東京国立博物館は本館、平成館、東洋館の三館からなり、庭園は写真の本館の真裏にあります。庭園を眺めるだけなら通年本館の中から可能ですが、入るとなると開放される春と秋に訪れないといけません。
例年、春は3月中旬(桜の時期)〜ゴールデンウイークまで、秋は10月下旬から12月初旬(紅葉)の時期に開放されます。
皆さんが良いタイミングで上野に来られたなら、本館の脇の小道(本館と東洋館の間または本館と平成館の間)に行ってみましょう。
庭園は多様な植物のすべてに手入れが行き届いており、ゆっくり散策すると30分はかかる規模です。どうして大きな庭園が博物館に付属しているのか、というとその土地の歴史が関係しています。
もともと国立博物館の敷地は今も上野にある寛永寺の本坊があった場所に立っており、庭園ももともとは寛永寺の庭だったものです。そこが国立博物館の敷地になり、且つ創設当初は天産部という動植物を扱う部門があったことから、多種多様な植物が植えられることになり、現在に至ります。
この庭園はその成り立ちから庭園であると同時に植物園の様を呈しています。
例えば桜だけでもミカドヨシノ、ケンロクエンキザクラ、エドヒガン、ヤマザクラ、カンザン、オオシマザクラなどバラエティに富んだラインナップです。
大きく周遊できる舗装された歩道もありますが、ここはあえて小径を行きながら様々な植物を見て廻るが良いでしょう。
この庭園のもう一つの見どころが園内各所の伝統建築物(庵など)です。なんかボロい小屋があるな〜と近づいてみるとビックリ、そのほとんどが江戸時代に建てられたものだからです!
木造建築がそんなにもつの?と疑問に持つ方もいると思いますが、実はこれらの建物はもとから園内にあったのではなく、それぞれが紆余曲折を経て園内に移築されたものなのです。
例えば、写真の転合庵は江戸時代に京都伏見に建てられた茶室が、京都大原の寂光院に移されて、その後最終的に1963年にこちらに「寄贈」されたものです。建築物も移築という形で寄贈できるんですね!
なお、このような庵は今も使用されてます。中は茶室になっており、茶会などの利用を希望の場合は、申し出れば有料で借りることができるのです!
普段も中は外から見えるよう開放されているので、中の様子をうかがうことができます。江戸時代特に千利休によって広められた侘茶の精神を受け継ぐ質素な構えですね。
小さい庵だから移築できるのと思いきや、かなり大きな館も移築されてます。写真は江戸時代に現在の愛知県で建てられた応挙館で1933年に国立博物館に寄贈・移築されたものです。しかし移築されてきたにもかかわず庭園の植物と良くマッチしており、逆に言えば、こういった空間があるからこそ、寄贈しても良いと思えるのかもしれませんね。
こういった館ももちろん中が見れるように開放されており、写真の九条館(名前の通り、京都の五摂家のひとつ九条家から寄贈されたもの)などは明治初期の建物にも関わらず今も普通に住めそうでビックリします。国立博物館の一部なので当たり前なのかもしれませんが、さすがの保存状態ですよね。
歩き疲れたら、移動式のコーヒースタンド(ソフトクリームなどもあります)で休憩をどうぞ。東洋館側入口から周遊しても平成館側入口から周遊しても程よく歩いた丁度良い場所にありますし、この奥にはベンチもたくさんありますので、のんびり一休みができますよ。
注意点としては、庭園と国立博物館内部は外階段で接続しているにもかかわらず、双方からのアクセスは互いに禁止されている点です。写真は博物館から撮っている秋の風景ですが、庭園の黄色いベンチに座るには、外から廻っていかないといけないんですね。しかし、反対側の庵からの風景も楽しめるので、やはり開放中はいかないと損ですね!
国立博物館のエリア入るに博物館のチケットが必要ですが、庭園に入るのに別料金はいりませんので、気軽に訪れることができます。植物や伝統建築物に興味のある方はせっかく博物館を訪れたこの機会にぜひ周遊していきましょう。
なお、春と秋の開放日程詳細については下部MEMOのウェブサイトより確認するのが確実です。
では気をつけていってらっしゃいませ〜
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(2024/4/19更新)
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