サン・ダニエーレは、スロヴェニアとの国境沿いにあるイタリアの北東の州、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州の中ほどにあります。特産物である生ハムで世界的に知られていますが、町自体は人口8000人ほどの小さな町。海と山の中間の小高い丘に位置するため、カルニア・アルプスからの冷たい風とアドリア海からの穏やかな微風が合流する、その独特の気候は生ハムの熟成にとても適しているそうです。
写真:中山 久美子
地図を見る町に入ると、食料品店やレストランはもちろん生産者直営のお店まで、生ハムを扱うお店が町の至る所にあります。サン・ダニエーレ生ハム生産者協会に登録されている生産者は28社もあり、うち半分以上が直売を行い、更にうち9社が常時一般人の工場見学と試食ツアーも開催(要予約)しています。
お店の看板にもなっている生ハムの形+SD(サン・ダニエーレ)のマークは、生産者協会が認証した生ハムにのみに押される焼き印です。
写真:中山 久美子
地図を見る生産者や生ハムを提供するお店だけではなく、町中のお店がポスターを貼ったり、ウィンドゥにイベントの告知を出したりして、まさに町全体でこのお祭りを盛り上げています。
写真:中山 久美子
地図を見るイベントは内容によって場所が違いますが、メインはこの大聖堂の周りになります。ここでは大きなテントが張られており、テーブルとベンチで気軽に生ハムが食べられるようになっています。時間によってはすごい人になるので、レジの列が少なく空いている場所を見つけたら、まずは生ハムを食べてみましょう!
写真:中山 久美子
地図を見るこの広場でのメニューは、サン・ダニエーレの生ハムのトレイ。あの最高級生ハムが、しかも地元のプロによってスライス仕立てのものが、たったの4ユーロ。ご覧の通り、トレイいっぱいに敷き詰められています。生ハム好きな方、特にサン・ダニエーレの生ハムが好きな方は、この姿を見ただけで悶絶すること、間違いなしです!
イタリアでは生ハムは、「ドルチェ=塩が控えめで甘みを感じるマイルドなもの」と、「サラート=塩味のしっかりついたもの」がありますが、サン・ダニエーレ産は前者。まずは生ハムだけで、舌の上でとろけるその旨味を堪能してみて下さい。
その後、一緒についてくるグリッシーニ(棒状のクラッカー)に巻き付けて食べると、カリッとしたグリッシーニと、しっとりとした生ハムの食感のコントラストも楽しめます。もう、いくらでも食べられるくらいに止まりません。
提供元:Consorzio del Prosciutto di San Daniele
http://www.prosciuttosandaniele.it/お祭りの3日間は、ガイド付き見学やテイスティング、生ハムを使った食事も含めた特別ツアーを開催している生産者が10社。何世紀にも渡り受け継がれてきた生産過程のお話しを聞いたり、生産者の元だけしか見られない熟成庫の見学などもできます。残念ながら日本語はありませんが、生産者によっては英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語など、外国語でのガイドも行っています。旧市街からと、駐車場から送迎バスが出ているので、とても便利。
極上の生ハムを損なわずに食べるには、スライスの仕方がとても重要。お祭りでは、生ハムのスライス・エキスパートによるスライス講座が行われ、スライサーを使ってのスライスの仕方や手でナイフを使ったスライスの仕方、またスライス前、スライス後の保存方法までを教えてくれます(予約必須なので、下記のお祭り公式サイトよりお申込み下さい)。
そのまま食べる以外のレシピは知りたい方にはイタリア料理学校のシェフによる料理講座、お酒が好きな方には白ワインやビールとの組み合わせ方の講座など、最高級生ハムを更に美味しく食べるための講座もあります(予約必須なので、下記のお祭り公式サイトよりお申込み下さい)。
ただ食べるだけでなく、この生ハムを深く知りいかに美味しく食べるかまで、全方向からサン・ダニエーレの生ハムを堪能するイベントとなっています。
イタリアでは食品につけられる多くの認証がありますが、その全てが、生産地・生産エリアを規定しており、その名前に生産地がそのままついていることも多々あります。どこででも作られるものではなく、その地の、その土壌や気候や伝統から生まれ、そこで脈々を受け継がれてきたものばかり。このサン・ダニエーレの生ハム祭りでけでなく、イタリアではご当地食品のイベントはもちろん、一般人・観光客の訪問を受け付けている生産者が多く存在しますので、お気に入りの食品があればぜひ生産地を訪れてみて下さいね。
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(2024/4/25更新)
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