メルズーガはモロッコ南東部に位置するアルジェリア国境に近い村で、北アフリカの土着民族であるベルベル人が多く住んでいます。モロッコ観光の主要拠点であるマラケシュから500kmほど東にあり、長距離バスなら途中険しい峠道を抜けながら12時間ほどの距離。北部のファズなどからもバス路線があり、長距離バスは村の中心部の広場に停車します。マラケシュからのバスは夜に到着するので、到着日は村の中のホテルに泊まることになります。
なぜメルズーガがサハラ観光のスポットとして有名かといえば、それは文字通り大砂漠が“すぐそこ”にあるから。長距離バスの停車する広場から未舗装の道を1分も歩けば、右手には大砂丘のパノラマが見えてきます。
メルズーガはこぢんまりした商店や食堂が数軒あるだけの小さな村。ただただ砂漠で時間の移ろいを眺めるだけがメルズーガの楽しみ方です。荒野の向こうに大砂丘が広がる光景は、まるでスターウォーズに出てくる辺境の星のような雰囲気を漂わせますが、ここまでの感動は日本の鳥取砂丘とさほど変わらない（はず…）。まずは砂漠を自分の足で歩いてみて、集落から見える砂の山を目指してみましょう。
実際に砂漠を歩いてみると、さっき目の前に感じた砂山までは結構遠いことに気づくはず。斜面を歩くと地面にかなり足を取られるので、砂が山になっているところを選んで歩きましょう。また、急な斜面では足腰のふんばりが必要になるので、足をしっかり固定してくれるスニーカーなどで行くように。なお、途中にラクダのフンが落ちていることもあるので、くれぐれも“余計なウンを掴まない”ように気をつけましょう。
歩き始めて1時間ほどしてようやく砂の山の山頂に到着。ここで初めてどこまでもどこまでも奥深く続くサハラ砂漠の本当の壮大さが実感できます。波状の模様を作って広がる砂の海にただただ息を飲むはず。裸足になって砂の感触を肌で確かめてみるのも気持ちいいですよ。
村に戻って夕方を迎えると、ラクダに乗って砂漠のキャンプに出発します。砂漠に泊まるのも特別な体験ですが、ラクダに乗るというのも砂漠ならではのスペシャルイベント。ラクダは背中の鞍に人を乗せると、まずは後ろの足から立ち上がり、それから上半身を起こします。降りる時はその逆で、先に上半身を下げて、次に下半身を下ろします。この乗り降りの際にハンドルを力強く握っていないと、体のバランスを崩して振り落とされてしまうこともあるので注意が必要です。
ベルベル人のラクダ飼いに先導されながら、ラクダは一列になって砂漠の中を進みます。先ほど自分で歩くのは大変だった砂漠ですが、ラクダに乗って移動する砂漠はとっても快適。その背にゆさゆさと揺られながら、気付けばメルズーガの集落が見えないところまで来てしまいます。
キャンプごとに多少異なりますが、メルズーガの村からキャンプまではおよそ1時間半。砂漠の中にポツンと現れるキャンプは、幾つかのラグジュアリーテントが集まってできています。
その中のひとつ「Merzouga camp」のテントには電球がつけられる程度の電気が通っていて、共用のトイレもありますが、シャワーやエアコンはもちろんありません。
キャンプに到着すると程なくして夕暮れ時を迎えます。太陽が徐々に沈み行き、薄暮に染まったサハラ砂漠は幻想的かつロマンティックな雰囲気。360度に広がる砂漠の絶景に大きな感動を覚えることでしょう。
夕暮れ時を楽しんだ後にはディナーが提供され、野外のテントでタジン鍋のクスクスなど、伝統的なモロッコ料理を囲みます。そして食後にはベルベル音楽の演奏を堪能。夜空の下に民族楽器の音色が響き渡り、その後は静寂の中で砂漠の夜が更けていきます。
メルズーガ観光は過ごしやすい気温の4～6月か10～12月頃がベストシーズン。メルズーガのほとんどの宿は砂漠の中にキャンプを持っていますが、細かなプランは各宿に確認しましょう。
ラクダに乗って行く砂漠のキャンプでの一夜は、きっと一生忘れられない経験になるはずです！
世界最大の砂漠といえば、北アフリカに国境を越えてまたがるサハラ砂漠です。モロッコのメルズーガ（Merzouga）は、そのサハラ砂漠の中で宿泊体験ができる特別なスポットとして知られています。大砂漠をエンジョイし、ラクダに乗って砂漠の中のキャンプを目指します。
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(2024/5/3更新)
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