写真:八岳木 流泉
地図を見る神奈川県の中部に位置する厚木市は、大山などの山地に覆われ、相模川水系の清らかな水に恵まれる好地です。豊かな土壌の影響で農業などが営まれる一方、横浜や東京都心などへのアクセスも容易とあり、多くの人から評判を受ける街です。長谷寺(以下、飯山観音)の正式名称は「飯上山長谷寺」。厚木市街から県道を走った山側、飯山地区の小高い場所に鎮座しています。神奈川県の景勝50選にも選ばれる名刹で、特に春の桜の時期、2000本以上の桜が咲き誇り、参道は桜のトンネルになると評判です。また、飯山、七沢、広沢寺など、厚木市内には温泉も多く、それらへの宿泊者が参拝することもしばしばです。
飯山観音へ車でアクセスする場合は、東名高速道路「厚木」インターや圏央道「海老名」インターの利用が便利です。公共交通機関の場合は、小田急線「本厚木」駅の北口から神奈川中央交通のバスに乗り「飯山観音」前下車です。
写真:八岳木 流泉
地図を見る飯山観音は、725(神亀2)年に行基によって創建された説や、810〜824年の弘仁年間に弘法大師により創建された説があります。どちらをとっても歴史は古く、由緒正しい名刹ですね。御朱印は社務所でもらいます。はじめに預けて印を押してもらい、お参りを終えてから受け取ります。
写真:八岳木 流泉
地図を見る門をくぐってまず見えてくるのは、手水舎の凝った龍です。龍の口からキレイな手水が流れ出て、思わずしばし見とれてしまいます。飯山観音周辺は、丹沢から延びる、丹沢山系の「白山」中腹に位置しています。そのため清水が豊富でキレイなのです。こちらで手と口を清め、本堂へ向かいます。
写真:八岳木 流泉
地図を見る銅板葺の観音堂は決して大きくありませんが重厚なもの。行基が彫ったとも伝わる十一面観世音菩薩が本尊で、丁重に祀られています。
写真:八岳木 流泉
地図を見る長谷寺の銘板をはじめ、本堂の細工も実に凝ったもの。江戸時代の再建ですが、その匠の技は見事です。
写真:八岳木 流泉
地図を見る境内でその存在を主張するのは、手水の龍や観音堂ばかりではありません。市の天然記念物に指定される、樹齢400年のイヌマキが立っているのです。室町時代の末期、巡礼者の無事を祈って植樹されたマキの木で、周囲約3メートル、高さ17メートルにも達します。
参拝して名木を見てと、ゆっくり時間が過ぎてゆきますが、参拝客は殆ど姿を見せません。花見シーズンが終わればすっかり閑散として、非常に落ち着く空気感です。また、飯山観音は「縁結びの観音様」としても有名。その他にも、見事な銅鐘など、見どころ満載に楽しめます!
市街地の賑わいを横目に、実に静かな飯山観音。ここは坂東三十三観音巡礼の6番札所としても知られています。奥まった立地が起因してか、花見シーズン以外は落ち着く雰囲気です。少し喧騒から離れたい。そんな人には都会からも近い飯山観音がおススメです。
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(2024/4/19更新)
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