200年前に日本地図を完成させたスゴイ男!千葉県香取市で伊能忠敬の原点を訪ねる。

200年前に日本地図を完成させたスゴイ男!千葉県香取市で伊能忠敬の原点を訪ねる。

更新日:2013/12/18 13:46

井伊 たびをのプロフィール写真 井伊 たびを 社寺ナビゲーター、狛犬愛好家
56歳から「日本地図を作ろう!」と思い立つこと自体スゴイことなのに、72歳までの足かけ17年間歩いて「精巧な日本地図」を完成させてしまった「伊能忠敬」。そんな並はずれたバイタリティーを育んだ佐原の町を訪ねてみよう!

伊能忠敬記念館で国宝級の資料に接すれば、きっとそのわけを見つけられるだろう。さらに佐原の町を巡れば、彼の熱意が同じように芽生えるかも知れない。それが、明日への大きな糧になるだろう。

伊能忠敬記念館

伊能忠敬記念館

写真:井伊 たびを

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伊能忠敬は、寛政12年(1800年)から文化13年(1816年)まで、足かけ17年かけて全国を測量し、日本全土の実測地図「伊能図」を制作した。実際に「大日本沿海輿地全図」として完成したのは、彼の没後の文政4年(1821年)のことである。

ここ記念館には、国宝に指定された資料の数々が展示されている。それは、地図・絵図類、文書・記録類、書状類、典籍類、器具類に分類される。

中でも、地上測量に使用された「量程車」や「半円方位盤」さらに、天体観測の器具類は、遠く200年の時を超えて、伊能忠敬の味わっただろう苦労を偲ばせる。展示品のすべて、一見する価値がある!

正文堂書店は、県指定文化財。

正文堂書店は、県指定文化財。

写真:井伊 たびを

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伊能忠敬の原点とも呼べる地、千葉県香取市佐原は、北総の小江戸と呼ばれている。江戸との舟運で栄えた商都の面影を現在に残す町並みは、「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されている。

町並みには、県指定文化財が目白押しだ!そのうち、絶対に外せない観光目玉は、この正文堂書店をはじめとする8棟だ。小堀屋本店、中村屋乾物店、三菱館、福新呉服店、旧油葱商店、中村商店、正上。中でも、正上は天保3年(1832年)に建築されている。

小野川の舟めぐり

小野川の舟めぐり

写真:井伊 たびを

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佐原の中心部を流れる小野川を、のんびりと流す舟めぐり。この時期、こたつに足を突っ込み暖をとりながら、町並みを下から眺める風情は、贅沢三昧。乗船場は、伊能忠敬旧宅前、樋橋のたもと。およそ30分のコースで、大人1,200円、小学生600円で楽しめる。

樋橋(ジャージャー橋)

樋橋(ジャージャー橋)

写真:井伊 たびを

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伊能忠敬旧宅前の小野川に架かる橋。かつて、江戸時代に小野川上流で、堰き止めた農業用水を、関戸方面(現在の佐原駅方面)の田に送るための大きな樋(とよ)であった。この樋橋から落ちる水の音からジャージャー橋と呼ばれるようになった。

平成8年に環境省の「残したい日本の音風景百選」に選ばれている。

佐原町並み交流館にて

佐原町並み交流館にて

写真:井伊 たびを

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隠れた観光スポットは、三菱館のとなりにある「佐原町並み交流館」だ。十四分の一にダウンサイジングされたミニチュアの佐原町並み「古い町並みのドールハウス」が常設展示されている。瓦の一枚一枚、店内の小物にいたるまで、精巧に再現されているのは、感動!感動!そして感動!の何ものでもない。

この「正文堂書店」「中村屋商店」「三菱館」「福新呉服店」「小堀屋蕎麦店」は、日本ドールハウス協会・認定講師・橋本京子さんの制作によるものだ。

まとめとして

まずは、JR佐原駅前にある水郷佐原観光協会の「駅前観光案内所」を訪ねることをオススメする。そこの20円で購入できるB3サイズの「観光MAP」は圧巻だ!町並みの全容が手にとるようにわかる。イラストで描かれたその地図は、永久保存版にしておきたいシロモノだ。

ところで、残念ながら、伊能忠敬の旧宅は、現在訪れることができない。先の東日本大震災の被害に遭い、来年(2014年6月)まで修復工事中だ。だが、伊能忠敬記念館の資料で、忠敬の足跡と偉業にふれることは、有意義な一日の過ごし方だ。伊能忠敬大河ドラマ化推進協議会ができるのも充分うかがえる。また、町並みをめぐりながら、小間物やおみやげ品を求めるのも、大切な楽しみのひとつだろう。

ところが、佐原の大祭が、7月の本宿祇園祭と10月の新宿秋祭りの年2回催される。その機会に合わせて訪れることが、旅の楽しみを倍増させることに間違いはない。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/12/08 訪問

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