イタリアの世界遺産「アッシジ」大聖堂だけじゃない石造りの中世の町

イタリアの世界遺産「アッシジ」大聖堂だけじゃない石造りの中世の町

更新日:2017/06/26 19:38

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
オリーブ畑で包まれた丘の上、緑の平原を見下ろすように広がる石造りの町並みアッシジは、イタリア中部の美しい聖地です。町は城壁に囲まれ立派な石造りの門を入ると、細く曲がりくねった石畳の坂になった路地が続きます。朝夕のひっそりした路地を歩いていると中世にタイムスリップしたかのよう。

丘の上には大城塞が聳え、足元の世界遺産の町並みとフランチェスコ聖堂&関連修道施設群、それを取り囲む平原を見渡しています。

コムーネ広場周辺はスポットのオンパレード

コムーネ広場周辺はスポットのオンパレード

写真:Hiroko Oji

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イタリア中部のアッシジは、フランチェスコ会を創設した聖フランチェスコの出身地として知られており、キリスト教の巡礼地としてたくさんの人々が訪れる世界遺産の町です。この町の一番の見所はなんといっても、サン・フランチェスコ大聖堂ですが、町の中に入り込んでみれば、ステキなスポットが盛りだくさん!ここでは、サン・フランチェスコ大聖堂以外のスポットをご紹介します。

先ず、この町の中心地コムーネ広場に行ってみましょう。ローマ時代にはフォロ(公共広場)であった所で、今でもたくさんの人々の姿で溢れています。

中央には噴水があり、石畳で覆われた広場を取り囲むのは、ローマ時代からの遺構、市庁舎、観光案内所、カフェ・レストラン等、歴史ある建物が建ち並びます。

コムーネ広場周辺はスポットのオンパレード

写真:Hiroko Oji

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コムーネ広場に面した建物の内、ギリシア神殿風の建物は紀元前1世紀頃に建築されたミネルヴァ神殿。16世紀、内部に、天井画や祭壇装飾が立派なサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会が造られました。その隣に建つ高い塔はローマ時代のポポロの塔、さらに隣には市立博物館とインフォが入る建物、また、通りを挟んで左手には市庁舎として使われているプリオーリ宮と続き、びっしりと歴史ある建物が建ち並ぶ一角です。

コムーネ広場周辺はスポットのオンパレード

写真:Hiroko Oji

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周辺の路地散策中によく見かけるのは、イノシシさんのお姿。食料品を取り扱うたくさんのお店では、店頭に飾られています。

大城塞からの眺めも最高!

大城塞からの眺めも最高!

写真:Hiroko Oji

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麓の田園地帯や、走る列車の中から、また、石造りの情緒ある町並みのどこからも目印となる丘の頂に建つ大城塞も、石造りの堂々たる姿。ローマ時代に造られ、その後壊され、現在の姿に建て直されたのは14世紀のことです。城塞のまわりはふきっさらしの草原。草の上に寝っ転がって風を感じるひと時が心地よいです。入場料を支払って中に入ることもできますし、入り口にあるカフェ・レストランで休憩するのもお薦めです。

大城塞からの眺めも最高!

写真:Hiroko Oji

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城塞の西端にある塔には上ることができますので、時間が許せば是非上ってみて下さい。

大城塞からの眺めも最高!

写真:Hiroko Oji

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城塞前の広場からも塔の上からも、目が釘付けになるのがそこからの眺め!統一された色調の町並みを囲む、緑が覆うウンブリアの平原が見渡せ、最高です。

オリーブの中に糸杉が天に向かう平原の中、美しい町並みの中に突き出る建物は、左手がサン・ルフィーノ大聖堂、サンタ・キアーラ聖堂、城塞を背にして正面右手の離れた所に見えるのは駅の向こうにどっしり構えるサンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会。さらに右手の方向へ目を移すと、サン・フランチェスコ聖堂が見下ろせ、世界遺産のフランチェスコ聖堂と関連修道施設群の眺めが一望の下。これらの建造物のみでなく、その周囲を取り巻くウンブリア平原の自然豊かな風景そのものが、最高の見どころかもしれません。

教会群の主なものは・・・

教会群の主なものは・・・

写真:Hiroko Oji

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サン・フランチェスコ大聖堂に次いで、見ておきたいのは、サンタ・キアーラ聖堂。外壁に、特産の白とバラ色の石灰岩を交互に積み上げ、ファサードには一つの入り口と大きなバラ窓が設置され、シンプルではあるけれど、バランスがとても美しい聖堂です。聖フランチェスコの忠実な弟子、聖キアーラに捧げられたもので、内部地下には、彼女の遺体や遺品が納められています。内壁面に描かれた「聖女キアーラの生涯」は見逃せないフレスコ画です。

教会群の主なものは・・・

写真:Hiroko Oji

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サン・ルフィーノ大聖堂は、アッシジの守護聖人・聖ルフィーノを祀る聖堂です。聖フランチェスコも聖キアーラもここで洗礼を受けたといわれています。

教会群の主なものは・・・

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鉄道駅から町とは反対側へ徒歩10分ほどの所にあるのが、ファサード上部に金色のマリア像が輝くサンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会。フランチェスコが信仰を固め、その約20年後に神を称えながら45歳の生涯を閉じたポルツィウンコラの礼拝堂があることから、巡礼地の一つになっています。

どっしりとした木製の扉をくぐって中に入ると、教会の中央、クーポラの真下辺りにあるのが「ポルツィウンコラ」という小さな礼拝堂。スポットライトを受けて輝くような存在です。外側は14〜15世紀のフレスコ画で飾られています。また、教会内陣の右側には「翼廊の礼拝堂」があり、1226年10月3日にフランチェスコが仲間の修道士に見守られながら、息を引き取ったといわれています。祭壇の上にはフランチェスコが締めていた腰紐が保管されています。この並びにはいくつもの祭壇が並び、美しいフレスコ画や装飾が施されており、ため息が出るほど素晴らしいものばかり。

教会前の広場は石畳で覆われた広い広い空間で、その一角にあるモザイクも是非見逃さないでくださいね。

通り過ぎてしまいそうな町中のスポット

通り過ぎてしまいそうな町中のスポット

写真:Hiroko Oji

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石造りの建物と石畳の路地が縦横に走るアッシジの町中には、名もなき建物にも素敵なフレスコ画やイコンが残っていたり、ついつい見惚れてしまいそうな看板がぶら下がって居たり、建物の間から素晴らしいウンブリア平原が見渡せたり、魅力がいっぱい!

そんな通りを歩いていると、不意に周辺の民家とは違ったアーチが並ぶ建物に出くわしたりもします。写真はモンテ・フルメンターリオの柱廊で、1267年貧民を収容する病院として建てられ、その後農業信用組合が置かれた建物です。

通り過ぎてしまいそうな町中のスポット

写真:Hiroko Oji

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他にも見逃せないスポットの一つに、「コモの親方たちの館」があります。コムーネ広場の北西に延びるサン・フランチェスコ通りから北に入る細い路地入り口にある石造りの建物で、15世紀頃ロマネスク様式の教会を建てるのに北部コモ地方からやってきた石工達が住んでいた所です。

通り過ぎてしまいそうな町中のスポット

写真:Hiroko Oji

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町中ではいくつかの水飲み場が残っています。今では枯れているものが多いですが、かつては住民の大切な水の供給場だったところです。

こういったところを味わいながら散策していると、あっという間に時が過ぎ去ってしまいます。

名もなき建物にも魅力いっぱいのアッシジ

いかがでしたか?ここでご紹介したスポット以外にも、サン・ダミアーノ修道院やローマ劇場跡、サン・ピエトロ教会やヌオーヴァ教会など、見応えあるスポットが点在しています。見所として紹介されていなくても、魅力溢れる建物が建ち並ぶアッシジです。

ローマやフィレンツェなどから訪れる場合、鉄道駅は町の中心地より離れており、徒歩では20〜30分ほど、駅前からバスに乗れば、町の城壁そばにある東のマッテオッティ広場か西のウニタ・ディタリア広場まで10分ほどです。日帰りでも充分周ることができますが、ここは是非、宿泊して、早朝や夜の、観光客のいないひっそりした町並み&そこからの眺望をも楽しんでくださいね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/04/18−2014/04/20 訪問

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