自然の宝庫!大分・阿蘇くじゅう国立公園「タデ原湿原」

自然の宝庫!大分・阿蘇くじゅう国立公園「タデ原湿原」

更新日:2017/05/28 18:55

阿蘇くじゅう国立公園「タデ原湿原」は、三俣山の麓、標高約1000mの場所にある国内最大の中間湿原です。敷地面積38haもあり、2005年に国際的に重要な湿地としてラムサール条約に登録。昆虫や動物、植物などの貴重な生息場所となっており、春はキスミレ、夏はキスゲ、秋はマツムシソウなど、四季折々の花に囲まれながら散策が楽しめます。訪れる人を魅了する美しい自然が広がる「タデ原湿原」をご紹介します。

県道沿いにある、気軽に立ち寄れる散策ポイント

県道沿いにある、気軽に立ち寄れる散策ポイント
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阿蘇くじゅう国立公園「タデ原(たでわら)湿原」は、大分自動車道由布院ICから通称「やまなみハイウェイ」と呼ばれる県道11号を経由して、およそ40分の場所。標高1745mの三俣山(みつまたやま)の山麓にあります。

この湿原は、約1万年前に起こった九重連山の火山活動によってできた湿地。山間地域に形成された中間湿原として国内で最大規模を誇る大きさです。湿原は県道沿いにあり、無料駐車場を完備しているため、ドライブの途中に立ち寄って気軽に散策が楽しめるスポットです。

国際的に重要な湿原を体感できる!選べる散策ルート

国際的に重要な湿原を体感できる!選べる散策ルート
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湿原は木道の遊歩道が設けられていて、タデ原絶景コース・タデ原1周コース・草原森コースなど3つのコースがあり、体力に合わせてお好みのコースを選ぶことができます。なので、誰でも湿原や山並みを見ながらの散策が楽しめますよ。

2005年には、竹田市にある坊ガツル湿原と共に、ラムサール条約に登録されました。ラムサール条約とは、湿地の多くは多様な生物が生息しているにもかかわらず、埋め立てなどの開発の対象になり易く、その破壊を食い止めるため、湿地を国際的な資源として保全し賢明に利用していくための条約です。簡単に言えば、ラムサール条約は湿地を守る条約なのです。条約の他、野焼き等による人の手によって湿原環境が維持され、美しい景観が広がっています。

「タデ原」の「タデ」とは?

「タデ原」の「タデ」とは?
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ここはサッカーグランド約53面に匹敵する広大な湿原です。山に降った雨が湿原を潤し、約567種の植物・約112種の野鳥・約13種の哺乳類・約82種の昆虫など、多種多様な生き物が住んでいる場所なのです。

湿原の名前にある「タデ」は、青タデ。正式名称ヤナギダテという植物が沢山生えていて、「朝日長者伝説」の中で長者が好んで食べたことに由来しています。ヤナギダテは、特有の辛みを生かして、潰して酢に混ぜ、鮎料理などに利用されるタデ酢として重宝される植物。7月〜10月にかけて花期を迎え、30cm〜80cmの高さでまばらに花をつけるのが特徴なので、夏に訪れたら見つけてみるのも面白いかもしれません。

「タデ原」の「タデ」とは?
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タデ原湿原は、遊歩道から野草や野花をじっくり観察することができます。写真は、春先に咲くキク科の「サワオグルマ」です。直径数センチ程の小さな花で、草原の足元で健気に花を咲かせています。春は、ハルリンドウや桜草など、ピンク色や青色、黄色など色とりどりの花を咲かせていて、春から秋にかけて色々な花を楽しむことができます。

8月上旬になると、夕方15時〜日没までしか花を咲かせない「ミズオトギリ」と言う珍しい花も見られます。数時間しか花を咲かせない上、花が小さいのでよ〜く探さないと見つからない大変貴重な植物。一見の価値ありなので、見つけて鑑賞されてみては如何でしょうか?

お役立ちの情報満載!長者原ビジターセンターを活用しよう

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湿原に併設するように「長者原ビジターセンター」があります。1階には、大画面のハイビジョン映像でタデ原湿原を観るコーナーや、地質や生き物の生態系など詳しく展示するコーナー。2階階には、実物や写真で咲いている花など旬な自然情報をお届けする「旬の情報展示」もあるので、湿原をもっと知りたい人は要チェックの施設です。

ビジターセンターは、入場無料。スタンプラリーなどがあり、お子様でも楽しく遊びながら、湿原について学ぶことができますよ。

バリアフリー設計の遊歩道で車いすでも安心!

湿原の遊歩道は、段差が少ないバリアフリー設計になっています。ビジターセンターの裏手にスロープがあるので、車いすでも駐車場から簡単に行くことができ、ビジターセンター内には多目的トイレもありますよ。

ご紹介した「タデ原湿原」は、季節の移ろいを感じながら散策できるとっておきの所。美しい自然を満喫しながら爽やかな散策が楽しめ、気分をリフレッシュしてくれます。たまには、自然の中でのんび〜り散策してみては如何でしょうか? また、訪れた際はゴミを散らかさない、植物を持ち帰らないなど、くれぐれもマナーを守って見学して下さいね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/05/17 訪問

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