秘仏・談峰如意輪観音像の公開も!奈良・新緑の「談山神社」

秘仏・談峰如意輪観音像の公開も!奈良・新緑の「談山神社」

更新日:2023/05/28 15:21

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
奈良県桜井市多武峰(とうのみね)にある談山神社は、春の桜、夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色など四季を通じて楽しめるところです。その談山神社で夏季に開催されるイベントが、足腰の病に霊験あらたかな秘仏「談峰(だんぽう)如意輪観音像」の特別公開です。標高約500m、多武峰の高所に建ち、とても涼しい新緑の談山神社を訪れてみませんか?

中臣鎌足公を祀る「大化の改新」発祥の地

中臣鎌足公を祀る「大化の改新」発祥の地

写真:モノホシ ダン

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談山神社は、もともと神仏習合の寺院であり多武峰妙楽寺(とうのみねみょうらくじ)といいました。ご祭神は中臣鎌足(なかとみのかまたり)で、645年(皇極天皇4年)に、中大兄皇子とともに飛鳥板蓋宮で時の最高権力者の蘇我入鹿を誅殺し、大化の改新の偉業を成し遂げた人物です。

その後、1869年(明治元年)に神仏分離令によって「談山神社」と改称しました。社号の由来は、中臣鎌足と中大兄皇子が大化の改新の談合を、本殿裏山の談い山(かたらいやま)で行ったことによります。旧社格は「別格官幣社」で、これは国家のために功労のあった人臣を祭神とする神社です。

中臣鎌足公を祀る「大化の改新」発祥の地

写真:モノホシ ダン

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正面入山受付から神廟拝所の横を通り、すぐの開けたところが「蹴鞠(けまり)の庭」と呼ばれる写真撮影のベストスポットです。ここからは、正面の「権殿」と「十三重塔」、右手の「神廟拝所」をバランスよく収めることができます。

蹴鞠の庭では、毎年4月29日(昭和の日)と11月3日(文化の日)に「蹴鞠祭」が行なわれます。中臣鎌足と中大兄皇子が、飛鳥法興寺の蹴鞠会(けまりえ)で初めて出会った故事にちなんだものです。

中臣鎌足公を祀る「大化の改新」発祥の地

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談山神社の発祥は、中臣鎌足の長男の定慧(じょうえ)和尚が父の鎌足の供養のため、十三重塔を造立したのが始まりです。写真の「神廟拝所」内には中臣鎌足の神像が祀られています。

ちなみに中臣鎌足は死の間際に、天智天皇となった中大兄皇子から藤原姓を賜り、のちに隆盛を極めた藤原氏の始祖となっています。

秘仏・談峰如意輪観音像は「足の観音様」とも

秘仏・談峰如意輪観音像は「足の観音様」とも

写真:モノホシ ダン

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談山神社の当時の仏像の中で、唯一現在も祀られているのが「談峰如意輪観音像」です。多武峰妙楽寺の開祖の定慧和尚が、唐から持ち帰って妙楽寺に祀られたと伝わっています。現在の観音像は、鎌倉時代末期に複製された2代目です。

この観音像には、不思議な伝承があり最も有名なのが、右足に怪我をした子供の身代わりとなった際にできたと伝わる傷が同じく右足の甲にあること。

また、観音堂が火事になった時には、自らの足で避難されたという伝承もあり「足の観音様」とも呼ばれ、膝や足腰の病気に御利益があるとされています。なお、特別公開期間中はボランティアガイドさんが常駐(10時30分から15時まで)していますので、詳しい説明を受けることもできます。

<秘仏・談峰如意輪観音像特別公開の基本情報>
期間:2023年6月1日(木)〜7月31日(月)
時間:8:30〜16:00
観音堂の中に入れる時間:10:30〜15:00

秘仏・談峰如意輪観音像は「足の観音様」とも

写真:モノホシ ダン

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御朱印では、通常御朱印(300円)のほかに、談峰如意輪観音像特別公開期間中の限定御朱印(500円)が。なお御朱印希望の方は、正面入山入口受付で朱印帳を預けて番号札を貰い、帰りに受け取るシステムになっています。

秘仏・談峰如意輪観音像は「足の観音様」とも

写真:モノホシ ダン

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また、談山神社鳥居前には、飲食や休憩のできる施設「かたらいの杜」があります。食材の一部は、談山神社本殿にお供えした米や野菜(神饌)を使い、境内から湧き出る井戸水で調理した料理が提供されます。

お勧めは、神饌のお米を炊いたおむすびおでんセット(1000円)や、神饌の野菜を使った天ぷらうどんセット(1000円)など。どちらも美味しくお腹いっぱいになりますよ。

<かたらいの杜の基本情報>
住所:奈良県桜井市多武峰319
電話番号:0744-48-0076
営業時間:11:00〜14:30(休憩は8:30〜16:30)

談山神社のシンボル「十三重塔」とは

談山神社のシンボル「十三重塔」とは

写真:モノホシ ダン

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談山神社のシンボルともいえる高さ17mの「十三重塔」は、678年(天武天皇7年)に創建された塔婆で、現在の塔は、室町時代の1532年(享禄5年)に再建されたものです。木造十三重塔としては世界唯一の貴重な建造物です。

談山神社のシンボル「十三重塔」とは

写真:モノホシ ダン

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なお十三重塔は、春は桜、夏は新緑、そして秋には燃えるような紅葉に覆われます。

談山神社のシンボル「十三重塔」とは

写真:モノホシ ダン

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十三重塔の撮影を楽しんだなら、本殿にお参りしましょう。談山神社の「楼門」は拝殿の門となっていて、拝殿・東西透廊とともに1520年(永正17年)の建立。

拝殿とは屋根続きで建てられています。楼門をくぐると左手に本殿があり、正面には本殿を囲むように折れ曲がる東西透廊、そして右手には拝殿があります。

日光東照宮のモデルになった豪華絢爛の本殿

日光東照宮のモデルになった豪華絢爛の本殿

写真:モノホシ ダン

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1850年(嘉永3年)造替の「本殿」は中臣鎌足公を祀り、朱塗極彩色の豪華絢爛たる様式で、日光東照宮のモデルになったとも言われています。

日光東照宮のモデルになった豪華絢爛の本殿

写真:モノホシ ダン

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「拝殿」は、清水寺と同じ舞台造りになっています。そして拝殿にめぐらされた東西透廊の吊燈籠は、一つひとつの柄が違います。中臣鎌足にちなんだ「鎌」の柄もあります。また高廊下に映る吊燈籠のシルエットも印象的です。

日光東照宮のモデルになった豪華絢爛の本殿

写真:モノホシ ダン

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恋愛成就のパワースポットで人気なのが、摂社の東殿の「恋神社」。ご祭神は、中臣鎌足公の奥方である鏡女王(かがみのおおきみ)です。

鏡女王は容姿端麗で和歌の才もあり、興福寺の建立に関わるなど才色兼備の女性で、鎌足とともに藤原氏の繁栄の礎となりました。

また恋神社の手前にある岩は「むすびの岩座(いわくら)」と呼ばれ、岩を撫でて心に思うことを祈願すると願いが叶うと言われています。

多武峰観光ホテルからの眺めも見逃せない

多武峰観光ホテルからの眺めも見逃せない

写真:モノホシ ダン

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談山神社の拝観のあとは、神社の向かい側にある「多武峰観光ホテル」の5階のレストランでランチタイムを楽しみましょう。このレストランのバルコニーからの談山神社の眺めは秀逸です。これだけでもレストランを利用する価値は十分あります。

多武峰観光ホテルからの眺めも見逃せない

写真:モノホシ ダン

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レストランのバルコニーからは、談山神社の十三重塔が手に届くような近さに見えます。多武峰の清々しい空気と談山神社の神気を存分に感じ取りましょう。

多武峰観光ホテルからの眺めも見逃せない

写真:モノホシ ダン

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ほかにぜひ見てみたいのが、談山神社の名前の由来となった「談い山(かたらいやま)」と塔堂伽藍の眺め。

本殿裏山の標高566mの談い山へは、境内社の比叡神社から徒歩約10分で上ることができます。日本史の大きな舞台となった談山神社で秘仏・御開帳と新緑を楽しんでください。

談山神社の基本情報

住所:奈良県桜井市多武峰319
電話番号:0744-49-0001
拝観料:大人600円 小人300円(小学生) 小学生未満無料
拝観時間:8:30〜16:30(最終受付) 最終拝観17時まで
アクセス:近鉄・JR桜井駅から奈良交通バスで約25分終点談山神社下車 徒歩約5分
車利用の場合は、無料駐車場利用

2023年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/06/24−2023/05/16 訪問

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