城下町の面影と街を流れる雄川堰の清流!群馬県甘楽町小幡

城下町の面影と街を流れる雄川堰の清流!群馬県甘楽町小幡

更新日:2017/05/11 14:28

群馬県甘楽町小幡は、鎌倉時代は上州小幡氏の領地として栄えた城下町。江戸時代になると上州織田家の領地となり、領地内に雄川堰(おがわぜき)が整備され、近代は養蚕や製糸で栄え、富岡製糸場の土台は蓮石山から切り出した石材が使われました。

雄川堰遊歩道や養蚕農家など城下町の面影が残り、富岡製糸場土台の石材を切り出した採掘場跡や長厳寺三十三観音をめぐる連石山トレイルコースなど見所満載で散策が楽しい街です。

世界かんがい施設遺産や名水百選に選ばれた雄川堰(おがわぜき)

世界かんがい施設遺産や名水百選に選ばれた雄川堰(おがわぜき)
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かつて、街道沿いの宿場は道の中央に生活用の水路が流れていましたが、上下水道の整備や車社会の時代になりその役目を終え、ほとんどの水路は埋め立てられてしまいました。甘楽町(かんらまち)小幡の雄川堰もゴミやヘドロに汚れる時期もありましたが、地元による整備活動により、清流がよみがえりました。

雄川堰は名水百選に選ばれ、歴史的、技術的、社会価値のあるかんがい施設が登録される「世界かんがい施設遺産」にも選ばれています。小幡散策はこの町屋地区から始まりです。

世界かんがい施設遺産や名水百選に選ばれた雄川堰(おがわぜき)
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町屋地区の水路沿いには、明治時代に建てられた「養蚕農家群の街並み」や「ナマコ壁の蔵」、「つるべ井戸」があり、城下町、宿場町の面影が残っています。

世界かんがい施設遺産や名水百選に選ばれた雄川堰(おがわぜき)
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「古民家カフェ信州屋」は、無料休息所・観光案内所。店内に入ると、卓上ラジオや柱時計、大正や昭和初期の看板が掛けられ趣があります。

八幡山山頂から街を一望!小幡織田家の守護神小幡八幡神社

八幡山山頂から街を一望!小幡織田家の守護神小幡八幡神社
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町屋地区の中ほどに小幡陣屋の鬼門封じのため、小幡織田氏の時代に創建された小幡八幡神社があります。神社裏山の八幡山からは、街を一望でき、遠くに浅間山や赤城、榛名、妙義の上毛三山が見えます。

甘楽町は癒し効果が科学的に実証された「森林セラピー基地」に認定され、八幡山を散策する「八幡山夕陽ヶ丘コース」など、4つのコースが設定されています。標高約235メートルの山頂には、展望デッキやハンモック状のネットベンチ、森林ヨガなどに利用できるウッドテラスがあります。

八幡山山頂から街を一望!小幡織田家の守護神小幡八幡神社
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八幡山の頂上からは街を一望。写真では、うっすらと妙義山と上信越自動車道が見えます。天気が良ければ妙義山の後ろに、広い裾野の浅間山も見ることができます。

八幡山山頂から街を一望!小幡織田家の守護神小幡八幡神社
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山頂は平らで広く、展望台やネットベンチ、ウッドテラスがあります。体全体で深呼吸をして森林の力と上州織田氏の守護神の力を受け止めてください。

田園風景に流れる雄川堰!取水口まで続く雄川堰遊歩道

田園風景に流れる雄川堰!取水口まで続く雄川堰遊歩道
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雄川堰は町屋地区から南へ3キロほどの雄川取水口から始まります。水路幅1.2〜1.7メートルの「大堰」から3ヶ所の分水口から小幡藩内を「小堰」が張り巡らされていました。

上州織田氏時代に整備された水路は、藩内住民の飲水や生活用水、水田のかんがい用水として利用されていました。町屋地区の水路上流から雄川取水口まで遊歩道が整備され、町屋地区の城下町風情とは違い、静かな田園風景を楽しむことが出来ます。

田園風景に流れる雄川堰!取水口まで続く雄川堰遊歩道
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雄川堰は雄川の取水口から田園地帯を流れ武家屋敷や小幡陣屋などに分水し町屋地区へと続いています。遊歩道は町屋地区で見られる城下町の面影とは違い、のどかな田園風景が広がっています。

田園風景に流れる雄川堰!取水口まで続く雄川堰遊歩道
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雄川は甘楽町西側の稲含山(いなふくみさん)が水源。取水口は町屋地区から南へ3キロほど上流の堰提から取水されています。

富岡製糸場の礎石を切り出した採掘場跡と三十三観音の連石山

富岡製糸場の礎石を切り出した採掘場跡と三十三観音の連石山
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雄川堰の取水口から雄川を下ると、小幡七福神の1つ長厳寺があります。2017年2月に、長厳寺から甘楽町総合公園まで続く「連石山トレイルコース」が整備され、連石山三十三観音や、世界文化遺産の富岡製糸場の土台となった石材を切り出した採掘場跡などを散策できます。

長厳寺から三十三観音をめぐる「無心のみち」と「清心のみち」の2つに分かれ、途中から合流し、採堀場跡までの「山背のみち」、展望台から甘楽総合公園までの「やわらぎのみち」と愛称が付けられています。

富岡製糸場の礎石を切り出した採掘場跡と三十三観音の連石山
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長厳寺からの「無心のみち」、「「清心のみち」には連石山三十三観音があります。初めに登場するのが、高さ10メートルと日本最大級の摩崖仏(まがいぶつ)。その道脇には小さな観音菩薩があり、心が和みます。この2コースは急な登山道なので登山靴などの装備をしてくださいね。

富岡製糸場の礎石を切り出した採掘場跡と三十三観音の連石山
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写真は、三十三観音をめぐるコースから「山背のみち」を歩いた後の展望台からの風景。左側に採堀場跡が見え、眼下に甘楽町、南方向に秩父山系、北西方向に、妙義山や、赤城山、榛名山が見えます。

武家屋敷に楽山園!甘楽総合公園を雄川沿いを散策

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甘楽総合公園は、石川県の兼六園や茨城県の偕楽園と共に日本を代表する歴史公園が選ばれる「日本歴史公園100選」に選定されています。広さ18ヘクタールの園内には野球場やテニスコート、弓道場があり、雄川沿いの散策路には隣接する、「小幡藩陣屋跡」に庭園の「楽山園」や、武家屋敷の「松浦氏屋敷」、ギャラリーカフェのある「長岡今朝吉記念ギャラリー」があり、「道の駅甘楽」へ続いています。道の駅からスタート地点の町屋地区へはすぐそこです。

武家屋敷に楽山園!甘楽総合公園を雄川沿いを散策
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「旧小幡藩武家屋敷松浦氏屋敷」は、小幡松平藩の中老を務めた松浦元寛の屋敷。屋敷の庭園は雄川堰の水を池に引き込み、小幡の南に見える秩父山系を借景しています。

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甘楽総合公園の散策路から、小幡藩陣屋の庭園「楽山園」の「梅の茶屋」が見えます。国の名勝に指定された園内は、昆明池に中島を施し、築山を盛って「梅の茶屋」や「腰掛茶屋」が建てられています。ここでも、秩父山系や連石山を借景しています。

町屋地区から始まり甘楽総合公園で終わる小幡散策!借景の秩父山系も見逃さずに

養蚕農家群の街並みや、城下町・宿場町の面影を残す町屋地区。取水口へ向かう雄川堰遊歩道は田園風景を流れる雄川堰は町屋地区とは違う姿を見ることが出来ます。楽山園や松浦氏の庭園の借景となった秩父山系や甘楽の山々は、田園風景にもよく似合います。

散策途中には,無料休息所、観光案内所やギャラリーカフェがあり、マイペースで散策を楽しむことが出来ます。甘楽町小幡はゆっくりと散策できる大人の旅先です。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2017/04/14 訪問

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