金峰山を本拠地として修業した役行者(えんのぎょうしゃ)が、白鳳時代(7世紀後半)にお堂を祀ったのが、金峰山寺蔵王堂の始まりとされ、修験道の聖地。修験道とは、日本古来の山岳宗教に神道、道教、仏教が混合して成立した神仏習合の宗教。平安時代になると数多くの天皇・上皇が参拝しました。天正20(1592)年に再建された蔵王堂は、国宝で東大寺大仏殿に次ぐ木造の大きさの建築。
2004年に、金峯山寺蔵王堂は「紀伊山地の霊場と参詣道」の一つとして、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。
現代においても、多くの僧侶、修験者(山伏)が、山中を駆け巡る「大峯奥駈修行」をはじめとした厳しい修行をしています。修験道の宿坊の一つで、大和三庭園の群芳園で有名な竹林院の護摩堂には、正面の額のところに修験者の山伏姿の烏天狗がいます。
吉野の山道をハイキングしていると、ほら貝の音が聴こえてきます。耳をすましてみることも、おすすめですよ。
「国宝仁王門大修理勧進 日本最大 秘仏本尊 特別ご開帳」が、2012年から10年間行われています。これは、国宝の仁王門の修理のために秘仏の蔵王権現立像三体を特別に拝観できる貴重な機会です。1年のうち春と秋に行われており、2017年春は4月1日から5月7日。
蔵王堂のご本尊は、天正18年(1591年)造立。三体がそれぞれ弥勒菩薩(未来)、釈迦如来(過去)、千手観音(現世)の仮のお姿で、高さは中央の釈迦如来像が7.28mあり、両脇の像もそれぞれ6m前後。仮のお姿ですから、眉をつりあげて牙のある憤怒の表情、迫力がいっぱい!振り上げた右手は三鈷杵を持ち、右足も蹴り上げ、天と地の悪霊を追い払い、左手で煩悩を払い、左足は台地を踏みしめています。過去・現在・未来にわたって救済してくださいます。
青色の肌は仏様の慈悲を表す色ですが、秘仏のため400年以上前の色が鮮やか!それぞれの扉の蓮の花も色鮮やかに残っています。
拝観する際には、障子で囲まれた個別のブースがあり、参拝者が一人で心静かにお参りできるようになっています。ミニ木札とエコバックもいただくことができます。
特別拝観料:1000円(2017年4月現在)
金峰山寺の門前には、吉野特産の「柿の葉寿司」、吉野葛をつかった「くずきり」「葛そうめん」などのお店が並んでいます。お土産におすすめなのが、葛菓子。可愛くて、口の中でとけてしまう上品なお菓子です。
特に驚くのが、この薬屋。「陀羅尼助(だらにすけ)」は、仏教用語からきている名前。役行者が製法を伝え、1300年前から山の薬草から作られる秘伝の漢方薬で、腹痛だけでなく万病に効くそうです。
ご紹介した金峯山寺蔵王堂の蔵王権現立像は、長らく秘仏でしたから、400年以上前の造立時の青い色が鮮やかに残っています。吉野は桜の他にも、みるべき所が多い国内有数の観光地です。この秘仏特別ご開帳の時期にでかければ、その魅力は倍増します
ぜひ、特別公開時期を確認してから出かけましょう!
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