大津「三井寺」怪力弁慶の“引きずり鐘”は竜宮城からのいただき物!?

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大津「三井寺」怪力弁慶の“引きずり鐘”は竜宮城からのいただき物!?

大津「三井寺」怪力弁慶の“引きずり鐘”は竜宮城からのいただき物!?

更新日:2017/05/29 15:20

政田 マリのプロフィール写真 政田 マリ 仏像ナビゲーター

滋賀県大津市の古刹「三井寺」は大化の改新(645年)で登場する天智天皇ゆかりの井戸を有する歴史深いお寺。比叡山の麓にあたり、天台寺門宗の総本山として参拝者の絶えない霊場です。仏像、建造物など境内の見どころは多くありますが、中でも比叡山との争いの際、あの怪力の僧・弁慶が山の上まで引きずり上げたという伝説の「引きずり鐘」は間近で見られて迫力満点!なんとこの鐘は奈良時代に竜宮城からやってきたのだとか!?

見どころ多い三井寺境内

写真:政田 マリ

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三井寺は正式には「園城寺(おんじょうじ)」といい、天台寺門宗の総本山です。

667年に天智天皇によりこの近くに近江大津京という都が造られました。天智天皇が亡くなると、天皇の子・大友皇子と天皇の弟・大海人皇子が皇位継承をめぐって争い、壬申の乱が勃発。敗れた大友皇子の子・与多王(よたのおおきみ)が父の霊を弔うために寺を創建したことが園城寺の始まりとされています。境内には天智・天武・持統天皇の産湯に使われたという霊泉が今もこんこんと湧き続けています。

平安時代に入ると、比叡山延暦寺の第五代天台座主・円珍によって中興され、天台寺門宗の総本山として隆盛し、東大寺・興福寺・延暦寺と共に「本朝四箇大寺(しかたいじ)」の一つとして、 寺格を保ってきました。

家康により移築された境内入り口となる大門(画像)をくぐると、深い緑に包まれた空間が広がり、北院・中院・南院と3エリアに分けられるほど広大です。

写真:政田 マリ

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金堂は1599年、豊臣秀吉の正室北政所によって再建されました。三井寺境内でもひときわ大きく立派なお堂で、秘仏の本尊弥勒菩薩を祀っています。

三井寺は秀吉の時代に闕所(所領没収)の憂き目に遭い、それまでの伽藍はことごとく破壊または移築されてしまいましたが、のちに北政所、徳川家康、毛利輝元などのバックアップを受け、現在の伽藍が整備されました。

伝説と伝説が重なり合った「弁慶の引きずり鐘」

写真:政田 マリ

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金堂脇を西側山手に上がると小さなお堂が見えてきます。「伝説の名鐘・弁慶鐘」と書かれた看板があり、鐘つき堂(鐘楼)かな?と思いきや、中で吊り下げられることなくドンと鎮座している立派な鐘が迎えてくれます。

写真:政田 マリ

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この梵鐘は三井寺初代のもので、奈良時代の作とされています。 お寺に伝わる伝説によると、十世紀前半に俵藤太(藤原)秀郷が三上山のムカデ退治のお礼にと招待された竜宮城で龍神からいただいた鐘を三井寺に寄進したのだそうです。

その後、延暦寺(山門)との争いで怪力の僧弁慶がこの鐘を奪い比叡山へ引き摺り上げてしまいました。山上で撞いてみると、なんと “イノー・イノー”(「去のう」=帰りたい)と響いたのです!弁慶は「そんなに帰りたいのか!」と鐘を谷底へ投げ落としたといいます。

写真:政田 マリ

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鐘にはその時のものと思われる引きずった擦傷やヒビなどが付いています。高さ2m、口径は123.2cm、銅製の鐘で重さは2.25tもありますから、怪力弁慶でも大変だったでしょう。また、この鐘は寺にとって良くないことがあるときには汗をかき、撞いても鳴らず、逆に良いことがあるときには撞いてもいないのに自然に鳴るといいわれています。

現在は現役を引退し、撞かれることなくこの霊鐘堂に奉安されています。

現在の2代目は「三井の晩鐘」として名高い名鐘

写真:政田 マリ

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金堂の東側、現在鐘楼に吊られている梵鐘は弁慶の「引き摺り鐘」の跡継ぎとして1602年に鋳造された2代目。実はこの鐘も近江八景の一つ「三井の晩鐘」として有名で、「音の三井寺」として日本三名鐘の一つにも数えられるほどの美しい響きを持っています。

名菓「引き摺り鐘まんじゅう」をお土産に!

写真:政田 マリ

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立派な三井寺の鐘を2つご覧になったなら、ぜひお土産にこちらのお饅頭を!鐘をかたどったその名も「ひきづり鐘まんじゅう」。大門を出てすぐの駐車場前にある「れすとらん風月」の一角で実演販売をされていて、熱々の焼きたてを提供してくださいます。

お水を使わず、卵と蜂蜜で生地を作っているそうで、ふわふわ柔らかい生地の中にねっとりした甘めの餡が入っていて、境内を歩いた疲れを優しく癒してくれるおまんじゅうです。

1つから買えてその場でもいただけますし、複数個が箱に入ったお土産用もありますよ。

三井寺の「引き摺り鐘」で弁慶のパワーにあやかりたい!

平安時代に数々の怪力剛力伝説を残している僧・弁慶はご紹介した通り、三井寺と敵対していた比叡山のライバル僧ですが、三井寺でもその伝説とともに愛され、おまんじゅうだけではなく「べんべん」という三井寺広報キャラクターのゆるキャラもいるほど。弁慶のパワーを無数の傷跡から感じ取れる「引き摺り鐘」は霊鐘としてこれからも参拝者に愛されていくことでしょう。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2017/04/01 訪問

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