写真:乾口 達司
地図を見る氷室神社は奈良市内にある神社。奈良公園に隣接する地に鎮座しています。その創建は奈良時代。710年(和銅3)、元明天皇の勅命により、真冬に作られた氷を宮中に献上する制度(献氷)がはじめられました。氷室神社は、その名の通り、献上用の氷を備蓄する「氷室」にちなんでおり、860年(貞観2)、現在の地に奉遷されています。
氷を宮中に献上する制度は平安時代に入ると廃止されますが、近代になって復活。現在の「献氷祭」は全国各地から製氷・販売業者が参列し、業績の向上を祈願するものへと様変わりしています。開催日は毎年5月1日。かき氷をはじめ、氷が本格的に販売されるこの時期にとりおこなわれるという点に、現代の献氷祭ならではの特色があります。
写真は、献氷祭の当日、境内に張り出された巨大な幕。「氷」という文字が圧倒的な迫力で迫って来ますよ。
写真:乾口 達司
地図を見る 氷室神社の祭神は闘鶏稲置大山主命(ツゲノイナギオオヤマヌシノミコト)・大鷦鷯命(オオササギノミコト)・額田大仲彦命(カタノオオナカツヒコノミコト)ですが、一般には全国でも珍しい氷の神さまとして知られています。
献氷祭の当日は、祭神のまつられている本殿(奈良市指定文化財)の両脇にもご覧のような幟がかけられます。
写真:乾口 達司
地図を見るなかでも、注目していただきたいのは、こちらの写真。神前には巨大な氷柱2基つが奉納されています。これらは京都市東山区の製氷会社「荒川氷室」が製造し、大阪氷卸協同組合と大阪府氷雪販売業生活衛生同業組合が奉納したものですが、何と氷柱のなかには、鯉と鯛まで閉じ込められているではありませんか!あたかも氷柱のなかを鯉や鯛が泳いでいるようですが、さすがは氷のお祭りだけのことはありますよね。
写真:乾口 達司
地図を見る氷室神社には、かつて南都流の舞楽が伝承されていました。その伝統を受け継ぎ、献氷祭では舞楽も奉納されます。
写真は舞楽の演目のなかでももっとも良く知られる「蘭陵王(らんりょうおう)」。北斉の王族で絶世の美男子といわれた高長恭を主人公にした演目で、士気を鼓舞するため、高長恭があえて龍の面をつけて全軍を指揮し、勝利をおさめたエピソードにちなんでいます。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらは「納曽利(なそり)」。龍が天に昇っていくさまを表した演目です。
奈良でも数々の舞楽を間近で見られるのは、春日大社若宮社の祭礼である「おん祭り」と氷室神社でとりおこなわれる献氷祭および「夕座神楽」のときのみ。是非、ご覧ください。
写真:乾口 達司
地図を見る献氷祭にちなみ、境内にも氷柱が点々と置かれています。初夏を感じさせる季節だけあり、見ているだけでも涼しい気分を味わえますよ。
写真:乾口 達司
地図を見る境内では、かき氷の無料頒布もおこなわれます。かき氷をいただきながら、献氷祭を拝観すると、よりいっそう涼しく感じられること、請け合いです。
写真:乾口 達司
地図を見る神前の脇には、御所車も展示されています。こちらも製氷業者や氏子から奉納されたもの。珍しいものゆえ、こちらもあわせてご覧ください。
氷室神社の献氷祭、いかがでしたか?ゴールデンウィークの真っ只中にとりおこなわれる祭礼でありながら、混雑するほどの参拝者が訪れることもないため、祭礼の数々をゆっくりご覧いただけますよ。氷室神社の献氷祭に参列し、涼しい気分を味わってください。
2023年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/28更新)
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