美しくて鳥肌!6月の奥日光はクリンソウ花咲く「千手ケ浜」がおすすめ

美しくて鳥肌!6月の奥日光はクリンソウ花咲く「千手ケ浜」がおすすめ

更新日:2019/06/10 14:17

咲田 みつるのプロフィール写真 咲田 みつる 千葉県1周ランナー、鈍足のトレイルランナー
清らかな流れのほとりに咲くクリンソウの花畑。これは栃木県の日光・中禅寺湖畔の6月ごろの様子です。「日光には世界遺産を見に数回行ったことあるけど、こんな光景見たことない」と感じたあなた。それもそのはず、ここは中禅寺湖畔でもホテルや土産店がある場所とほぼ対極にある「千手ケ浜」。しかもクリンソウは、他県では絶滅危惧種指定を受ける珍しい花です。アクセスは船かバス、徒歩のみという秘境感あふれるスポットです。

湿地に群生する神秘の花「クリンソウ」千手ヶ浜はまさに絶景

湿地に群生する神秘の花「クリンソウ」千手ヶ浜はまさに絶景

写真:咲田 みつる

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この美しい風景はどこ?という問いに答える前に、まずクリンソウについて解説しておきます。クリンソウは、サクラソウ科の多年草で、ピンクや白、赤の花を咲かせます。

50センチほどの茎に、小さな花が数段にわたって輪生します。その様子がちょうど仏塔の先の「九輪」に似ていることから、クリンソウと呼ばれているのです。

湿地など水気のある場所を好んで咲くので、群生地にはこの様に水辺を伴っていることが多いのです。

湿地に群生する神秘の花「クリンソウ」千手ヶ浜はまさに絶景

写真:咲田 みつる

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他県では、絶滅危惧種にも指定されていますが、ここ奥日光では外来種を含め、群生地がチラホラ見られます。もちろん、人の手で手厚く保護されているところもあります。

見頃は6月。この時期にはクリンソウ目当てのカメラマンがこぞってやってきます。

カメラマンならずとも、一度、そのたたずまいを目にすれば、可憐さに目を奪われるでしょう。水辺とクリンソウのコラボは、立ちすくむほど美しいのです。

湿地に群生する神秘の花「クリンソウ」千手ヶ浜はまさに絶景

写真:咲田 みつる

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上から見ると、輪生の様子が手に取るように分かります。ただし、近づくときは根を踏み荒らさないよう、気を付けてくださいね。

バス停から中禅寺湖畔沿いに徒歩10分・仙人庵が特に美しい

バス停から中禅寺湖畔沿いに徒歩10分・仙人庵が特に美しい

写真:咲田 みつる

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さて、冒頭の美しい写真の光景ですが、日光の中禅寺湖畔・千手ヶ浜の「仙人庵」というところです。千手ヶ浜は、中禅寺湖の西にあり、南北2キロほどの静かな浜です。周辺には他にもクリンソウ群生地があるのですが、仙人庵の美しさは格別です。

実は仙人庵は、私有地なのですが、約1haにわたる美しい水辺やクリンソウの群生地を一般の方にも開放してくれています。庵は個人のお宅ですので、入ることはできませんが、庭先には無料のコーヒー(セルフ)が用意されているほどの歓迎ぶりです。

この千手ヶ浜への交通手段は、低公害バスと、季節運航の遊覧船のみ。バスや遊覧船を降り、約10分ほど歩くと仙人庵へたどり着きます。(詳細は後述します)

付近はミズナラやハルニレなどに覆われた、静かな森となっています。観光地の賑わいから遠く離れ、神秘的な光景に包まれています。

バス停から中禅寺湖畔沿いに徒歩10分・仙人庵が特に美しい

写真:咲田 みつる

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バス停から中禅寺湖畔沿いに徒歩10分・仙人庵が特に美しい

写真:咲田 みつる

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仙人庵のクリンソウは保護のために、ネットで周囲が覆われています。もとは鹿除けのネットだったそうですが、シーズンは大変な人出ですので、人が踏み荒らさないようにという点も大きいように思われます。写真が撮りたい場合は、ネット越しになるのを見越して、出来るだけ望遠の効くカメラを持っていきましょう!

千手ヶ浜へのアクセスは船・バス・歩き 早朝を狙っていこう

千手ヶ浜へのアクセスは船・バス・歩き 早朝を狙っていこう

写真:咲田 みつる

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肝心のアクセスですが、船・バス・徒歩の3択になります。

船の場合は、季節運航の遊覧船を利用しましょう。「船の駅中善寺」から「菖蒲ヶ浜」を経由して、千手ヶ浜の桟橋を目指す季節の特別航路です。

バスは自然環境に配慮した低公害バスです。戦場ヶ原の赤沼バス停から、千手ヶ浜行きのバスに乗りましょう。所要時間は約30分です。(上の写真は、千手ヶ浜のバス停)

ただし、クリンソウのピークの土日ともなると、満員の為、乗車待ちが必須となります。駐車場に入るのにも時間がかかりますので、できれば早朝の訪問をおすすめします。
※いずれも記事の最後の「関連MEMO」のリンクをご覧ください。

千手ヶ浜へのアクセスは船・バス・歩き 早朝を狙っていこう

写真:咲田 みつる

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健脚のハイカーなら、船やバスを使わず、歩いて千手ヶ浜へ行く方法もあります。

最寄りのバス停「赤沼」から千手ヶ浜への、徒歩の所要時間は、3時間ほどです。長丁場ですが、車道経由(低公害バスの運行路でもある市道1002号)であれば、舗装ですので大部分が平坦です。

行きだけバスで、帰りは歩きという選択肢もおすすめです。分岐から、ハイカーに人気の「戦場ヶ原」や「竜頭の滝」へ行くことも出来るからです。季節は初夏。クリンソウの見頃は、戦場ヶ原ではワタスゲのシーズンとも重なるため、あわせて訪問されることをおすすめいたします。
※記事の最後の「関連MEMO」のハイキングマップのリンクをご参照ください。

クリンソウはここにも!旧イタリア大使館別荘記念公園のお庭

クリンソウはここにも!旧イタリア大使館別荘記念公園のお庭

写真:咲田 みつる

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長いバス待ちに並ぶほど旅程に余裕が無くても、6月に日光を訪れるならクリンソウは是非目にしたいものですね。中禅寺湖畔では、他にもクリンソウに出会えるスポットはあります。自然発生的に群落をつくっているところもあれば、人の手で管理されているところもあります。

そのひとつが旧イタリア大使館別荘記念公園です。明治から昭和初期にかけて、中禅寺湖畔には、外国人の避暑地として別荘が次々と建てられました。イタリア大使館別荘記念公園も昭和3年から平成9年まで歴代の大使の別荘でしたが、現在は記念公園として開放されています。杉の板と皮を張って仕上げられた内外装も大きな特徴です。また、有料ではありますが、内部を見学することもできます。

クリンソウはここにも!旧イタリア大使館別荘記念公園のお庭

写真:咲田 みつる

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シーズンには、そのイタリア大使館別荘記念公園の前庭に、見事にクリンソウが咲きそろっています。見頃は千手ヶ浜とほぼ同時期です。千手ヶ浜と違って、車や路線バスで行くことができますし、歴代大使の優雅な暮らしぶりを見学することもできます。

観覧料:大人200円、小人100円(2019年6月現在)※例年12月〜翌3月までは休館です

千手ヶ浜のクリンソウ群生地は一度は行きたい絶景地

クリンソウそのものは、6月の奥日光で車道沿いにも見られるものですが、やはり千手ヶ浜の水辺とのコラボの光景は格別です。2019年は6月中旬が見頃と予想されています。

また、6月の奥日光は、ワタスゲやツツジ、ズミなど多くの花に彩られます。旅程に余裕を持たせ、是非周辺のハイキングとともにお楽しみください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/06/05 訪問

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