今回紹介する「天草蕎麦処 苓州屋」は、天草市の中心街でもある本渡エリアにあります。とはいえ、大通りから外れた静かな住宅街にあり、店そのものも住宅街に溶け込んでいます。
天草では、「天草生うに三昧」というキャンペーンを毎年春に大々的に開催するのですがそれでも行列ができることはあまりないようです。天草には「蕎麦」というイメージがあまりないとはいえ、まさに穴場です。
店内は座敷になっており、窓側がテーブル席になっていて庭の緑に癒されます。
ところで、蕎麦というと、やはりなんとなく山とか盆地のイメージがありますよね。しかしここは「海」「島」のイメージの天草。「島のそば」のレベルを低く見積もっていた人はメニューを観たら、その考えが間違っていたことにすぐに気づくでしょう。
一品料理が凝っているのです!
しかも、そばの原料の「玄そば」はすべて天草産。天草の地元の「〇〇さんの畑で獲れた」という、生産者がはっきりしている蕎麦にこだわって自家製粉しています。
本命の「天草うに蕎麦」の前に、この一品料理も頼んでみるのがおすすめです。写真は「そば刺し」。ラザニアのようなルックスの蕎麦で薬味をくるんで、刺身醤油でさっぱりといただきます。幅が広くなると、表面のつるっとした質感が面白い。歯ごたえはもっちり。麺より重厚になり、そばの味がダイレクトに感じられます。
次に、車の運転がある人は後悔必至の逸品、焼きそば味噌。しゃもじに塗られた蕎麦米が入った甘じょっぱい味噌がこんがり焦げていい香りが鼻をくすぐります。口の中で蕎麦米がプチプチとはじけて香ばしい風味が広がります。これは日本酒でもビールでも酒のお友達です!
他に、そばがきの揚げ出し、できたて蕎麦豆腐、蕎麦屋のだし巻き卵、天草大王白肝の塩焼き、牛深産鯵かまぼこ、旨そうなラインナップ。蕎麦へのこだわり、そして主人のグルメセンスが光ります。
さて、おまちかねの「天草うに蕎麦」の登場です。生ウニと蕎麦の競演「天草うに蕎麦」とそれに山芋のとろろをプラスした「うにとろ蕎麦」(写真)があります。どちらもぶっかけ風に、そばつゆをかけていただきます。(値段は生ウニの仕入れ次第なので時価です)
まずは何もかけずにウニをいただきましょう。殻から取りだしたばかりであろうウニは、とろけた感じになっているのが新鮮な証拠。春の時期に載っているのは「ムラサキウニ」。九州で一番早くウニが解禁になる天草で「春ウニ」と呼ばれ、地元でも愛されている美味は3〜5月限定の味です。夏になるとガゼウニを使います。こちらも美味しいですよ!新鮮な天草の生ウニは、何にもつけなくても美味しい!まったりとろけます。
そしてそばを下からたぐり、ウニをからめていただくと……蕎麦が驚くほど美味しい!しゃっきりとした歯ごたえ、香ばしいそばの香り。まったりとしたウニの風味にそばが負けていないのです。そばつゆをかけなくても、ウニの味で蕎麦が旨い!
天草の新鮮な生ウニの美味しさは予想通りなのですが、蕎麦の完成度の予想外の高さゆえに、とんでもないマリアージュとなっています。そばつゆも鹿児島県産本枯れ節に、天草産の醤油や天然塩などを使ったこだわりの品なのですが、「天草うに蕎麦」の場合、ほんのちょっぴりで十分だと思う人も多いでしょう。
山芋が好きな人なら、ぜひ「うにとろ蕎麦」にするといいと思います。山芋をくぐらせた蕎麦に生ウニ載せて+わさびちょっぴり……黄金の美味体験です。まさに「美味しい」という言葉しか出てこない。山芋のおかげで、なんだかウニが増えたような錯覚を味わえるのがお得です。
以上、苓州屋の天草うに蕎麦について紹介しましたが、新鮮な生ウニとしゃっきり打ち立ての手打ちそばのコラボは、食べたことのない人には想像以上の絶品でしょう。福岡から車だと高速道路を利用しても3時間以上かかりますが、かけてわざわざ食べに行くかいがあります!
まず、天草という「離島」ならではのウニの新鮮さ。そして、レベルの高い蕎麦。この2つの合わせ技は、天草に足を運ばないとたぶん味わえないでしょう。板ウニなどをつかったものとは、別物です。
天草ならではの新鮮な生ウニと、こだわり蕎麦のマリアージュはまさに唯一無二の美味。天草を訪れたらこの「天草蕎麦処 苓州屋」に足を運ばれてはいかがでしょうか?
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