京都「三嶋神社」は子授け・安産にご利益あるうなぎ神社!?

京都「三嶋神社」は子授け・安産にご利益あるうなぎ神社!?

更新日:2017/09/26 11:26

bowのプロフィール写真 bow トラベルライター
京都には猿の寺や猪の神社など動物にちなんだ寺社が多数ありますが、東山にある「三嶋神社」はひときわ珍しいウナギを祀る神社。ガイドブックにも載らない「三嶋神社」は知る人ぞ知る子授け・安産の神様で、なんと秋篠宮殿下も祈願で二度もお越しになったという神社でもあったのです!

ひっそりと佇む「三嶋神社」

ひっそりと佇む「三嶋神社」

写真:bow

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京都東山にある「三嶋神社」。その歴史は平安時代末期にまで遡るという由緒ある神社なのですが、地元の京都人にもそれほど知られているわけでもありません。その場所は西本願寺・大谷本廟にほど近い住宅地の一角にひっそりと佇んでいます。

ひっそりと佇む「三嶋神社」

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まるでマンションに接するかのように非常にこじんまりと鎮座する三嶋神社。表通りに面しているわけでもないので気づかずに通り過ぎてしまっている人も多いことでしょう。

とりたてて何もなさそうにも思えるこの小さな神社に平成6年、15年と二度も秋篠宮殿下がわざわざ足を運ばれているのです!

子授け・安産にご利益!「三嶋神社」

子授け・安産にご利益!「三嶋神社」

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何故、秋篠宮殿下がこの三嶋神社へ二度も足を運ばれたのか?その理由は神社の創建にまでさかのぼります。

平安時代末期の後白河天皇の中宮である平滋子(建春門院)が子宝に恵まれなかったため、摂津国に子授けにご利益があるという三嶋大明神を祈願したところ夢の中に白髪の翁が現れ、「あなたに男児を授ける。その代わり、私を京の巽の方角に祀りなさい。」と告げます。するとお告げ通りに平滋子は後の高倉天皇を授かり、これを喜んだ後白河天皇が三嶋大明神をお祀りした社殿を平重盛に命じて造成させたのです。

ちなみに高倉天皇の中宮である建礼門院(平清盛の娘・徳子)も三嶋神社に祈願し、後の安徳天皇を授かったとされています。そんなことから古くから皇室の崇敬を集めてきたのです。

「三嶋神社」はうなぎ神社

「三嶋神社」はうなぎ神社

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三嶋神社は大山祗大神(オオヤマヅミノカミ)、天津日高彦火瓊々杵尊(アマツヒダカヒコホノニニギノミコト)、木之花咲耶姫命(コノハナサクヤヒメノミコト)の三神を祀ります。そんな三嶋神社の神の使い、神使はなんとウナギ!神社の絵馬も鰻が描かれているのです。

「三嶋神社」はうなぎ神社

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鰻が描かれた絵馬はよく見ると三種類あります。鰻二匹が描かれた絵馬は子授祈願の絵馬で、男女の神鰻が互いに絡み合って子授けと夫婦和合を表しています。また、鰻三匹が描かれた絵馬は安産祈願の絵馬で、夫婦の間に子供が生育する姿を表した絵馬となっています。

あとの一種類は毎年図柄が変わる縁起絵馬となっていて、10月26日に行われる「大放生祭」後に新たな絵柄になるとされています。

「三嶋神社」はうなぎ神社

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ちなみに「大放生祭」は鰻の供養祭で、三嶋神社ではなく三嶋神社の祈願所がある瀧尾神社で行われ、池に三匹の鰻が奉納されます。江戸時代ごろに鰻を扱う商人の要望で始まったとされる「大放生祭」にはうなぎ専門店やうなぎの養殖業者などが全国から約100軒集まって行われます。

三嶋神社は安産や子授けのご利益だけではなく、鰻関係の業者からの崇敬もあるという珍しい神社だったのです。そして秋篠宮殿下はナマズの研究者としても有名で「ナマズの殿下」とも呼ばれています。それもまた、この神社を訪れるきっかけだったのかも知れませんね。

「三嶋神社」は源氏も平氏もゆかり!?

「三嶋神社」は源氏も平氏もゆかり!?

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前述の通り、平家ゆかりの神社である三嶋神社なのですが、実は境内には源義経ゆかりの神石も鎮座しています。これは「揺向石(ようこうせき)」という神石で、かつて牛若丸が三嶋神社にて参籠した際、夢の中に翁が現れ「早々に奥州に行きなさい」と告げます。そして夢から覚めて翁が立っていた所を見ると、この石があったという逸話から「揺向石」と呼ばれるようになったもの。

それ以来、妊婦がこの石に触れた手でお腹を撫でると、牛若丸のような立派な男の子が授かるといわれるようになったのです。また江戸時代の境内では「揺向石」は相生の松の間に祀られていたため、良縁や家内安全のご利益があるともされています。このように三嶋神社は平氏も源氏もゆかりがあるという面白い神社なのです。

三嶋神社参拝の記念に

三嶋神社参拝の記念に

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ウナギ神社である三嶋神社に参拝したのなら、記念に授かりたいお守りもご紹介します。その名も「開運鰻登守」で、開運厄除と家運隆盛及び商売繁盛も祈願されているという特別お守り。名前的にも非常にベタな感じはしますが、そのベタさがご利益を約束してくれそうな鰻神社ならではのお守り!三嶋神社まで足を運んだならばぜひ手に取ってください。

三嶋神社参拝の記念に

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ウナギの神社、三嶋神社がこんなにこじんまりとしてしまったのには理由があります。多額の負債をかかえ、神社の境内地を手放さざるを得なくなり、その跡地にマンションが建設されたのです。そして瀧尾神社の境内に移転したのですが、地主さんの厚意からマンションの脇に本宮の敷地が設けられ現在に至っています。

本当に小さな神社ではありますがなかなか興味深い逸話や歴史のある三嶋神社。皇室からも崇敬を受けるという子授けパワーを得るべく、訪ねてみてはいかがでしょうか?

三嶋神社の基本情報

住所:京都府京都市東山区東大路通東入上馬町3丁目
電話番号:075-531-5012
アクセス:京都市バス「馬町」バス停から東へ徒歩約5分。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/07/21 訪問

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