チェコ・ボヘミアガラスを間近で見学&体験!工房「アヤェト・リンダヴァ」

チェコ・ボヘミアガラスを間近で見学&体験!工房「アヤェト・リンダヴァ」

更新日:2017/04/11 17:32

浅井 みら野のプロフィール写真 浅井 みら野 総合旅行業務取扱管理者、全国通訳案内士(英語)、世界遺産検定2級、JSBA スノーボード バッジテスト 1級
チェコの伝統工芸、ボヘミアガラス。13世紀にヴェネチアから伝わり、独自の装飾技術が発達し、世界から高く評価されています。チェコ西部ボヘミア地方に工房が集中していますが、そのなかのひとつ、アヤェトは伝統的な工芸品だけでなく、新たなデザインも果敢に取り入れるメーカー。素朴さが漂うリンダヴァ村の工房では、間近で職人の技を見られるツアーや、自分でコップをつくれる体験もあり、多くの人が訪れているんですよ。

田舎だったリンダヴァ村が世界中から注目を浴びることに

450人ほどの人が暮らすリンダヴァ村があるのは、首都プラハから北へ100qほど北上したところ。周辺は森林や草原に囲まれ、草木を揺らす風が爽やかに感じられる一帯です。ここに工房を開いたのがガラスメーカー「アヤェト(AJETO)」。1994年にオープンして以来、チェコ人でさえも知らなかった村に観光客だけでなく、世界中からデザイナーやアートディレクターが訪れるようになりました。

リンダヴァ村にあるアヤェトの工房、通称「アヤェト・リンダヴァ(AJETO LINDAVA)」で親しまれているこちらでは、ボヘミアガラスの魅力を知ってもらおうと工房を巡る見学ツアーが開かれています。ガラスの原料が置かれた倉庫は、普段見られない珍しい場所。一見同じ色に見えますが、加熱後の色で区分けされています。

田舎だったリンダヴァ村が世界中から注目を浴びることに

写真:浅井 みら野

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田舎だったリンダヴァ村が世界中から注目を浴びることに

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水分がたっぷり含まれた部屋に置かれた、棚いっぱいのガラスの型。それぞれの商品名が彫られ、乾燥しないように保管されています。型の種類や数が多いほど、この工房でつくられている商品が多い証拠。型のなかを見ることもでき、つるりとした表面や波打つ模様など、デザインの豊かさに驚きです。

田舎だったリンダヴァ村が世界中から注目を浴びることに

写真:浅井 みら野

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工房内は見学者とスタッフの間で特に境界線が張られていないので、興味がある場所にどんどん見学できるのが、こちらの魅力。職人さんの普段の作業中の様子も見ることができます。見学ツアーは入場料だけ支払い自分たちでまわるタイプと、ガイド(有料)をつけてまわるタイプから選びます。

熱や勢い…その場の空気を全身で体感

熱や勢い…その場の空気を全身で体感

写真:浅井 みら野

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ガラス工房といえば、高温の溶解炉で作業するシーンを思い浮かべる人も多いはず。見学ツアー最後に訪れる溶解炉では、十数人の職人さんが溶けて柔らかくなったガラスに手を加えている姿を目の前で見ることができます。職人になるためには専門学校で学び、その後も工房ではまだ見習い扱いに。実際に1つの商品をつくれるようになるには10年から15年以上かかると聞き、技術の難しさにため息がこぼれます。

熱や勢い…その場の空気を全身で体感

写真:浅井 みら野

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溶解炉の温度は1200度以上。ある程度離れているとはいえ、見ているだけで熱風が顔に当たり、現場の臨場感が伝わってきますよ。3-4チームに分かれ、それぞれ担当する商品を作り続けるため、あちらこちらで様になる瞬間を楽しめます。

熱や勢い…その場の空気を全身で体感

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事前に見学したガラスの型が実際に使われている様子が見られることも。ガラスができあがるまでの流れを一貫して見られるのが嬉しいですね。

次は自分の番…!?

次は自分の番…!?

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工房を見学し終わったら、自分もつくってみたいと思う人もいるはず…。そんな時は、工房の横にある、レンガ造りが可愛らしい建物へ行ってみましょう。そこでは一般の人でも簡単なガラスづくりの体験プログラムを受けることができます。

ビアジョッキや花瓶など作りたいものを決めたら、次は色やデザインも。決められたデザインから選ぶのではなく、全て自分で決められる自由さも魅力のひとつです。あまりにも色やデザインも多く、悩んでしまうひとも多いほど。自分好みになればなるほど、素敵な旅の思い出になりますね。

次は自分の番…!?

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今回は、ビール大国チェコに関連してビアジョッキを選択。吹いてガラスを大きくするところも自分で行います。全然未経験な人でも、熟練スタッフが傍でフォローしてくれるので、安心して行うことができます。

次は自分の番…!?

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ある程度の大きさになったら、型へガラスを入れて形を整えます。風船のような柔らかなガラスが、型に入り冷やされると一気にビアジョッキの形状へ。その後、冷却すること2時間で完成します。その間は同じ建物内で食事をとったり、お土産屋さんを覗いたり、天気が良ければ周辺を散歩したりするのがおすすめです。時間が限られている場合は、体験をしてから工房を見学することもできますよ。

工房以外にもゆっくり時間を過ごしたいおすすめな場所

工房以外にもゆっくり時間を過ごしたいおすすめな場所

写真:浅井 みら野

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体験プログラムと同じ建物内にあるレストラン「スクラスカー カルチュマ(Sklarska krcma)」は、チェコ語で“ガラスの居酒屋”という意味。チェコの伝統的な料理を食べられ、一休みにおすすめ。夏はオープンテラスもあり、開放感たっぷりな状態で、食事を楽しむことができます。

工房以外にもゆっくり時間を過ごしたいおすすめな場所

写真:浅井 みら野

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レストラン横には、こちらの工房で作られたガラスのお土産屋さんも。実用使いのコップから、可愛い動物が模った置物など。色鮮やかなガラス商品は見ているだけでも、心がうきうきしてきます。渡航中の破損が怖い場合も、小石のような丸みが可愛らしいペーパーウェイトなどであれば、持ち運びも簡単ですよ。

天気が良い日は最後にガラス巡りの散歩はいかが?

天気が良い日は最後にガラス巡りの散歩はいかが?

写真:浅井 みら野

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敷地内の庭も、時間の許す限り散策したいエリア。池の中央にある浮島には、ガラスでつくられた植物のオブジェが飾られているなど、まるで美術館のような雰囲気です。他にも池周辺を散策すれば、色鮮やかなアート作品に遭遇することも。香港やドバイなど世界中のラグジュアリーホテルのインテリアに関わりがある、ここならではの遊び心と技術の高さが感じられます。

アヤェト・リンダヴァへの行き方

プラハから、リンダヴァ村のすぐ近くにある町“ノヴィー・ボル(Novy Bor)”までは、短い間隔で高速バスが出ています。ノヴィー・ボルからリンダヴァまではタクシーがおすすめ。事前に工房に連絡をすれば、その時の状況次第で送迎をアレンジしてくれることも。ホームページに連絡先が載っていますので、ぜひご参考ください。

気温が高くなる午後は作業をしないため、見学時間も平日午前8時から午後1時まで。ボヘミアガラスの世界にどっぷり浸かれ、職人さんの無駄のない手さばきを間近で見学できる、ものづくりの楽しさがたっぷり詰まった工房です。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/12/16 訪問

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