トルコ中部の人気観光地といえば、世界複合遺産でもあるカッパドキア。ウフララ渓谷はそのカッパドキア地方にある断崖絶壁の渓谷です。カッパドキアでよく目にする岩だらけの景色ではなく、ウフララ渓谷は水と緑の景観が魅力的なスポット。付近には映画『スター・ウォーズ』のロケが行われた場所もあり、壮大なスケールの自然を味わいながら、ハイキングやトレッキングを楽しむことができます。
ちなみに、ウフララ渓谷はカッパドキアの中心であるギョレメからかなりの距離があるため(車で1時間ほど)、バスやタクシーなどのツアーに参加し、他のスポットと一緒に廻るのがおすすめです。
ウフララ渓谷には、北端にセリメ村、中間地点にベリスルマ村、南端にウフララ村という3つの村があります。ウフララ渓谷の多くのツアーでは、ウフララ村とベリスルマ村の間にある入場口から入った後、川を沿って4qほどの小道を歩き、昼食をベリスルマでとるのが一般的。今回ご紹介するのも、このコースです。
渓谷を下まで降りきると、メレンディズ川に沿って続く小道があります。小道は急な傾斜や足場の悪い場所なども特になくて歩きやすく、川のせせらぎや緑を楽しみながら歩くことができます。
小道から上を見ると、100mの切り立った崖の光景に圧倒されることでしょう。ウフララ渓谷の深さと、スケールの大きさが分かります。
崖のいたるところには、この写真のような無数の穴が開いています。これは、かつてアラブ人から逃れてきたキリスト教徒たちが作った岩窟教会。住居として利用されていたもののほか、壁一面に極彩色のフレスコ画が描かれているものも多く残されてあります。
この写真は、ベリスルマの1qほど手前にある「聖ゲオルギウス教会」のフレスコ画です。小道に案内板が置いてあるので場所は分かりやすいですが、教会までたどり着くにはあまり整備されているとは言えない急な崖を登っていかなくてはならず、注意が必要です。それでも、実際にフレスコ画を目の当りにしたら、その場所に漂う非常に静謐な雰囲気を味わえ、深遠な気持ちになれることと思います。
この「聖ゲオルギウス教会」には、非常に珍しいフレスコ画があります。キリスト教の教会でありながら、イスラムの王メソット2世(在位1282〜1308)が描かれている壁画です。写真に写っている、左側のターバンを巻いた男性がそうです。メソット2世はこの地を支配下に置いた後も、キリスト教徒に信仰の自由を与えていたとされています。
元来イスラム教は他宗教にも寛容であり、この壁画は、2つの宗教が出会ったときに争いだけではなく、和解も生じ得ることを示しているといえます。世界中で紛争や戦争が絶えない今、非常に考えさせられるものの多いフレスコ画です。
いかがでしょうか?
大自然を満喫できるだけでなく、歴史の1ページをもとにさまざまな思索をすることもできるウフララ渓谷。非常に濃密な時間になること間違いなしのこの場所を、是非旅先の候補にしていただければと思います。
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