写真:やた 香歩里
地図を見るJR・銚子電鉄の銚子駅から徒歩5分のところに位置する妙福寺は、別名を「藤寺」とも呼ばれるほど、素晴らしい藤棚を有しています。本堂に向かって右手に位置する大きな藤は「臥龍の藤」と呼ばれ、妙福寺のみならず、銚子市の晩春のシンボルともいえる存在感を示しています。
写真:やた 香歩里
地図を見る妙福寺は、山号を「海上山」とする日蓮宗の寺院です。開創は鎌倉時代の1314年に遡り、700年以上の歴史を誇ります。もとは隣接する匝瑳市にあった真言宗の寺院でしたが、のちに日蓮宗に改宗し、当地に移りました。7000坪にも及ぶ敷地と、江戸時代の享保年間に造立された本堂、あの聖徳太子の作と伝わる「北辰妙見大菩薩像」などを有する、格式の高い名刹です。
写真:やた 香歩里
地図を見る臥龍の藤は「野田藤」という種類です。野田藤といえば大阪府福島区野田が名所として有名で、その名の発祥の地と言われていますが、こちらの臥龍の藤もやはり関西をルーツにしており、なんと、遠く京都御所から旅をしてきました。京の都から川を下って大坂へ、さらにはるばる海を越えてこの銚子の地に根付いたのです。
写真:やた 香歩里
地図を見るこの根元を見てください(この写真は花がつく前に撮影したものです)。根元の複雑にうねるような姿が龍を思わせることから、「臥龍の藤」という名がつけられました。確かに、龍がその大きな身をくねらせて、横たわっているようです。
一見、何本もの木が寄り集まっているように見えますが、これは1本の幹が複雑に枝分かれしたもの。この幹の根元が大地の力を花房に伝えて、7世紀を超えてなお、毎年見事な花を咲かせてくれるのです。
写真:やた 香歩里
地図を見る千葉県の天然記念物にも指定されている臥龍の藤。ピーク時には1.5メートルにも届く花房をつけます。東西に10メートル、南北に12メートルという大きな藤棚にいっぱいの花房が垂れる満開時の様は、まるで流れ落ちる紫の滝のようです。
写真:やた 香歩里
地図を見る境内には「臥龍の藤」のほかにも3つの藤棚があり、それぞれが、普通の庭園なら十分主役になるであろう見ごたえのある花を咲かせてくれます。
先述の「北辰妙見大菩薩像」をお祀りする妙見宮拝殿前には、白藤の藤棚があります。こちらは紫藤に比べると花房が短く、ふんわりと丸みのある、可愛らしい花を咲かせます。紫藤が滴るように咲くなら、白藤は藤棚からこぼれるように咲き、白い冠を思わせます。
写真:やた 香歩里
地図を見る大井戸の上にも美しい紫藤が。この付近の藤棚は、つつじや新緑とのコラボレーションも鮮やかです。藤の優しい紫とつつじの濃いピンク、とても華やかなグラデーションを見せてくれます。
写真:やた 香歩里
地図を見る大井戸のさらに奥にも、大きな紫藤の藤棚があり、こちらも花房の長い見事な藤が咲きます。
このように大きな藤棚が4つもある境内は、この時期には藤の甘く上品な香りが漂います。お寺のきりりと引き締まった空気の中の満開の藤はどこか気品があり、華やかな中にも厳粛な空気をまとっています。また、藤の開花時期にはライトアップも行われ、この時期だけの幻想的な姿を見ることができます。
住所:銚子市妙見町1465
電話番号:0479-22-0650
アクセス:JR銚子駅より徒歩約5分
〔藤まつりについて〕
妙福寺では、毎年5月の第一土・日曜日に藤まつり(千部会)が開催されています。お店も出てにぎわいますが、ただ藤を楽しむお祭りではありません。境内の妙見宮にて一千部もの御経を捧げ国家や家庭の安泰を祈願する、年に一度の妙見宮の大祭で、日曜日には御神輿出御も行われます。このほかにも、藤の開花期間中には茶会や演奏会などのイベントが実施されます。
藤の開花状況については、妙福寺公式サイトをご確認ください。下の関連MEMOにもリンクがあります。
※2019年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
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(2024/4/26更新)
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