全国でも珍しい・40体の磨崖仏から貰う800年のパワー!三重県津市

全国でも珍しい・40体の磨崖仏から貰う800年のパワー!三重県津市

更新日:2013/12/11 16:00

Ise Shinkurouのプロフィール写真 Ise Shinkurou
かつて京都方面から伊勢に向かう人々で賑わった伊勢別街道。東海道の宿場町「関宿」から少し南に位置する街道沿いに「石山観音公園」という山全体が石で出来ている公園があります。ここには鎌倉中期以降に彫られた40体もの磨崖仏群があり、これだけ多くの磨崖仏が集まるのは全国的にも珍しいのでは無いでしょうか?800年もの間、風雨にさらされ今もなお立ち続ける磨崖仏。その不動のパワーを頂く旅の御紹介です。

時の流れを感じさせてくれる約40体の磨崖仏

時の流れを感じさせてくれる約40体の磨崖仏

写真:Ise Shinkurou

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石山観音公園には、江戸時代以前から「真言宗寺院・浄蓮寺」の別院があったとされていますが、残念ながら資料が少なく、あまりくわしく解明されていません。

しかし約1.5kmの山は大きな一つの岩から出来ており、現在は石山と呼ばれる公園として整備されています。

何より素晴らしいのはこの山全体に約40体の磨崖仏・石仏が現存している事。これだけの数が揃うのは全国的にも珍しく、特に大型のものは、その作風から鎌倉中期の作と言われ、約5mもの高さがあります。

そしてこれらの磨崖仏と石仏の苔むした姿は、人の手により彫られたとは思えないほど、山の自然と上手く調和しています。木々に囲まれた美しい磨崖仏を廻っていると、現実離れした別の世界を歩いているよう。

また40体の磨崖仏とは別に、江戸時代に流行した西国三十三カ所詣りにちなんだ観音像も多く残り、まるで山全体が磨崖仏・仏像で出来ているような錯覚を起こしてしまう程。

風化が激しい観音像

風化が激しい観音像

写真:Ise Shinkurou

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写真は「聖観音菩薩立像」(県指定文化財)ですが、石質の脆さのため顔面の風化が激しく、表情はあまりはっきりとしません。ですが、その風化の状態がかえって年代を感じさせてくれるので、私のお気に入りの磨崖仏の一つです。

静かな山の中、うっそうとした木々に守られ立つ姿。そして磨崖仏全体から醸(かも)し出される、800年の風雨にも負けない不動のパワー。このパワーを受ければ日常の小さな悩みが全て心から弾き出されますよ。皆さんに是非お勧めしたい癒しの場所です。

そして山にある磨崖仏と石仏は、彫られた年代により少しずつ顔が違うので、とても興味深く散策出来ます。それらを愉しみながら山道を歩くといよいよ「馬の背」と呼ばれる頂上です。

石山の表情を色濃く見せる「馬の背」

石山の表情を色濃く見せる「馬の背」

写真:Ise Shinkurou

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登り始めて約30分で馬の背と呼ばれる頂上です。さすがにここまで来ると木もまばらになり、いかにも石山らしい雰囲気。やはり山全体が石だったのだと納得させられました。

そしてここに登るまでに見た磨崖仏は、木々に守られ、自然の中に溶け込んだ姿でした。しかし山頂が近づくと山肌がむき出しになり、磨崖仏も直接太陽に照らされます。太陽の下の磨崖仏は明るく輝き、表情も生き生きとして見え、見る者の心まで明るくしてくれるから不思議ですね。

石仏の前で一休みしていると、さわやかな風が疲れた体と心を癒してくれます。

山を下りてからの隠れスポット

山を下りてからの隠れスポット

写真:Ise Shinkurou

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そして「石山観音公園」には是非お勧めしたいもう一つの隠れスポットがあります。それは公園の駐車場のそばを流れる小川沿いに彫られた磨崖仏。

駐車場の奥にある階段を小川まで降り、右手を覗くようにご覧ください。岩肌にとっても素敵な磨崖地蔵と梵字(ぼんじ)を見る事が出来ます。こんなに人目に付きにくい場所にどうして?と思われるかもしれません。きっとここも昔は寺の一部だったのでしょうね。

右手の岩肌に彫られた地蔵菩薩は、ふくよかで厚みのある耳を持ち、とても優しい表情をしています。いつも必ず立ち寄りますが、「またおいで」と声をかけられた気がして、優しい気持ちで帰路に着けます。

まとめ

旧東海道の宿場町「関宿」から車で5分程の場所にある磨崖仏スポット「石山観音公園」。ここは全国的にも珍しい40体の磨崖仏・石仏を楽しむ事が出来る地元民お勧めの穴場スポットです。800年の風雨に晒されながら立っている姿からは何事にも負けない不動のパワーを貰えます。日々の煩雑な日常から離れてリフレッシュ出来る磨崖仏スポットにいらっしゃいませんか?

公園内には滑りやすい石道・岩肌もありますので、お出かけの際は滑りにくい靴でお登りくださいね。
そしてここにはあまり急な坂道は無いので、ペットと一緒に愉しんで頂く事も出来ます。ペット同伴の方は岩肌から馬の背へは登らず散策道を通って行かれると便利かと思います。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2013/10/28 訪問

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