東京都心で「食べる・観る」を体験できるレトロスポットまとめ

東京都心で「食べる・観る」を体験できるレトロスポットまとめ

更新日:2017/05/04 17:54

木村 優光のプロフィール写真 木村 優光 和風景写真家、夜景愛好家
日々の近代化が凄まじいスピードで進む東京駅周辺ですが、中には時代に取り残されたエリアも存在します。開発区域から外され、周辺の近代的ビルに隠れつつ、その存在をアピールすることを忘れたかのような鉄道のガード下はまさにその通り!また、古本屋や喫茶店の街である神保町や大手町の古代建築物など、東京駅の側近にこんなところがあったの?と唸らせるスポットを紹介します。未来的なビジュアルに飽きた方は必見です!

喫茶店と古本屋といえば「神保町」!

喫茶店と古本屋といえば「神保町」!

写真:木村 優光

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レトロスポットと言えば忘れてはいけないのが「神保町」!東京駅からも大手町駅経由で都営三田線や東京メトロ半蔵門線で1駅!「神保町駅」のA7出口からすぐの場所に、喫茶店が数件固まって密集しているエリアがあります。そこは靖国通りから南側へ路地を1本入った場所!

実際に足を運んでみると、喫茶店でも有名な老舗店「さぼうる」がひときわ目立ちます。同じ路地には「さぼうる2号店」もあり、どちらも店内は昭和色が非常に濃く、いまだにダイヤル式の公衆電話が設置されています。

散策前にコーヒーを1杯飲んでから、というのも良いかもしれませんが、店内はゆっくりとした時間が流れているので、ついつい長居してしまいそう・・・。忙しい日常を忘れて、たまには昭和レトロな空間に身を委ねてみるのも良いかもしれませんよ。

喫茶店と古本屋といえば「神保町」!

写真:木村 優光

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喫茶店が軒を連ねる路地から靖国通りを秋葉原方面へ歩いていくと、今度は多数の古本屋が軒を連ねるエリアになります。ほとんどは旧庫本ですが値段の安さにびっくり!宝探しとまではいきませんが、お気に入りの本探しも良いかもしれません。

メインは旧庫本を扱う店舗が多いですが、中には新庫本も扱う店舗や、あまり出回らない本を売る店舗もありますので、「神保町」へ足を運べば欲しい本は必ずと言っていいほど見つかるでしょう。

淡路町の路地に入ると年季の入った「栄屋ミルクホール」!

「神保町」から靖国通りを秋葉原方面へ進み、東京メトロ淡路町駅付近に来たら、大手町側の路地へ入ってみましょう。この周辺も昭和色の濃いエリアで、近代的な東京を知っている方にとってはカルチャーショックを受けること間違いなし!

そして「栄屋ミルクホール」の看板が!一見、昭和レトロな喫茶店と間違われますが、現在はその名を残しつつラーメン店として経営されています。因みに創業当初の昭和20年は、その名の通りミルクの販売をメインとして経営されていましたが、現在のメニューにはミルクはありませんのであしからず・・・。

店舗を目の前にすると、貫録のある看板住宅は昭和初期の代表的な建築工法!この淡路町や神田界隈は注意して歩いていると、看板住宅をよく目にすることができます。大都会でありながらレトロスポットが存在するのも、東京駅側近の魅力です。

淡路町の路地に入ると年季の入った「栄屋ミルクホール」!

写真:木村 優光

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淡路町の路地に入ると年季の入った「栄屋ミルクホール」!

写真:木村 優光

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初訪問でしたら「栄屋ミルクホール」の暖簾をくぐるのにかなり勇気が必要ですが、ここは意を決して木製の扉を開けて入店してみましょう。すると、店内はレトロで子供のころに当たり前のように存在したような食堂のイメージに似ています。

テーブルやいすも昭和の頃には食堂などで良く目にしたもので、懐かしさがこみあげてくる人も多いでしょう。そんな中、注文したラーメンが運ばれてくると、さらなる懐かしさがこみあげてくること間違いなし!

写真のように本当にシンプルな醤油ラーメン!これこそが王道のラーメンというものなのでしょうね。まずはスープを飲んでみるとあっさり醤油で身体にやさしい味!具も麺も今となっては非常に貴重となった定番もので、最近流行のラーメンと比較しても味も劣ること一切なし!誰もが納得のいく昭和懐かしい中華そばです!尚、営業時間が変則的で、基本的に平日の昼食時のみとなります。

ガード下はレトロ発見の必須ポイント!

ガード下はレトロ発見の必須ポイント!

写真:木村 優光

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山手線の東京駅と神田駅のちょうど中間地点に位置するガード下には「今川小路」という、いかにも昭和チックな名称の路地があります。近代開発が進む周辺エリアですが、忘れ去られたかのような存在のガード下を見るや否や、カルチャーショックは間違いなく感じるでしょう。

写真のようにガード下には大衆飲み屋が数件あるのですが、実際に営業されている店は半数以下!そんなところから時代の流れの中に山と谷があったことを伺わせる状態です。仮に営業している飲み屋があったとしても、初めてでは入りずらい雰囲気ですが、入店しなくともこの光景を見るだけでの訪問でも十分に価値があります。

ガード下はレトロ発見の必須ポイント!

写真:木村 優光

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東京駅の側近ともいえる大手町界隈にも、昭和チックなガード下は数多く存在します。写真は東京駅からも徒歩約10分の場所!大都会ではあるものの、これだけの光景を見ると、戦時中の東京を見ているかのようで、平成時代にいることを一瞬忘れてしまいます。

ガード下には高架線路を支える柱があり、地震などに耐えうるための斜材(ブレース)が柱間に施工されています。柱と斜材とを結ぶ接合剤の頭がむき出しとなっていて、さらなるレトロさを醸し出しています。

この工法をリベット接合と呼びますが、昭和初期には一般的な接合方法として、戦闘機をはじめとして、鉄道車両、橋、支柱など多くのものに使われました。今では目にする機会が激減しているため、一見の価値あり!

ガード下はレトロ発見の必須ポイント!

写真:木村 優光

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山手線のガード下は特に東京駅を中心としたエリアが特に昭和レトロのインパクトが強く、写真の有楽町駅銀座口付近もかなりカオスな高架下になっています。やはり柱や斜材の接合剤頭がむき出しの構造で、非常に歴史を感じさせます。

また、あまり目立たない場所であることから、写真のように落書きがされていることも多々!落書き自体、あまりよろしくない事象ですが、かえってこれがカオスさを醸し出しているといっても良いでしょう。

古代的建築の建物も必見!

古代的建築の建物も必見!

写真:木村 優光

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「三菱一号館美術館」は、千代田区の仲通り商店街沿いに位置する美術館!現在の建物はレプリカとして、元は洋風貸事務所建築として明治時代に建てられた、(旧)三菱一号館です。レプリカとは思えない出来に実際見ると驚くでしょう。

夜間は丸の内仲通りのおしゃれなライトアップと融合して、違和感なくレトロな雰囲気を醸し出しています。また、中庭へも自由に入ることができ、ベンチもあちこちに設置されているため、腰を下ろしてライトアップ夜景を眺めてみるのも良いでしょう。

古代的建築の建物も必見!

写真:木村 優光

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「三井記念美術館」は中央区の日本橋にほど近い場所に位置し、旧財閥三井家の伝来品を収蔵展示するために設立された私立美術館です。古代的な外観は日本橋周辺の建物と相まって、日本の中心であることを象徴しているかのようで、一見の価値あり!

夜間はもちろんのごとくライトアップされていて、豪華さは抜群!写真で見るより実物を見ると意外と巨大で、目の前にすると圧倒されます。写真を撮る場合は標準レンズでは収まりきれないので、広角レンズは必須!

古代的建築の建物も必見!

写真:木村 優光

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「明治生命館」は千代田区の皇居外苑側近にある建造物で、洋風の外観はもちろんのこと、5階のレベルにまで及ぶ石像の支柱は古代的な建造物に共通する建築工法!重厚さとレトロカラーを持ち合わせた雰囲気が、ゴージャスさを感じさせる建築物です。

夜間は写真のように支柱の影からライトアップされていて、さらなる古代的で豪華な外観は必見!この様子を日比谷通りを隔てた所から見ると、周囲の近代的なビルとは格が違うため、思わず見入ってしまいます。

全てのスポットは徒歩圏内!

今回紹介したレトロスポットですが、鉄道の駅で言うと遠くても2駅程度!したがって徒歩圏内でも十分対応できるため、都心のど真ん中の観光にはオススメできる内容です。レトロスポット目的のみの観光も良いですが、メジャーなスポットへの観光の際に立ち寄っても問題なし!

東京駅側近は高層ビルが林立するイメージを持った方が多いですが、今回紹介したレトロでカオスな東京を知ることで、東京のイメージが変わること間違いなし!なんでも新しい東京ではなく、昭和色の濃いスポットも残っているということです。

掲載内容は執筆時点のものです。 2009/02/21−2010/10/16 訪問

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