みなとみらいの横浜美術館でアートをみよう・つくろう・まなぼう

みなとみらいの横浜美術館でアートをみよう・つくろう・まなぼう

更新日:2017/06/12 10:30

横浜美術館は1989年、ショッピングや観光で訪れる人が多い「みなとみらい21地区」に開館。国際的な港町・横浜にふさわしく、1859年横浜開港以降の近・現代の美術作品を中心に集め、「大観と観山展」「ゴッホ展」「篠山紀信展 写真力」等の展覧会(企画展)を開いてきました。2011年からは3年毎に開催される、現代美術の国際展「横浜トリエンナーレ」の会場でもあります。アートとの様々な出会いが待っています。

長さ180mのファサード

長さ180mのファサード
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横浜美術館は日本を代表する建築家・丹下健三が設計した石造りで左右対称の建物です。全長180mのファサード(正面)には柱が並んだ回廊があり、中央の8階建ての半円柱を基点に展示室、西にアトリエ、東にレストランと美術情報センターがあり、建物自体が横浜美術館の理念「みる」「つくる」「まなぶ」を象徴しています。

長さ180mのファサード
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美術館の前はグランモール公園「美術の広場」です。芝生や噴水、樹木があって市民の憩いの場、子どもたちが遊べる場所になっています。美術館に入る前、見終わって帰るときの休憩にもちょうどよいですね。

高さ20mの吹き抜け

高さ20mの吹き抜け

提供元:撮影:笠木靖之

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中央の三角屋根の下にあるエントランスから入ると、吹き抜けの大きな空間が広がっています。この高さ約20m、左右100mの階段状の空間が「グランドギャラリー」です。グランドギャラリーは無料で入ることができるので、下から眺めるのもよいですね。ここには、絵画作品も所蔵されているサルバドール・ダリ、ジョアン・ミロ、ルネ・マグリットによる彫刻作品が展示されています。

エレベーターを上がるといよいよ展示室へ。グランドギャラリーを囲むように、企画展の3つの展示室、続いてコレクション展の4つの展示室があります。企画展はテーマを決めて年間2〜3回開かれ、19世紀後半の国内外作家、横浜ゆかりの作家、現代美術、写真などさまざまな内容で行われています。

高さ20mの吹き抜け
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正面奥の空間を見あげると、半円形のアーチになっています。ここもグランドギャラリーの一部です。左にあるポスターは取材時に開催していた企画展「ファッションとアート 麗しき東西交流」のもの。ポスターと並んで記念撮影のスポットにもなっています。

3つ円形の展示空間

3つ円形の展示空間
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コレクションの展示室には円形の展示室があります。この室内は天井の高さが7mもあります。天井からは床に自然光が射していました。このエリアに展示されているイサム・ノグチ《真夜中の太陽》(1989年)は太陽と闇を象徴するような赤と黒の花崗岩を交互につないだ円環で高さ2.2m。石でできているのにあまり重さを感じさせません。

3つ円形の展示空間
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グランドギャラリーを見下ろす場所に黒く光っているのは樹脂でできた作品、クレス・オルデンバーグ《反転Q》(1977-88年、高さ約183cm)です。その先には岩崎貴宏《アウト・オブ・ディスオーダー(夜ノ森線)》(2011年)の望遠鏡で覗いて見る作品があります。これは「ヨコハマトリエンナーレ2011」で発表された作品でもあります。

3つ円形の展示空間
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横浜は日本の写真興隆期における一大拠点のひとつでもあることから、写真のコレクションも充実しています。写真展示室は半円形で、コレクション展の最後にあります。

1万2000点を越えるコレクション

1万2000点を越えるコレクション
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コレクション展では、12,000点のコレクションからテーマに沿った200〜300点の作品を選び、年に2〜3回の展示が行われています。コレクション展では営利的な目的でなければフラッシュなしで撮影ができます。鑑賞の思い出を残せるのが嬉しいですね。

取材時のコレクション展「自然を映す」は2017年3月25日から6月25日まで、作家が自然をどう捉えどう表したかを紹介しています。
「1 自然に向き合う」の章では、コレクションを代表する19世紀のフランスと日本の風景画が並んで展示されています。

左のポール・セザンヌ《ガルダンヌから見たサント=ヴィクトワール山》(1892–95年)は故郷の山を繰り返し描いたものの1点、手前から遠くまで薄い色を重ねて描いたセザンヌが再構築した風景です。
右は、高橋由一《愛宕山より品川沖を望む》(1877年)は東京都港区の愛宕山からの眺めで中央に見える黒い煙は新橋・横浜間の日本初の鉄道です。西洋絵画を学んで遠近法を用いた写実的な風景です。

1万2000点を越えるコレクション
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「5 現代の表現から」の章は、1960〜80年代生まれで活躍中の作家たちの作品も並んでいます。左から福井篤《Metatron》(2006年)、小西真奈《滝》(2008年)、安田悠《Link》(2008年)、松井冬子《この疾患を治癒させるために破壊する》(2004年)、《世界中の子と友達になれる》(2002年)。

1万2000点を越えるコレクション
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「7 日本画:花鳥風月、共に在り」の章は、おもに日本の作品の展示室で、手前右に横浜に窯をもち輸出用の陶器をつくった宮川香山(初代)の《青華竹之画花瓶》(1897-1912年)、ガラスケースには、横浜市内に別荘があった鏑木清方の屏風《暮雲低迷》(1920年)など。コレクションには横浜ゆかりの作家が大勢います。

1000種以上を揃えるショップ、結婚パーティーができるレストラン

1000種以上を揃えるショップ、結婚パーティーができるレストラン
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「ミュージアムショップ」には美術関連の書籍、ポストカード、文具など1000種類以上。横浜美術館オリジナルグッズ・コーナーもあり、作品をモデルにしたフィギュアなど、プレゼントやお土産にお勧めです。
オンラインショップでも購入できます。

1000種以上を揃えるショップ、結婚パーティーができるレストラン
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「Café小倉山」は大きな窓から日差しが射しこみ、食事と飲物、企画展に合わせた特別メニューも楽しみです。カフェの名前はコレクションにある下村観山の屏風絵《小倉山》(1909年)に因んでいます。レストラン「ブラッスリ―・ティーズ・ミュゼ」は気軽に楽しめるフレンチレストランで、結婚パーティーも開催できます。11万冊の蔵書の美術情報センターでは、企画展に関連した書籍を集めた展示も行われています。

広いグランドギャラリーとミュージアムショップ、美術情報センターは入場無料、気軽に立ち寄って美術館の雰囲気を感じてください。

イベントや体験講座も盛りだくさん

横浜美術館では展覧会に因んだ講演会やギャラリートークをはじめ、美術に親しむためのさまざまなプログラムが用意されています。また、「子どものアトリエ」「市民のアトリエ」は創作体験ができる場所です。
予約や申込が必要なものもあります。おでかけ前にウェブサイトをご覧ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/05/12−2017/05/28 訪問

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