歴史探訪の後は濃厚ソフトクリームも!奈良坂界隈ぶらり散策

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歴史探訪の後は濃厚ソフトクリームも!奈良坂界隈ぶらり散策

歴史探訪の後は濃厚ソフトクリームも!奈良坂界隈ぶらり散策

更新日:2017/06/04 20:19

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員

奈良市の北方、京都府ともほど近いところに「奈良坂」と呼ばれる地区があります。古来、奈良の北の玄関口として栄えて来ただけに豊かな歴史を持ち、奈良観光の折にはぜひ訪れていただきたいところ。しかも、歴史探訪の後には絶品の濃厚ソフトクリームも待っています!今回は古代から近現代までさまざまな歴史を有する奈良坂界隈の魅力をご紹介しましょう。

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奈良坂の代名詞!国宝の楼門を有する般若寺

奈良坂の代名詞!国宝の楼門を有する般若寺

写真:乾口 達司

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奈良坂は、奈良市の旧市街地の北方に広がる一地区のこと。その名のとおり、平城山から連なる丘陵上に広がっており、いまでも地区の北側(京都側)と南側(奈良側)は急勾配の坂となっています。大和国と山城国との国境にほど近いこともあり、古来、交通の要衝として栄えて来ましたが、それだけにさまざまな歴史が地区には堆積しています。

その象徴的な寺院こそ般若寺(はんにゃじ)にほかなりません。奈良時代の古瓦が出土していることからも推しはかれるように、般若寺の創建は遅くとも奈良時代にまでさかのぼると考えられています。治承4年(1180)の平重衡による南都焼き討ちにより、荒廃。鎌倉時代に入って再興されます。『太平記』によると、鎌倉時代末期には、鎌倉幕府の打倒を目指す大塔宮護良親王が幕府方から逃れるため、般若寺に潜伏して難を逃れています。近年はたくさんのコスモスが咲き乱れる花の寺として、その名を知る方も多いでしょうが、そんな般若寺にこのような歴史があったこと、ご存知でしたか?

奈良坂の代名詞!国宝の楼門を有する般若寺

写真:乾口 達司

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そんな般若寺の境内中央には、ご覧の十三重石塔が屹立しています。高さは12メートル余り。鎌倉時代中期、南宋から来日した石工・伊行末(いぎょうまつ)によって建立されています。伊行末の残した作品のなかでも代表的なものであり、見上げるほどの大きさからも、当時の般若寺がいかに隆盛を誇っていたかがうかがえるでしょう。

奈良坂の代名詞!国宝の楼門を有する般若寺

写真:乾口 達司

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こちらは楼門。鎌倉時代の作で、上層部が楼門としては特異な構造をしていることもあり、現在、国宝に指定されています。下層は吹き抜けになっており、そこを通して先ほど紹介した十三重石塔を覗くことも出来ますよ。

これは珍しい!中世におけるハンセン病治療施設「北山十八間戸」

これは珍しい!中世におけるハンセン病治療施設「北山十八間戸」

写真:乾口 達司

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奈良坂の南の玄関口には「北山十八間戸」(きたやまじゅうはちけんこ)と呼ばれる施設が残されています。全長約 38 メートル、幅約 4 メートルの長屋風の建造物で、その名のとおり、内部は18の部屋によって区切られています。ハンセン病患者の治療を目的として、鎌倉時代、僧・忍性によって建てられたものですが、中世におけるハンセン病療養施設としてきわめて貴重。現在は国の史跡に指定されています。

これは珍しい!中世におけるハンセン病治療施設「北山十八間戸」

写真:乾口 達司

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18に区切られた部屋の南北両面には木戸が取り付けられており、ご覧のように、「北山十八間戸」と刻まれています。こちらもお見逃しなく。

会津八一ゆかりの夕日観音と東大寺大仏殿の大屋根

会津八一ゆかりの夕日観音と東大寺大仏殿の大屋根

写真:乾口 達司

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北山十八間戸のすぐ北側には、写真の石仏が安置されています。夕日観音と呼ばれている石仏で、室町時代の作。歌人の会津八一がこの夕日観音を題材にして、次のような歌を詠んでいます。「ならざか の いし の ほとけ の おとがひ に こさめ ながるる はる は きに けり」(奈良坂の石の仏の頤に小雨流るる春は来にけり)。室町時代より、街道を往来する旅人を見守って来た観音さま。皆さまも旅の無事を祈って手をあわせましょう。

会津八一ゆかりの夕日観音と東大寺大仏殿の大屋根

写真:乾口 達司

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北山十八間戸や夕日観音のあたりで、もう一つ、見逃したくないのは、奈良独特の景色!北山十八間戸や夕日観音を見学したら、ぜひ後ろを振り返ってみてください。目の前に東大寺大仏殿の巨大な屋根が広がっているのが、ご覧いただけます。奈良坂から眺める大仏殿の眺めは奈良ならではのものゆえ、忘れずにご覧ください。

近代監獄建築の名宝!「明治の五大監獄」の一つに数えられた旧奈良少年刑務所

近代監獄建築の名宝!「明治の五大監獄」の一つに数えられた旧奈良少年刑務所

写真:乾口 達司

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奈良坂を散策する際、奈良坂を南北に貫く旧街道を西側に折れてみてください。しばらく歩くと、目の前にご覧のようなレンガ造りのモダンな建造物が目に飛び込んで来ます。これは旧奈良少年刑務所。その名のとおり、全国に7カ所あった少年刑務所の一つで、明治41年(1908年)、ジャズピアニスト・山下洋輔の祖父に当たる山下啓次郎の設計によって竣工しました。いわゆる「明治の五大監獄」の一つでもあり、現存する近代監獄としてきわめて貴重であることから、現在は国の重要文化財に指定されています。

当施設は耐震性に問題があるという理由で、平成28年度(2016年度)末で閉鎖されています。ただ、近代監獄の遺構として高い価値を有しているため、閉鎖決定後は保存・活用の道が模索され、数年後を目処に宿泊施設に生まれ変わる予定となっています。監獄からホテルへ。実に劇的な変貌だと思いませんか?

近代監獄建築の名宝!「明治の五大監獄」の一つに数えられた旧奈良少年刑務所

写真:乾口 達司

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こちらは北山十八間戸の向かいにある建造物。旧奈良市水道計量器室と呼ばれている建造物で、大正年間の作とされています。

奈良というと、東大寺や春日大社など、近代以前の古建築ばかりに目が行ってしまいがちですが、こういった近代建築もひっそり残されているのです。意外だと思いませんか?

お待ちかね!植村牧場のソフトクリーム

お待ちかね!植村牧場のソフトクリーム

写真:乾口 達司

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奈良坂散策に疲れたら、般若寺の向かいにある植村牧場を訪れましょう。植村牧場は明治16年(1883)に開かれた由緒ある牧場。えっ!街中に牧場!?と驚く方も多いでしょうが、牧場の名のとおり、敷地内には大きな牛舎があり、たくさんの牛が飼育されています。

もちろん、その牛たちのお乳から作られた製品も販売されています。なかでも、お勧めしたいのが、ソフトクリーム!絞りたての牛乳から作られたソフトクリームは濃厚で、牛乳ならではの甘みが散策で疲れた身体に染みわたります。奈良坂散策の折には、ぜひお立ち寄りください。

おわりに

奈良坂界隈がいかに豊かな歴史を持っているか、おわかりいただけたでしょうか。植村牧場のソフトクリームも絶品なので、歴史散策を目的とする方はもちろん、ソフトクリーム目当てに訪れるのも良いでしょう。奈良坂を散策し、充実したひとときをお過ごしください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/05/01 訪問

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