クリムトの『接吻』と記念のキスを…ウィーン・ベルヴェデーレ宮殿

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クリムトの『接吻』と記念のキスを…ウィーン・ベルヴェデーレ宮殿

クリムトの『接吻』と記念のキスを…ウィーン・ベルヴェデーレ宮殿

更新日:2017/04/14 11:52

ゐさ よりんのプロフィール写真 ゐさ よりん ライター、調査研究員(補)

ウィーン旧市街の南東部にある、壮麗なバロック様式の宮殿、ベルヴェデーレ宮殿。上宮と下宮、庭園で構成された宮殿は、かつては夏の離宮、現在は傑作『接吻』を筆頭に、クリムトの作品を世界で最も多くコレクションしている、ウィーンで第2の規模を誇る美術館です。金色に輝く『接吻』と膨大なコレクションが、訪れる人をウィーンが築いた美の世界に招き入れます。

ウィーンの英雄が築いたバロック芸術の集合体

写真:ゐさ よりん

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ウィーン旧市街周辺の観光スポットで人気の高い、旧市街南東部のベルヴェデーレ宮殿(Schloss Belvedere)。建築史上の傑作のひとつにも数えられる、豪華絢爛な宮殿は、17世紀を中心にヨーロッパで広く用いられた「バロック様式」の建築物です。

18世紀前半に、外国の侵略からウィーンを守った英雄、オイゲン公が、当時のハプスブルク家に仕えていた建築家、ヨーハン・ルーカス・フォン・ヒルデブラントの設計により、夏の離宮(避暑地として使うための別荘)として築きました。

写真:ゐさ よりん

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上宮と下宮に分かれた二つの建物、庭園のある宮殿は、現在、美術史美術館に次いで第2の規模を誇る巨大な美術館「Osterreichische Galerie Belvedere」になっています。EU圏の共通通貨「ユーロ(オーストリアでは「オイロ」と発音する)」は、単位は共通でも硬貨の裏面は国ごとにデザインが異なりますが、オーストリアでは20セント硬貨の裏面に、このベルヴェデーレ宮殿の外観を彫っています。

ちなみに、「ベルヴェデーレ(Belvedere)」とは、ラテン語で「美しい眺め」という意味を表すことば。高台にある上宮の窓よりウィーン旧市街の美しい街並みを一望できることから、その名を付けたとされています。

窓からの眺望だけでなく、大理石の広間の天井に描かれたフレスコ画や、下宮の「グロテスクの広間(全く「グロテスク」ではありません!)」など、バロック様式の建物そのものも、端から端まで「美しい眺め」ばかり。作品を鑑賞する合間に、是非、その「美しい眺め」も実体験して下さい。

世界最大のクリムト・コレクション

写真:ゐさ よりん

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美術館では、オーストリアの中世〜近現代の傑作とされる作品を数多く所蔵・展示しています。最も有名なものは、オーストリア現代美術の「巨匠」とされる4人のうちの一人、グスタフ・クリムトの傑作『接吻』。日本画の影響も受けたとされる、金箔を多用したこの作品は、ベルヴェデーレ宮殿のシンボルのような存在です。

作品自体は写真撮影禁止ですが、作品の近くに、『接吻』のレプリカを置いた「Selfie Point」、記念写真撮影スポットが設けられています。『接吻』にキスをするポーズを取った写真が上手く撮れたら、クリムトを超える(自分だけの)傑作になるかも!?

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この『接吻』のほかにも、ベルヴェデーレ宮殿は、20点以上に及ぶ、世界最大のクリムト・コレクションを有しています。作品以外にも、ベルヴェデーレ宮殿にはクリムトに関連するものがあちらこちらに。宮殿専用のワゴン車には旧約聖書を題材にした有名な作品『ユディトI』が描かれています。

上宮では、クリムト以外にも、同じくオーストリア生まれの現代画家、エゴン・シーレのコレクションでも「アルベルティーナ」と並んで世界最大規模を誇ります。他、フランスの画家、ジャック=ルイ・ダヴィッドの『サン=ベルナール峠のナポレオン』、ウィーン・ビーダーマイヤー時代の絵画、建物と同じバロック美術などなど、数多くの近現代美術作品を展示しています。宮殿の主だったオイゲン公の肖像画も展示されていますよ。どんな姿かたちの人であったかは……是非、宮殿を訪れて、ご自身の目で確かめて下さい。

写真:ゐさ よりん

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カフェやレストラン、ミュージアムショップもあります。1階のフロアに直結するミュージアムショップでは、『接吻』を表紙にしたガイドブックを販売。嬉しいことに、日本語版もありますよ。

上宮と下宮を結ぶ庭園

写真:ゐさ よりん

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上宮からウィーン旧市街を見るとき、手前には庭園が見えます。この庭園も、宮殿の一部。庭園を挟んで、上宮と、中世の美術を多く展示する下宮があります。庭園だけなら、無料で入園できるので、普段はウィーンっ子の憩いの場になっています。全長3kmもの迷路庭園、アルプスの植物を育てているアルペン庭園 (Alpengarten)など、庭園も見どころ満載。上宮から下宮へ、優雅な気持ちで庭園の散策を楽しみながら移動しましょう。

中世美術と光を散りばめたオイゲン公の居住空間、下宮

写真:ゐさ よりん

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上宮より低い位置にある下宮は、もとは、オイゲン公の居住空間として、上宮より先に建てられたものです。外観は上宮と比べると少々落ち着いていますが、中はやはり豪華絢爛。特に、壁を鏡で覆いつくした、数多の光がきらめくような鏡の間の豪華さは必見です。

鏡の間の奥に展示されている中世の絵画は、ルネサンス期以降の作品と比べると、キリスト教を題材にした宗教画が大半を占めており、素朴な中に力強さが感じられます。

本物の『接吻』と世界最大のコレクションをゴシックの宮殿で

見どころいっぱいのウィーンで、特に人気の高いベルヴェデーレ宮殿。旧市街地からは歩いて行くことが出来るほど近く、ケルントナー通りからトラム「D」に乗れば5分ほどで入口前の停留所へ着いてしまいます。車内アナウンスで「Schloss Belvedere」と流れてから下車すれば、本物の『接吻』に出逢える瞬間はもうすぐです。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/02/08 訪問

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