写真:ザーカー 久美子
地図を見る南北アメリカ大陸に挟まれたカリブ海の西、キューバやジャマイカといった大きな島々から成る大アンティル諸島。その東側に位置し、鹿児島県とほぼ同じ面積を有するプエルトリコ (Puerto Rico) には、約400万人が暮らしています。主都「サンファン (San Juan) 」は島の北東にある美しい港湾都市で、近世の面影を残すエリア・旧市街 (Old San Juan) は、1983年にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されました。
写真:ザーカー 久美子
地図を見る1508年からおよそ400年に渡りスペインの植民地だったプエルトリコですが、政治の中心である「プエルトリコ議会議事堂 (Capitol of Puerto Rico) 」の正面には、アメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンの名言「人民の人民による人民のための政治は決して地上から滅びないだろう」が刻まれています。というのも1898年に勃発した米西戦争以降、プエルトリコはアメリカの自治領だからなんです。議会議事堂の内部は1階のみですが見学可能なので、興味のある方は訪ねてみてくださいね(平日のみ)。
それでは、500年の時をタイムスリップしてRPGな町へ出発!
写真:ザーカー 久美子
地図を見る1539年からおよそ250年の歳月をかけて築かれたのが「サン・フェリペ・デル・モロ要塞 (Castillo San Felipe del Morro) 」、通称「エル・モロ要塞 (El Morro) 」。町の西端の岬から階段のように6層に建造された要塞は、迷路のように複雑な作りとなっています。16世紀末にイギリス軍に陸から攻め込まれたほかは、一度たりとも海からの攻撃に屈したことのない難攻不落の要塞です。5層目の「メインプラザ (Main Plaza) 」は、貯蔵庫や兵舎、教会などに使用されていたコロニアル様式の建物に囲まれており、展示品を通して当時を偲ぶことができます。
写真:ザーカー 久美子
地図を見るとても印象的なのが、城壁のところどころに築かれた見張り番小屋 (Sentry box) 。カプセル型がとっても愛らしいですよね。結婚写真の撮影スポットとして人気なのも頷けます。
1950年代にはプエルトリコ初のゴルフ場が、なんと要塞の敷地内に作られました。2ヶ所目がオープンした際に役目を終えたのですが、スペイン軍もまさかアメリカ軍にゴルフ場にされるとは思ってもみなかったでしょうね。
写真:ザーカー 久美子
地図を見る「エル・モロ要塞」から海沿いの道を30分ほど歩いたところにある「サン・クリストバル要塞 (Castillo San Cristóbal) 」は、東京ドーム2個分以上の広さを誇る新大陸で1番大きな要塞です。1634年からおよそ150年の年月をかけて築かれ、サンファンの東の要として陸からの攻撃を防御する役割を担っていました。
写真:ザーカー 久美子
地図を見る海岸線の果てにあるエル・モロ要塞や麗しい町並みを望むことができます。
写真:ザーカー 久美子
地図を見るこちらの要塞にも見張り番小屋が設置されているのですが、屋根の多くが鍋ぶたのような突起があるのに対し「悪魔の見張り番小屋 (Devil’s Sentry Box) 」は、丸い屋根が特徴的です。スペイン統治時代、サンチェス (Sanchez) という兵士はこの見張り番小屋で恋人のディアナ (Diana) とときおり時間を過ごしていたのですが、ある夜、彼女からのプロポーズを承諾すると、悪魔に姿を変えた彼女とともにどこかへ消え去った、という伝説が残されています。階段状に3層に分かれた要塞の2層目から、北の突端にあるこの見張り番小屋を望むことができます。ぜひ探してみてくださいね。
写真:ザーカー 久美子
地図を見るサンファン湾 (San Juan Bay) を望む城壁に建つ「救世主ハリストス教会 (Chapel of Christ the Savior) 」は、1753年から27年の歳月をかけて建築された小さな教会です。
18世紀中頃のある日、スペインの長官ドン・マテオ・プラッツ (General Don Mateo Prats) は町なかで開催されている競馬を、現在の教会のある場所にあった建物のベランダから観覧していました。すると、若い騎士が馬を御しきれず崖へ向かって突進していくではありませんか。長官が「神様、彼をお守りください」と願ったところ、猛進していた馬が落ちる寸前に止まりました。
敬虔な長官により奇跡の起きた場所に建造されたのがこの小さな教会です。21世紀の今でも “奇跡” が起こることを願って、多くの人々がこの教会を訪れています。教会のとなりには「鳩公園 (Pigeons Park) 」があるので、愛らしい教会と美しい湾と鳩を眺めつつ、ゆったり休憩してくださいね。
写真:ザーカー 久美子
地図を見る貿易風の影響で1年の平均気温が27℃と初夏のような陽気のサンファン。カリブの青い海と空に映えるコロニアル様式のカラフルな町は、碁盤の目になっており街歩きにぴったり!石畳の道沿いにはレストランやカフェ、ブティックが軒を連ねており、童話のようにキュートな町でグルメやショッピングが楽しめますよ。
市内には無料のトロリーバスが巡回しています。町中を巡るのに便利な「市庁舎ルート (City Hall Route) 」、前述の両要塞を訪れる「防御施設ルート (Fortification Route」、両ルートを走る「要塞ルート (Fort Route) 」の3つがあり、毎日朝〜夕方までおよそ15分おきに乗車できます。上手にトロリーバスを利用して、快適に観光してください。
サンファンへはアメリカ経由の飛行機、またはニューヨークやボストン、マイアミから出航している豪華客船で訪れることができます。プエルトリコを拠点にカリブ海の島々を巡ることも◎。
いかがでしたか?近世が今に息づくプエルトリコの主都・サンファン。勇者や魔術師が現れそうな要塞やキャンディーカラーの町並みを、心地よい潮風に吹かれつつ散策してください。
〈一旅一首〉
アラフォーになってもきっとないだろうラスボスを倒す経験値など
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(2024/4/27更新)
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