もうマズイなんて言わせない!パブで味わう三大「イギリス料理」

もうマズイなんて言わせない!パブで味わう三大「イギリス料理」

更新日:2017/06/09 10:35

Lady Masalaのプロフィール写真 Lady Masala 知られざる名所案内人、蚤の市マニア
「イギリス料理はおいしくない」という説がありますが、それは正しくありません!三大名物料理と言われているのは「イングリッシュ・ブレックファスト」、「フィッシュ&チップス」、「サンデーロースト」。調理法はいたってシンプルで、見た目が美しいわけでもありません。しかし、そこには素朴で飾り気のない味わいがあります。マズイという偏見を捨てて、イギリス料理を味わってみましょう。

朝からヴォリュームたっぷり!「イングリッシュ・ブレックファスト」

朝からヴォリュームたっぷり!「イングリッシュ・ブレックファスト」

写真:Lady Masala

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「イギリスでおいしいものを食べようと思えば朝食を3回食べよ」との格言を残したのは、「人間の絆」を著したサマセット・モーム。彼の言う朝食とは、ベーコン、ソーセージ、ブラックプディング、卵、ベイクドビーンズ、マッシュルームのソテーに焼きトマト。それにバターやジャムを塗ったトーストとミルクティーが添えられるのが一般的です。ポリッジ(オートミール粥)やシリアルがついてくることもあり、その量の多さに驚かされます。

ブラックプディングは血のソーセージ。真っ黒で見栄えはしませんが、栄養価抜群。ソーセージはふにゃふにゃで、カリッとしていないところがイギリス流。トーストにのせて食べることが多いベイクドビーンズは大豆を甘辛く煮たもの。注文時に卵の調理法(スクランブルエッグ、ポーチドエッグ、目玉焼き)や焼き具合を聞かれることがあります。お勧めは半熟のポーチドエッグ。とろりとした黄身をカリカリのトーストですくっていただきましょう。

この朝食は「フル・ブレックファスト」とよばれ、イングランドでは「イングリッシュ・ブレックファスト」スコットランドでは「スコティッシュ・ブレックファスト」のように地方によって名称が変わります。イギリスのホテルやB&B(ベッド&ブレックファスト)の朝食として提供されるほか、カフェやパブでも注文できます。メニューや看板に「All Day Breakfast(オール・デー・ブレックファスト)」の記載があれば1日中食べられますが、時間が限定されている場所もあります。ヴォリュームたっぷり、大満足のブレックファストをぜひご賞味ください。

イギリス料理の代名詞「フィッシュ&チップス」

イギリス料理の代名詞「フィッシュ&チップス」

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イギリス料理と聞いて「フィッシュ&チップス」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。衣をつけて揚げた白身魚にフライドポテトを添えただけのシンプルな料理は、ファーストフード店でも、レストランやパブでも注文することができるイギリス人にとっては最も身近な食べ物のひとつ。Haddock(ハドック)やCod(コッド)とよばれるタラを揚げたものが一般的です。

熱々の「フィッシュ&チップス」には、塩とモルトビネガー(大麦麦芽酢)をかけて食べるのがイギリス流。揚げものにお酢とは奇妙な組み合わせですが、米酢よりも強烈にすっぱいモルトビネガーの酸味が油っぽさを中和してくれます。特にチップスとの相性は抜群。この味は、ソルト&ビネガーというクリスプス(イギリス英語でポテトチップスのこと)のフレーバーにもなっています。

イギリス料理においては、メインよりもサイドのポテトのほうがおいしいとの評判もあるほどで、熱々ほくほくのチップスは、時にフィッシュの味を超えるほど。イギリスを訪れたなら絶対に食べておきたい一品です。

伝統的な家庭の味「サンデーロースト」

伝統的な家庭の味「サンデーロースト」

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「Sunday Roast(サンデーロースト)」は、文字通り日曜日に供されるローストされた肉料理のこと。ビーフやポーク、または、チキン、ラムにシュークリームの皮のような食感のヨークシャー・プディング、ジャガイモ、インゲンやニンジンなどの野菜が添えられます。

肉も野菜もしっかりと味付けされているわけではなく、お好みのソースをかけていただきます。最もポピュラーなのは「グレービーソース」。肉汁に片栗粉でとろみをつけて、塩コショウやワイン、ビールなどのアルコールで味を調えただけのあっさりしたソースは、素材の味を引き立てます。また、ビーフには「ホースラディッシュ(西洋ワサビ)」、ポークには「アップルソース」、チキンには「レッドカラントジャム」、ラムには「ミントソース」とそれぞれの肉に合ったソースが添えられることもあります。

「サンデーロースト」は、イギリスを代表する家庭料理。日曜日の昼食時に家族そろっていただく伝統があります。中世の地主が農奴にふるまった牛の丸焼きが起源であるとか、産業革命の時代に、忙しい主婦が教会の礼拝前に昼食用の肉をオーブンに入れておいたのがはじまりであるとか、その起源には諸説あります。真偽のほどは定かではありませんが、日曜日のパブの定番メニューでもある「サンデーロースト」。じっくりと味わって食べたいものです。

安くておいしい「パブめし」を食べに行こう

安くておいしい「パブめし」を食べに行こう

写真:Lady Masala

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イギリス料理を食べてみたいと思うなら「Pub(パブ)」に行きましょう。パブは、Public House(パブリック・ハウス)の略で、どんなに小さな村にも必ずあります。旅行者のために食事とお酒を提供した宿屋が起源と言われているパブ。現在でもB&Bを併設している場所が多いのはその名残です。

誰もが気軽に立ち寄ることができるパブでは、お酒だけではなくジュースやコーヒー、紅茶も注文できるので、カフェ代わりに利用するという手もあります。リラックスしたファミレスのような雰囲気のパブ。時間の許す限り、ゆっくりと寛ぎたいものです。

まずは、カウンター内にいるバーマン(バーメイド)に飲み物を注文しましょう。お勧めは、常温で短時間醗酵させた「Ale(エール)」というイギリス発祥のビール。食事もカウンターで注文しますが、料理はテーブルまで運ばれます。食事をする旨を伝えるとテーブルまで案内される場所もありますが、そうでない場合は、注文前に座席を確保できるかどうかを確認しておきましょう。

今回ご紹介した伝統的な「イギリス料理」を楽しむことができるパブは、イギリス人の生活にはなくてはならない場所。おいしい食事とお酒にありつけるのはもちろんのこと、四方山話に花を咲かせる地元の人々の姿を身近に垣間見ることができる最もイギリスらしい場所と言えるでしょう。イギリスを旅する機会がありましたら、ぜひとも足を運んでみてください。

飾らない素朴さが魅力の「イギリス料理」

衣をつけて揚げたり、オーブンでローストしたりするだけのシンプルな「イギリス料理」。長時間煮込んだソースを堪能するとか、何種類もの食材を組み合わせてその味を楽しむという感覚には程遠く、見た目にも美しいわけではありません。しかし、その素朴で大雑把な味にむしろ愛着を感じてしまうから不思議なものです。ぜひ一度、ご自身で味わってみてください。

※関連MEMOには「フィッシュ&チップス」の章でご紹介した「モルトビネガー」に関する記事を掲載しています。よろしければそちらもご覧ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/03/23−2016/03/24 訪問

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