名車・珍車など伝説のレーシングカーが集結!「ルマン24時間レース博物館」はまさに宝箱!

名車・珍車など伝説のレーシングカーが集結!「ルマン24時間レース博物館」はまさに宝箱!

更新日:2017/04/28 15:54

「世界三大自動車レース」の一つ「ルマン24時間レース」。毎年6月にフランスで開催される耐久レースの歴史を伝える博物館が「ルマン24時間レース博物館」です。マツダやポルシェなど優勝を飾った名車から1戦限りしか出場しなかった個性豊かな珍車まで、100年近い歴史を彩ったレーシングカーがズラリ!モータースポーツファンなら一生に一度は訪れたい特別な博物館はまるで宝箱のような空間です。

世界三大自動車レースの一つ、ルマン24時間レース

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F1の「モナコグランプリ」、アメリカの「インディアナポリス500マイルレース」と並んで「世界三大自動車レース」に数えられるのが、フランスのルマンで開催される「ルマン24時間レース」。その名の通り、昼夜問わず走り続ける自動車レースとして、クルマファン、モータースポーツファンなら一度は観てみたいレースでしょう。

スティーブ・マックイーン主演の映画『栄光のル・マン』(1971年)で日本でもよく知られるようになったこのレースには世界の名だたる自動車メーカーが挑戦。過酷な24時間耐久レースを通じ、自動車の技術が磨き上げられ、性能向上へと繋がってきました。日本からは日産、マツダ、トヨタ、ホンダなどが過去に参戦。現在は日本代表としてトヨタが総合優勝をかけて挑戦し続けています。

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「ルマン24時間レース」が開催されるルマンには首都パリのシャルル・ド・ゴール空港からTGVで約1時間半で到着。

「ルマン24時間レース博物館(Musee des 24 Heures du Mans)」はサーキットのメインゲートすぐ傍にあり、館内には過去に同レースを戦った名車が数多く展示されています。

24時間レースは1923年(大正12年)に第1回大会が開催されていますが、ルマンではそれ以前から公道を使った自動車レース「グランプリ」(フランス語で大賞の意味)が開催されてきました。そのため、このミュージアムには自動車レース黎明期のクラシックレーシングカーもコレクションされているのです。

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館内で最初に目を引くのが「ルマン24時間レース」でキーマンとなってきた人物の紹介。100年近くに渡って開催されている歴史に欠かせない、ベントレーボーイズ(英国車ベントレーの名レーサーたち)、エンツォ・フェラーリ(フェラーリ創業者)などの偉人が丁寧に紹介されています。

マツダ787Bをはじめ人気の名車がズラリ!

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「ルマン24時間レース」が日本で最も人気を集めたのは、1980年代後半から1990年代前半のバブル景気の時代。当時は「グループCカー」と呼ばれるレーシングスポーツカーを世界各国の自動車メーカーが投入し、激しいバトルを展開していました。メーカー間の争いが過熱したことで、1000馬力を超えるとんでもないパワーのマシンが凌ぎを削るようになり、まさにモンスターマシンによるレースと化していったのです。また、国内自動車メーカーが積極参戦していましたから、当時はテレビ朝日が現地から生中継を行うほどに人気が沸騰しました。

マツダ787Bをはじめ人気の名車がズラリ!
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このミュージアムを訪れる際に是非とも見て、写真に収めておきたいのがこのマシン。1991年の「ルマン24時間レース」で総合優勝した「マツダ787B」です。

得意のロータリーエンジンで1970年代終盤から同レースに挑戦を続けたマツダ。ルールで翌年からロータリーエンジンが使用禁止になることが決まっていたため、ロータリーエンジンによる最後の挑戦を行った1991年、マツダは悲願の総合優勝を達成しました。日本の自動車メーカーの中では初めての快挙。今のところ、これが「ルマン24時間レース」の長い歴史の中で唯一の日本車による優勝となっています。

まさに歴史的にも名車中の名車。甲高いロータリーサウンドを響かせてルマンのサーキットを駆け抜けたマツダ787Bはフランスでも人気がいまだに高く、ルマンの年代別・人気車投票で1位になるほどです。オレンジと緑の「レナウン」のスポンサーカラーを纏った目を引く1台。このミュージアムでは絶対に見逃せないマシンです。

ここでしか見れない迷車?珍車も多数展示

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年に1度だけ開催される「ルマン24時間レース」は歴史上、様々なコンセプトのレーシングカーをレースに出場させてきました。過去には24時間を走りきることなんて最初から考えておらず、ただ毎年、最高速度を出すことだけを考えたマシンもあったほどです。

そんな風変わりな挑戦や1度切りで姿を消した貴重なレーシングカーもこのミュージアムには展示されています。今年になって展示車の仲間入りをしたのが、2015年の「ルマン24時間レース」に参戦した「日産GT-R LM NISMO」です。真っ赤なカラーリングが目を引くレーシングカーですね。

ここでしか見れない迷車?珍車も多数展示
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この「日産GT-R LM NISMO」はマシン前方が非常に長い、特異なフォルムのマシンです。「ルマン24時間レース」で総合優勝を争うレーシングカーはエンジンが真ん中あたりにあり、後輪駆動のミッドシップと呼ばれる構造のマシン作りが基本ですが、この「日産GT-R LM NISMO」はレーシングカーの常識を覆すFF(前方にエンジンで前輪駆動)という構造になっています。

実際速かったのか?と言うとそうではなく、テスト走行不足も要因となり、優勝争いどころか下のクラスのマシンにも負けるほどのスピードでした。「野心的すぎる」挑戦は失敗に終わり、プロジェクトは頓挫。結局このマシンはこのレース限りで姿を消すことになってしまいました。

もう二度と見られないかもしれないと誰もが思っていたマシン。そんな貴重な1台を「ルマン24時間レース博物館」では見ることができます。こういうマシンを受け入れる懐の深さもまた「ルマン24時間レース」の素晴らしい文化といえるでしょう。

レース開催時でなくとも1度は見ておきたいミュージアム

「ルマン24時間レース」は毎年6月に開催されていますが「ルマン24時間レース博物館」はレースが開催されていなくとも訪れる価値がある、レースをテーマにした貴重なミュージアムです。

パリからTGVでルマン駅下車。そこからトラム「Antares MM Arena」行きに乗り、終点一つ手前の「Guetteloup - Pole Sante Sud」駅下車、徒歩15分ほど。

レンタカーでの移動なら、パリからモンサンミッシェル観光に出かける途中で立ち寄るのも良いでしょう。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/04/13 訪問

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