ゴージャス!東京上野「旧岩崎邸」魅惑の世界

ゴージャス!東京上野「旧岩崎邸」魅惑の世界

更新日:2017/05/03 16:53

上野にある都立公園「旧岩崎庭園」内のジョサイア・コンドル設計の洋館内部は、豪華そのもの。三菱財閥一族の迎賓館として使用された建物は、歴史を感じる重厚で贅沢な空間が広がっています。洋館、大広間(和館)、撞球室の3棟が重要文化財に指定されています。

数多くのテレビドラマに登場した外観も魅力的ですが、内部も必見の価値があります。明治の近代化の勢いを感じることができます。

重厚さと上品な贅沢を感じる洋館内部

重厚さと上品な贅沢を感じる洋館内部
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洋館は、明治29(1896)年にジョサイア・コンドルが、三菱財閥3代目社長の岩崎久弥の依頼により設計した建物です。コンドルは、明治政府に招かれたお雇い外国人の一人、日本の近代建築の基礎を築いた人物であり、歴史で有名な鹿鳴館(現存せず)、丸の内の三菱1号館など多くの設計をしました。

重厚さと上品な贅沢を感じる洋館内部
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木造2階建ての内部は英国17世紀のジャコビアン様式を基調とし、イギリス・ルネサンス様式やイスラムの様式を取り入れています。1階・2階とも天井が高く、重厚そのもの。

重厚さと上品な贅沢を感じる洋館内部
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玄関にはステンドグラス、階段には見事な木彫のある柱、各部屋には暖炉、ベランダにはミントン製のタイルと、上品な贅を尽くした内装です。玄関、階段ホール、サンルームに置いてある暖房機器は、天使など細かいレリーフが施されていて、これも重要文化財の指定。

各部屋の違いを発見してみましょう!

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1階・2階の各部屋の暖炉、壁紙、照明、組込細工の床は、それぞれ異なっています。写真は、イスラム様式が一部取り入れられ、天井に日本刺繍が施されている1階の婦人客室。

各部屋の違いを発見してみましょう!
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写真は、2階客室。壁紙の貴重な金唐革紙は、もともとヨーロッパの技法を和紙で再現した日本独自の技法で、凹凸のある彩色した革のように見える豪華な壁紙です。

2階の婦人客室は、金唐革紙もピンク色で優しい雰囲気。細やかな心遣いを感じる空間です。

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洋館とつながっている和館も必見!

洋館とつながっている和館も必見!
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和館は、書院造りを貴重とし、完成時には建坪550坪ある広大な建物でしたが、今は残された一部分が公開されています。戦前まで岩崎家の居宅として使用され、和館の玄関はステンドグラスの扉でおしゃれ!

洋館とつながっている和館も必見!
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和館の玄関から船底天井の長い廊下で洋館と和館が、つながっています。設計は大工棟梁の大河喜十郎と伝えられ、使用されている木材は、質、一枚板のサイズともに、今では入手困難な貴重なもの。和館の次の間は、現在喫茶室として気軽にお茶が楽しむことができます。

和館の大広間には橋本雅邦の障壁画

和館の大広間には橋本雅邦の障壁画
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書院造りの大広間があり、床の間の絵は明治の著名な日本画家橋本雅邦の障壁画。富士山の絵、違い棚、襖絵と、伝統的な和風の空間となっています。岩崎家の紋章は菱形。釘隠し、欄間、格子などにそれぞれ異なった菱形のデザインがあり、発見の楽しみもあります。

山小屋のような撞球室

山小屋のような撞球室
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洋館の隣にある撞球室(ビリヤード)は、ジョサイア・コンドル設計。重厚なデザインの洋館とは違い、スイスの山小屋のような造り。校倉造り風の外壁、軒が深く張り出した大屋根のゴシック調の木造で、洋館とつながっている地下通路があり、ベランダの前には明り取りのガラスがあります。内部の壁紙は、洋館と同じ金唐革紙。

旧岩崎邸は和・洋の二つの趣が楽しめます!

旧岩崎邸は、日本の近代化の勢いを感じることができます。明治時代の文明開化の現れであるジョサイア・コンドル設計の洋館。伝統的な書院造りの大広間のある和館。どちらも当時の最高水準の建築です。外観だけでなく、贅沢で重厚な内部にも注目してくださいね。

2016年秋から、館内の写真撮影が許可されました。平日のみ・フラッシュ撮影不可などの条件があります。なお、現在2017年6月(予定)まで、洋館屋根の葺き替え工事を行っています。確認してからお出かけください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/04/25 訪問

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