今年は横浜! 緑の祭典「全国都市緑化よこはまフェア・みなとガーデン」

今年は横浜! 緑の祭典「全国都市緑化よこはまフェア・みなとガーデン」

更新日:2017/04/29 12:38

鷹野 圭のプロフィール写真 鷹野 圭 首都圏自然ライター
毎年、日本各地のどこかで開催される花と緑の祭典「全国都市緑化フェア」。2017年は3月25日〜6月4日にかけて横浜市で開催されます。メインとなるのは、山下公園などの中区の臨海域を中心とした「みなとガーデン」と、ズーラシアに隣接した山間部の「里山ガーデン」の2つ。今回は、港町 横浜らしさを一際漂わせるみなとガーデンの魅力をご紹介します。洗練された町並みにマッチするお花畑をぜひご堪能くださいませ。

運河パーク〜新港中央広場 −趣向を凝らしたガーデンコンテスト作品群−

運河パーク〜新港中央広場 −趣向を凝らしたガーデンコンテスト作品群−

写真:鷹野 圭

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JR桜木町駅側からワールドポーターズ方面に向かい、橋を渡ったところにある運河パークが実質的に「みなとガーデン」の玄関口です。写真は花時計花壇。元々この場所にあった日時計に、地元の市民団体や学生などが花を植栽し、美しく彩りました。この他にも横浜私立大学と連携して作った麦畑など、学生が携わったプロジェクトがいくつか見られます。

運河パーク〜新港中央広場 −趣向を凝らしたガーデンコンテスト作品群−

写真:鷹野 圭

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運河パークの会場で何より目を惹くのは、16平方メートルという区画の中に箱庭のごとく作られたガーデン作品群です。植物と人工物を巧みに組み合わせ、それぞれ個性的なデザイン・雰囲気となっております。

洋風なもの、和テイストを盛り込んだもの、花の色が豊富で華やかなものから山野草を取り入れて落ち着いた佇まいを演出するもの...まさに千差万別。一つひとつの作品を、まずは俯瞰で眺めてみて、それから目を凝らして細部の工夫に着目してみてください。あるいは作品で使われているデザインやテクニックなどを、自分のお庭にインストールしてみるのも面白いでしょう。

運河パーク〜新港中央広場 −趣向を凝らしたガーデンコンテスト作品群−

写真:鷹野 圭

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運河パークと赤レンガ倉庫の間をつなぐ新港中央広場。こちらにもガーデン作品がずらりと並んでいます。そのほか、一年草を用いたお花畑や、世界的に活躍するガーデナー
 ジャクリーン・ファン・デル・クルート氏がデザイン・監修を務めた「ジャクリーンガーデン」が広がります。ジャクリーンガーデンは暖色を軸としたチューリップなどの球根植物が主軸となっており、背後に赤レンガ倉庫を据えるととてもよく映えます。

象の鼻パーク −ワイルドフラワーと大型ガーデン作品のゾーン−

象の鼻パーク −ワイルドフラワーと大型ガーデン作品のゾーン−

写真:鷹野 圭

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ワイルドフラワーという言葉を聞いたことがありますか? チューリップやパンジーのような園芸植物ではなく、自然の野山など(在来種というわけではありませんが)に生えるような草花で、代表的なのはネモフィラやヤグルマギクなど。暖色・寒色が入り混じり、写真のように美しくもナチュラルテイストも有した花景観が広がります。

また、ここでは写真で見えている以上に様々な花の種が植栽されており、季節が移り変わるとまた別の花が咲き始めます。できれば何度か足を運び、目くるめく変化をお楽しみください。

象の鼻パーク −ワイルドフラワーと大型ガーデン作品のゾーン−

写真:鷹野 圭

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運河パークなどと同様に、ここ象の鼻パークにもガーデン作品が多数展示されています。「もてなしの庭」と題されるこれらのガーデン作品は、1区画約30平方メートルと、前者の作品の2倍弱の大きさがあり、それだけに使われている植物や画期的な工夫などもたっぷり。
面積が広い分、人の背丈に勝る大きな樹木や人工物などを取り入れたダイナミックな作品も多く、見応えは十分。ガーデンデザインの多様性もますます広がり、長く見ていても飽きが来ません。

象の鼻パーク −ワイルドフラワーと大型ガーデン作品のゾーン−

写真:鷹野 圭

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これは象の鼻パークだけに限ったものではありませんが、今回の都市緑化よこはまフェアでは「サクラ」をテーマフラワーの1つとして掲げており、随所にサクラを植えた木製コンテナが配置されています。写真のようなメジロやヒヨドリなど、小鳥が蜜を求めて飛来することもしばしば。人工的に設置された植物も、実は色々な生きものの糧となっていることがよくわかりますね。

山下公園 −みなとガーデン最大の見所、ここにあり−

山下公園 −みなとガーデン最大の見所、ここにあり−

写真:鷹野 圭

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みなとガーデンの中心にして最大の見所といえるのが、港町・横浜の象徴ともいえる山下公園。今回の緑化フェアでは、サクラのコンテナや球根植物の混植ガーデン、フォトスポットが並び、一際華やかな花景観が広がります。

写真は、今回の緑化フェアのマスコットキャラクター ガーデンベアの立体花壇。本物の草花を立体的に植えつけて作られた、山下公園ひいては本フェアのシンボルといってもいいでしょう。この他にも小さなガーデンベアの人形がフェア会場には至るところに配置されていますので、散策ついでに探してみるのも乙な楽しみ方です。

山下公園 −みなとガーデン最大の見所、ここにあり−

写真:鷹野 圭

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山下公園の海沿いには、丸い小山のような混植ガーデンが数多く配置されています。そんな中に、リング状のモニュメントが。この他にも写真フレームのような四角い形のものもあり、フォトスポットとして使用されています。美しい山下公園と海景観ですが、こうしたフレームで切り取ってみるとまた違ったビジュアルに。お友達やご家族、恋人同士での記念写真にどうぞ!

山下公園 −みなとガーデン最大の見所、ここにあり−

写真:鷹野 圭

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今回のフェアにあたって山下公園で一番大きく変わったのが、バラのある沈床式花壇(サンクンガーデン)です。元々ここにはバラ園があり、初夏と秋には色とりどりの花が咲いて多くのファンが集まっていたのですが、昨年春に大幅にリニューアル。種類豊富なバラも残しつつ、よりたくさんの宿根草を植栽して、花と色のバリエーションを大幅に拡大しました。
宿根草は花期も様々で、中には寒さの厳しい冬場に満開を迎えるものもあります(キク科に多い傾向にあります)。また、背丈の低い宿根草が地面を覆うことで、バラだけでは寂しくなりがちだった花壇の“足元”をカバーし、自然な雰囲気を演出することにも一役買っています。

写真は3月末に撮影したものでバラはまだ咲いていませんが、それでも十分に見応えがあるほど花がたくさん。フェア期間中は、5月以降〜6月頭までバラが花期を迎え、ガーデンは最盛期となります。夜間にはライトアップもされますので、夜の散策にもおススメです。

港の見える丘公園 −見晴らし抜群。花の香りあふれる高台−

港の見える丘公園 −見晴らし抜群。花の香りあふれる高台−

写真:鷹野 圭

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みなとガーデンのもう1つの軸を担うのが、その名の通り横浜港やベイブリッジを望む港の見える丘公園です。ここにも山下公園同様にサンクンガーデンがあり、今回のフェアにあわせてバラのみの花壇から多種混植型のガーデンに生まれ変わりました。線対称のデザイン性あふれるガーデンは、まさに王道のイングリッシュガーデンです。

港の見える丘公園 −見晴らし抜群。花の香りあふれる高台−

写真:鷹野 圭

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サンクンガーデン内の「香りの庭」。特に良い香りをもつ植物がここに植栽されています。写真ではヒヤシンスが見えていますが、春本番になればバラが、その後はユリも開花し、近くを通っただけでも豊潤な香りが漂います。

港の見える丘公園 −見晴らし抜群。花の香りあふれる高台−

写真:鷹野 圭

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バラを主軸とした「イングリッシュローズの庭」。
線対称スタイルのサンクンガーデンと比べると、こちらは曲線美を活かしたデザインとなっており、その主軸となるのが英国由来のイングリッシュローズです。その株数は優に1,000株を上回り、5月の最盛期は一層華やかに!

バラとユリは、みなとガーデンの華

バラとユリは、みなとガーデンの華

写真:鷹野 圭

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実は横浜市の花に指定されているのがバラ。それゆえにフェア以前より山下公園、港の見える丘公園にはバラが植栽されていましたが、“脇役”となる小さな草花も充実させたことで、よりその美しさが引き立つようになりました。ドラマや戯曲と同じで、主役だけでは何事も成り立たないもの。バラを並べるだけではない、ナチュラル感を醸しだす本場の英国式庭園が、今回のフェアを通じてようやく形作られたように感じますね。

バラとユリは、みなとガーデンの華

写真:鷹野 圭

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バラに負けず劣らずの存在感を放つのが、大輪にして豊かな香りを持つユリの花。バラよりも少し遅れて花期がやってきますが、フェア期間中にも主に港の見える丘公園で見られます。香りが良いため、上記の「香りの庭」では実質的にバラと双璧をなす主役。フェア期間の終盤に見頃を向かえ、終了後も同じガーデン内でバラと共に訪れる人を楽しませてくれます。

バラとユリは、みなとガーデンの華

写真:鷹野 圭

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港町 横浜は、言うなれば海外文化の玄関口。異国文化が真っ先に入ってくる街であり続けたため、街並みにも公園にもそうした要素が随所に見られます。写真は「イングリッシュローズの庭」の一角。こうした海外生まれの造形物は、花と組み合わせることで一際美しくなります。記念写真や、風景スケッチのモチーフなどにどうぞ!

先端臨海都市の、春の華をお見逃しなく!

6月初頭までという期間限定ですが、通常の都市緑化フェアと比べるとこれでも結構長期間の開催。「みなとガーデン」「里山ガーデン」共に結構な広さがあり、短期間で見て回るのが難しい分、これはありがたいことです。同時に期間が長いことで、同じ会場であっても違う花が見られるという面白さがあります。どちらか一方のみであれば、1日たっぷり時間をかければ十分に見て回れますので、ぜひ双方共に何度か足を運んでみてください。

また、フェア終了後も一部の花壇などはそのまま残され、引き続き来園者の目を楽しませてくれます。

【アクセス】
運河パーク/JR「桜木町駅」より徒歩約12分 ほか
山下公園/みなとみらい線「元町・中華街駅」より徒歩約3分、JR「関内駅」より徒歩約15分 ほか
港の見える丘公園/みなとみらい線「元町・中華街駅」より徒歩約5分、JR「石川町駅」より徒歩約20分 ほか

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/03/25 訪問

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