在本堂は重要文化財に指定されています。

一風変わった塀のある道がポイント

写真:島塚 渓

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そんな歴史ある本隆寺の塀は一風変わったデザイン。土壁の間に瓦を埋め込んだ作りになっており、野趣な雰囲気を感じさせる独特な場所。
境内の周りは細い道になっており、静かな雰囲気のなかで散歩を楽しむこともできます。映画のロケ地にも使用されている情緒たっぷりの道なので、観光にもピッタリですよ。

一風変わった塀のある道がポイント

写真:島塚 渓

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本隆寺のすぐ北に接しているのが「雨宝院(うほういん)」。境内には御衣黄桜(ぎょいこうざくら)や歓喜桜(かんきざくら)といった様々な種類の桜が植えられており、桜の名所としても名高いお寺です。

そして、この「雨宝院」の南門越しにも、本隆寺の塀を眺めることができるんです。真っ赤な提灯と渋い壁とのコントラストが京都らしい和の雰囲気を感じさせてくれる場所となっていますよ。

アーティスティックな路地

アーティスティックな路地

写真:島塚 渓

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西陣の雰囲気を感じられる隠れたスポットが「三上家路地」。ここはもともと職人さんたちが住んでいた場所で、室町時代から続く織物屋の長屋として利用されていました。今ではお洒落なショップやアーティストさんたちのアトリエが連なる独特な雰囲気の通りとなっています。

西陣観光のコツは1歩奥の通りを覗いてみること

代表的な観光地の京都といっても、西陣エリアは比較的マイナーな場所。だけれど、けっして魅力がないわけではありません。
丁寧に街歩きをしてみると情緒豊かなスポットがいたるところに見つかります。やはりこの町を観光するポイントは、ちょっと奥の通りまで勇気を持って足を踏み入れてみること。
今回の記事が少しでも皆さんの観光案内の助けとなれば幸いです。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2017/01/10 訪問

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