埼玉で最北の山へ登拝〜御嶽山の金鑚神社と鏡岩

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埼玉で最北の山へ登拝〜御嶽山の金鑚神社と鏡岩

埼玉で最北の山へ登拝〜御嶽山の金鑚神社と鏡岩

更新日:2017/05/19 17:07

大木 幹郎のプロフィール写真 大木 幹郎 巨木マニア、低山登山家、ブロガー

金鑚神社は、埼玉県の神川町にある県内でも格式の高い古社。御嶽山の山麓に鎮座し、山を御神体として祀っています。霊場らしい厳かな境内には、特徴的な造りの立派な社殿、重要文化財の古建築、御神木が並び、見所も十分。御嶽山には、特別天然記念物の鏡岩という名所があり、山頂は好展望。由緒ある霊場にして、見所が多くハイキングも楽しめる、御嶽山の金鑚神社をご紹介。

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埼玉県最北の山・御嶽山に鎮座する金鑚神社

埼玉県最北の山・御嶽山に鎮座する金鑚神社

写真:大木 幹郎

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金鑚(かなさな)神社があるのは、埼玉県の北西部、神流川を挟んで群馬県と接する神川町。中央に県内最北の山・御嶽山(標高343.4m)が聳え、その山麓に金鑚神社は鎮座。

金鑚神社は県内でも格式の高い古社。平安時代に編纂された延喜式神名帳に名のある式内社であり、武蔵国(埼玉の旧国名)の第五宮。社伝によれば、第二宮であるとも云われ、地名の二の宮はこれに由来。

由緒ある霊場の金鑚神社は見所も豊富。国の重要文化財である多宝塔。背後の山を御神体とし、本殿のない特殊な造りの社殿。境内は森厳として美しく、清らかな沢が流れ、寂びた石組みの参道には、大木と御神木が並び立つ。そして御嶽山の山中にも見所が。

御嶽山の中腹にある鏡岩は、県内でも有名な場所の1つ。輝く大きな岩層の断面で、国の特別天然記念物。他にも岩峰の展望地や岩穴など見所があります。

(写真・神橋と三の鳥居前)

埼玉県最北の山・御嶽山に鎮座する金鑚神社

写真:大木 幹郎

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金鑚神社の由緒について少しお話を。主祭神は天照大神と素戔嗚尊の2柱。社伝では日本武尊が東征の際に、御室山(御嶽山の一部)に2柱を祀ったのが始まり。御室山には日本武尊が伊勢神宮で、伯母の倭姫命から賜ったという、火打金が奉納されたと云われます。

鎌倉時代になると、近隣の大きな武士勢力団であった児玉党や丹党から、近郷の総鎮守として崇敬。戦国時代は、御嶽山に城が築かれ、城主となった長井氏や後北条氏から保護。江戸時代には、徳川幕府から朱印地の寄進を受け、大光普照寺(金鑚元三大師)を別当として栄えました。

(写真・拝殿の正面)

金鑚神社の境内の見所

金鑚神社の境内の見所

写真:大木 幹郎

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金鑚神社の境内の見所を3つご紹介。はじめに多宝塔。二の鳥居の先、参道の向って右側の高台に建つ、国指定の重要文化財です。建立は天文3年(1534)、近隣の大きな武士勢力団の1つ、丹党の阿保氏による寄進。埼玉県では数少ない塔婆建築であり、県内有数の見事な古建築です。

金鑚神社の境内の見所

写真:大木 幹郎

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金鑚神社の御神木・旗懸銀杏。神橋の先、参道の向って右側に立つイチョウの巨木です。社伝では、康平5年(1062)、源義家が前九年の役の帰途に、植えたイチョウの2代目とされます。御神木を囲む苔むした石垣。堀を覆う古城の石垣のように風格があり、御神木の立姿をより神秘的にしています。

金鑚神社の境内の見所

写真:大木 幹郎

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拝殿の奥に続く中門。その背後は山と接し、一般的な神社に見られる本殿がありません。御神体である背後の御室山(御嶽山の一部)を、直接に拝する形です。金鑚神社の他に式内社の中で、本殿を設けないという古い祭祀の形態を残しているのは2社。大神神社(奈良県)と諏訪大社(長野県)のみです。

埼玉県内でも有名な名所・御嶽山の鏡岩

埼玉県内でも有名な名所・御嶽山の鏡岩

写真:大木 幹郎

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御嶽山の山中にも見所があり、その最たるものが鏡岩。金鑚神社の境内の西奥から、ハイキングコースを登ること約10分、山の中腹にある大きな岩層の断面が鏡岩です。

鏡岩は、約1億年前の岩断層活動による岩層の露頭部で、高さ約4m、幅約9mと大きなもの。岩質は赤鉄石英片岩で、岩面は強い摩擦力により磨かれて、赤褐色に光沢を帯びています。貴重な地質学的資料として、国の特別天然記念物に指定されました。鏡岩は古くから人々に知られており、鏡のように姿が映ると、江戸時代の文献にも登場(十方庵遊歴雑記)。

展望の御嶽山へハイキング

展望の御嶽山へハイキング

写真:大木 幹郎

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御嶽山の見所は鏡岩だけではありません。鏡岩から更に登った先にある、岩峰の展望地や岩穴、城跡の遺構のある山頂をご紹介します。

鏡岩から先、階段を登り尾根上に出ると道が3つに分岐し、左へ進むと岩峰の展望地(右が山頂、正面が渡瀬方面)。石仏の並ぶ法楽寺の跡地から、少し足元の悪い岩場を登れば、岩峰の展望地です。

かつてこの岩峰は、本山派である法楽寺の回峰行場の1つ。護摩壇の跡が残されており、金鑚神社の奥宮も祀られています。展望は特に北側に開けており、群馬県の赤城山や榛名山が遠望でき、関東平野の北部を見渡せます。

展望の御嶽山へハイキング

写真:大木 幹郎

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法楽寺跡の広場から岩峰の展望地へ登らず、左へ少し進んだ先にあるのが弁慶穴。岩峰の北側にある岩穴で、内部は人が数人入れる広さ。北側に足元が切れ落ちていますので、立ち寄る場合はご注意ください。

展望の御嶽山へハイキング

写真:大木 幹郎

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御嶽山の山頂一帯には、御嶽城の遺構が残されています。御嶽城は文明12年(1480)頃に、阿保氏(金鑚神社に多宝塔を寄進)に築かれたとされます。後に国境の要衝に位置しているため、甲斐武田氏と後北条氏の争奪戦に巻き込まれます。

鏡岩から先、尾根上にある分岐を右(西方向)へ進み、約10分ほど登れば御嶽山の山頂(標高343.4m)。途中に堀切の跡が2つあり、本郭のあった山頂手前は急斜面なのでご注意ください。

埼玉県で最北の山・御嶽山は見所も多い特別な霊場

以上、御嶽山と金鑚神社のご紹介でした。金鑚神社は県内でも格式の高い古社。式内社であり、武蔵国の第五宮(社伝では第二宮)。境内は、山の清水が流れ、寂びた木石に覆われ、霊場らしい森厳とした雰囲気。国の重要文化財でる宝塔、特徴的な社殿、御神木など見所もあります。そして、御嶽山を県内でも有名にしているのが、山中にある国指定特別天然記念物の鏡岩。鏡岩の先には、関東平野を見渡せる岩峰の展望地もあり、ハイキングも楽しめます。見所も多い特別な霊場、埼玉県で最北の山、御嶽山へ登拝しませんか。

最後に、お勧めの訪問時期は、新緑が美しい4〜5月と、紅葉が美しい11月。特に11月は、城峯公園の冬桜も見頃となるでお勧めです。なお、夏期は低山のため、藪が濃くなるのでご注意を。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/03/24 訪問

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