徳島に泊まれる寺「坊主の宿」開業!!四国霊場二十二番札所「平等寺」

徳島に泊まれる寺「坊主の宿」開業!!四国霊場二十二番札所「平等寺」

更新日:2017/04/19 13:07

鮎川 キオラのプロフィール写真 鮎川 キオラ 子どもの好奇心を育てる旅育ライター、ホテル朝食研究家
お遍路さんへのお接待文化が残る四国・徳島県。徳島県内には四国八十八か所霊場中23ケ寺があります。その中のひとつ二十二番札所「平等寺」では、お遍路さんや一般の方も宿泊できる「坊主の宿」を開業!!修行を目的とした宿坊ではなく、一般の方も気軽に泊まれる民泊として1日3組限定で受け入れています。民泊といっても朝6時のお勤めや呼吸を整える瞑想などお寺ならではの体験もできます。

お釈迦様の誕生日2017年4月8日「坊主の宿」開業!!

お釈迦様の誕生日2017年4月8日「坊主の宿」開業!!

写真:鮎川 キオラ

地図を見る

四国八十八か所霊場中23ケ寺がある徳島県。徳島県阿南市にある霊場二十二番札所「平等寺」では、2017年、お釈迦様の誕生日でもある4月8日にユニークな宿泊施設を開業しました。その名も「坊主の宿」。

お寺に宿泊する宿坊には、大まかに修行のできるタイプ、宿泊先として気軽に利用できるタイプに分かれます。坊主の宿は、後者。一般の方も気軽に宿泊できるタイプです。でも、朝のお勤め参加や呼吸を整える瞑想など、ホテルや旅館では味わえない仏教文化を体験することができます。

四国霊場二十二番札所「平等寺」

四国霊場二十二番札所「平等寺」

写真:鮎川 キオラ

地図を見る

今より1200年ほど前となる弘仁5年(814年)、お大師さま(弘法大師空海)の願いによって建立された古刹「白水山平等寺」。四国八十八ヶ所霊場第二十二番札所として、毎年多くのお遍路さんが訪れるお寺です。

平等寺から次の札所までは10キロ以上ありますが、周辺には宿泊する旅館が1軒のみ。お遍路さんや徳島を訪れる旅行者にうれしい泊まれる寺「坊主の宿」の開業となります。

四国霊場二十二番札所「平等寺」

写真:鮎川 キオラ

地図を見る

「坊主の宿」は、単に泊まれる寺なだけではありません。海に面する徳島県沿岸には、かつて津波が到達した記録を残す句碑があります。ここ平等寺が位置する阿南市は、内陸部に位置するため想定される津波浸水域以外。このことから、平常時は民泊(有料)、災害時には避難所(無料)として利用される「シームレス民泊」と呼ばれる徳島県が推進する民泊事業の第1号施設なんです。なんとも頼もしく、ユニークな取り組みですね。

境内にある住職の住居「庫裏(くり)」に民泊

境内にある住職の住居「庫裏(くり)」に民泊

写真:鮎川 キオラ

地図を見る

宿泊する施設は、境内に併設された「庫裏(くり)」。ここは、住職とご家族も暮らす住居となります。入口を開けるとお線香のとても良い香りが漂っています。心を癒すお線香の香りもお寺に泊まる魅力のひとつですね。

境内にある住職の住居「庫裏(くり)」に民泊

写真:鮎川 キオラ

宿泊する「庫裏(くり)」は、見た目は純和風ですが、鉄筋コンクリート造りとなります。1日3組(3部屋)限定。うれしいことに無料Wi-Fiが完備!!海外からのお客様も多くなり、公共施設としてネット環境を整えるおもてなしとしてWi-Fiスポットを設置しているそうです。

境内にある住職の住居「庫裏(くり)」に民泊

写真:鮎川 キオラ

宿泊スタイルは、素泊まり、夕食のみ、朝食のみ、2食付と予算と旅行プランによって選ぶことができます。周辺には食事処も少ないので、食事付のプランをおすすめします。

徳島県は、海の幸、山の幸に恵まれた食材の宝庫。地元産のお野菜や海産物を使用したおいしい家庭料理をいただくことができます。

心が清められる朝のお勤めは貴重な体験

心が清められる朝のお勤めは貴重な体験

写真:鮎川 キオラ

地図を見る

坊主の宿では、自然豊かな環境と上品で優しいお線香の香りに包まれているからか身体が清められたような、心の荷を降ろして休んだような気分にさせてくれます。

毎朝6時から行われる朝のお勤めは、せっかくなのでぜひ参加しましょう。キラキラとした朝の陽ざしを全身に浴びることで活力も湧いてきます。

心が清められる朝のお勤めは貴重な体験

写真:鮎川 キオラ

坊主の宿は、修行を目的にしていないので朝のお勤めなどの体験は希望参加となります。住職さんと共に読経できなくてもご安心を。読経に耳を傾けながら、「ふーっ」と細く長く吐く息に集中することで気持ちを整えることができるそうです。

心が清められる朝のお勤めは貴重な体験

写真:鮎川 キオラ

境内には、お大師様が掘ったと伝えられる井戸から現在も水が湧き出しています。乳白色の水が湧き出たことから「白水の井戸」と呼ばれています。現在は、無色透明。万病に効く弘法の霊水として親しまれています。早朝に酌んだ水はご本尊にもお供えされます。本堂へ続く男坂の下に井戸があります。まろやかな口当たりのおいしい水ですので、目覚めの一杯として飲んでみてはいかがでしょうか。

「平等寺」は日本一やさしいお寺!!

「平等寺」は日本一やさしいお寺!!

写真:鮎川 キオラ

地図を見る

平等寺では本堂の改修完了に伴い、秘仏としていた本尊薬師如来を2016年1月より公開しました。平等寺は、バリアフリーのお寺でもあります。万病を治す薬師如来さまを参拝する方の中には、石段を登って本堂までお越しになるのが大変な方もいらっしゃるとか。そのため、山門からご本尊が見えるように設計されているんです。

「平等寺」は日本一やさしいお寺!!

提供元:徳島県

http://www.pref.tokushima.jp/

山門には薬師如来さまの御手と結ばれている綱があります。山門から小高い場所にある本堂へまっすくに伸びる綱は、参拝者の気持ちを考えてのこと。参拝者への気遣いが素敵な心やさしいお寺です。

もうひとつ平等寺へ訪れたらぜひ見逃さないでほしい景色があります。小高い丘の上に建つ本堂へ参りした後に振り返ると、ちょっとしたサプライズが!!眼下に広がる里山の中にこんもりとした木立のかたちをよく見るとお大師さまが横たわっているように見えるんです。偶然なのか、必然なのか、「いつも近くで見ている」とのお大師さまのパワーを感じる風景ですね。

気軽に泊まれる寺「坊主の宿」で非日常体験

坊主の宿で過ご俗世間と隔絶された特別な時間は、ホテルや旅館では味わえない非日常体験になることでしょう。朝のお勤め、瞑想体験、写経、護摩祈祷と日常とは異なる体験ができるのも魅力です(一部有料)。

朝のお勤めの後には、お遍路に関する法話が有ります。平等寺の気さくな副住職さんのお話は、面白くてわかりやすい。四国霊場巡りやお遍路文化について深く知るきっかけにもなると思います。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -