京都四条「東華菜館本店」で建築美×北京料理×絶景に乾杯!

京都四条「東華菜館本店」で建築美×北京料理×絶景に乾杯!

更新日:2017/06/15 10:20

京都で中華。少し観光にコナレてきたなら、京料理から少し離れて別カテゴリーはいかがでしょうか。四条大橋の鴨川を挟んで南座の向かいに目を惹くスパニッシュ・バロック様式の洋館。前身は大正時代に建築されたビアレストランで、戦時中に中華料理店として開業した「東華菜館 本店」。その歴史的建築美の中でいただく本格北京料理の魅力をご紹介します。現役日本最古のエレベーターも必見。

建築美と日本最古のエレベーターに心高鳴る!

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京都の中心部、鴨川沿い四条大橋の袂に「東華菜館 本店」はあります。黒い京町家の中にそびえるバロック様式の黄褐色が一際目を惹く建物は、教会建築を中心にしたウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏建築のもの。

大正15年竣工、前身であるビアレストラン当時の姿をほぼ残し、シンプルな直線と曲線を組み合わせた装飾がヴォーリズ建築の特徴である美しさ。ここに、東華菜館ならではの個性的な装飾を施したスパニッシュ・バロック様式の建築は、一見の価値があります。

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ファザードの美しさは、出入りする者の足を自然に留める力があります。まず魅了されるのは、柱や壁の精巧なモチーフ。店内まで散りばめられたそれは、料理店ならではの海の幸・山の幸などの食材がモチーフ化され、なんともコミカル。

公式サイト(関連MEMOのリンク)に紹介されている全てを探すのも、楽しいものです。上下左右、装飾を愉しみながら歩いて進んでいきましょう。

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運転手による手動式昇降で今尚現役、日本最古のエレベーター。1924年米国で製造、輸入されたオーチス社製のもの。2階以上のフロアでの食事をする場合は、このエレベーターが迎えに。

階を示す時計針式フロアインジケーターのゆったりした動き、エレベーターの内扉が開閉する音、昇降時のハンドルの音…全てが悠久の時を感じさせてくれます。

様々なテーブルタイプ…さて、どこで頂きましょう

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東華菜館には様々な席のカテゴリーがあります。希望の席があれば予約しておくのがベターです。人数や用途などにより席の希望を受け付けています。

写真は「一般客室」と言われるカテゴリーの一つ。一般客室は1階と5階にあります。1階は高い天井と悠々とした広い空間で、大きな窓から目の前に南座や四条大橋、鴨川の眺望が楽しめます。

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個室は人数に応じて、半個室や完全個室など、様々なタイプのものが数多く用意されています。全て高窓が広く取られ、鴨川越しに祇園四条の眺めと、それぞれに装飾が豪華に施された天井や壁、調度品に囲まれる重厚なラグジュアリー空間です。

写真は、入口の重厚なアーチが美しい半個室タイプの一つです。各所に現存してその空間に納まっているヴォーリズデザインの調度品も後々まで印象が残ります。

様々なテーブルタイプ…さて、どこで頂きましょう
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ここは、5階の一般席の外、テラス席です。夏の川床は京の夜遊びに回して、ランチは絶景展望テラスはいかがでしょうか?サンシェードも降りているので日差しも遮られ、比叡山から鴨川に下る涼しい風が抜けていく心地良い空間。暑い京都の夏を涼やかに過ごす、川床もいいですが、このテラス席もいいものです。

この席でももちろん、通常のフルコースメニューもオーダーすることができます。

“しっかりした味”東華菜館の本格四川料理とは

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料理は前菜を食べれば、おおよそその店の器量が解ると言います。写真はコース料理の前菜。気取らない食器に盛られた前菜。

2014年にテレビ朝日系で放映された番組内でエッセイストの阿川佐和子さんが、この前菜を一口食べて「おいしい。味がしっかりついています」と言われた品。その後続くコースの杏仁豆腐に至るまで、その料理には「素直」「レトロな感じ」「懐かしい」と評されたそうですが、まさにそれは“変わらない味”の誇りを持つ東華菜館の味を表す主たるものではないでしょうか。

一つ一つの味がそれぞれ同化することなく、きちんと独立した風味の料理がよそわれている「前菜」から、自然とビールも進むことでしょう。

“しっかりした味”東華菜館の本格四川料理とは
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北京料理と言えば「北京ダック」。焼き加減、皮目の薄さ、生地の出来具合、甘味噌の味、白髪ねぎと胡瓜の切り方の細さで、全く味が異なる品になるということも、通の語りどころであり、好みも分かれるところ。

テーブルサービスを省略、厨房で包み上げてきて貰った品(1名様分2巻【2名様より注文可】)。あっさりとした餅皮に甜麺醤多めの甘辛の味噌、葱も胡瓜も細目。アヒル肉は皮と肉質部分に至らない間のうっすらとプルプルを感じる部分まで。カリカリとした皮目と少し油脂を感じる層が包まれた葱と胡瓜の青臭さを穏やかにして、口の中で甘辛味噌になじみ易く感じます。

コースに含まれていない場合でも是非アラカルトで、別オーダーされることをおススメします。

京の夏呑み、ビアガーデンはルーフトップがおススメ!

京の夏呑み、ビアガーデンはルーフトップがおススメ!
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東華菜館のルーフトップ。5階のテラス横から数段の階段を上がるとそこは、メリーポピンズ「チムチムチェリー」が聴こえてきそうな屋根の上、驚くべき眺望が広がります。
シンボルの塔はエレベーターのマシンルームで、ここに昇降機が格納されているのです。この塔の意匠性にも驚かされます。

なんと、夏は贅沢にもここが屋上ビアガーデンに。写真は4月下旬で準備前でしたが、この様子は公式HP(関連MEMOのリンク:屋外納涼席)をご覧ください。夏はこの他、鴨川の夏の風物詩「鴨川納涼床」もありますが、やはりまずはこの屋上の雰囲気で味わいたいものです。

※ビアガーデンシーズン外は許可を得てから見学することができます。

京の夏呑み、ビアガーデンはルーフトップがおススメ!
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東華菜館でビールを飲むなら、京都らしい風景をこの位置から味わって!鴨川沿いの祇園四条を行き交う人や車の流れを見下ろし、そして建物と建物の間から覗く大小の寺院の大屋根、東山や遠く比叡山や伏見を通り連なる山々を眺めながらの一杯。

この心地良さはここならでは…東華菜館で乾杯!

比叡山から伏見まで!絶景展望

比叡山から伏見まで!絶景展望
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鴨川沿い左手(上の写真)。一際高く見える山、比叡山方面の眺望です。夜、天気が良ければ比叡山の山頂に灯る明かりも見えます。ご存知、銀閣寺もこちらの方角。

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四条大橋が見える中央(上の写真)は、祇園四条から八坂神社、東山方面。円山公園や知恩院、高台寺や清水寺もこの方角。

比叡山から伏見まで!絶景展望
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鴨川沿い右手(上の写真)。遠く伏見方面の眺望です。東福寺などもこの方角。

大正生まれの名建築、日本最古のエレベーターで屋上に上がり(5階からは数段の階段を上がります)、この京都らしい眺望を眺める贅沢は、是非とも体験していただきたいと思います。

京都四条「東華菜館」で絶品、絶景を味わって

「建築物の品格は外装よりむしろ内容にあり」「住まいは命を養う所、その命の源は食事(設計はまず台所から)」…建築家ヴォーリズの建築論の一部の引用です。
その建築美と眺望、歴史から生まれるのは本格北京料理の絶品美食。東華菜館に体現された全ての要素に…乾杯!

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/04/25 訪問

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