初の夜間延長公開も!京都迎賓館で国賓の気分にひたってみる!!

初の夜間延長公開も!京都迎賓館で国賓の気分にひたってみる!!

更新日:2017/03/30 17:26

菊原 朝香のプロフィール写真 菊原 朝香 モデル、美肌温泉家、食べ歩きトラベラー、歴女
日本の歴史と文化の象徴である京都で、海外の賓客(ひんきゃく)をおもてなしするために建てられた京都迎賓館。赤坂にある迎賓館赤坂離宮とともに海外からの国賓・公賓を接遇(せつぐう)する場として存在しており、普段は一般の国民にはあまり親しみのない場所ですよね。そんな一般人には雲の上のような場所ですが、実は一般公開していることを知っていましたか?さらにこのたび初の夜間延長公開することにもなったんです!

日本の伝統技術の集合ともいえる京都迎賓館

日本の伝統技術の集合ともいえる京都迎賓館

写真:菊原 朝香

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京都御苑の敷地内にある京都迎賓館は、2005年(平成17)に開館という意外に最近建てられた施設です。しかしその設計は長い歴史で培われた日本建築の伝統の粋や美しさ、そして強靭な現代の建築技術との融合を目的とした「現代和風の創造」という素晴らしいもの。それらを随所で感じることができます。

外観は周囲に築地塀(ついじべい)を巡らせており、入母屋造り(いりもやづくり)などの日本の伝統建築の粋を組み合わせ、さらに用途に応じた技術を用いて作られました。そしてその軸となるのは千利休が生み出した数寄屋造り(すきやづくり)。

日本の伝統技術の集合ともいえる京都迎賓館

写真:菊原 朝香

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主な見どころは「正面玄関」「聚楽の間」「夕映えの間」「藤の間」「桐の間」「庭園」。西陣織や蒔絵、螺鈿細工、截金(きりかね)など、様々な伝統技術をいたるところで見ることができます。

日本の伝統技術の集合ともいえる京都迎賓館

写真:菊原 朝香

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正面玄関を入った時に香るお香の香りや生け花、聚楽の間の釘隠しの「千代結び」や桐の間の「掘りごたつ」など些細なところに日本のおもてなしの心を読み取ることができます。ロビーに当たる聚楽の間の安楽椅子などは普通の椅子よりも幅が広く、それは日本人よりも体格の大きな方が多い海外の賓客を気遣って作られたもの。背もたれと座る部分に張ってある生地は西陣織です。

おもてなしの粋を極めた京都迎賓館

おもてなしの粋を極めた京都迎賓館

写真:菊原 朝香

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生け花など流派のあるものは、日本の数あるすべての流派と相談し、流派ごとに順番にその季節にあった花を生けたものを正面玄関などに飾っているそう。額なども、今まで飾られていなかった作品が初公開されることもあります。どの作家も人間国宝などその分野では最高峰の方ばかり。

おもてなしの粋を極めた京都迎賓館

写真:菊原 朝香

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この桐の間一つとってもとてもたくさんの伝統技術が隠されています。たとえば畳。「中継ぎ表(なかつぎおもて)」という伝統技法が使われています。よく見ると畳の中央部分が帯状に色が濃くなっており、それがその「中継ぎ表」を施された部分。京都迎賓館建設当時この技術を持った職人は日本に一人しかおらず、後継者がいないため途絶えてしまう危機にありました。しかし京都迎賓館でこの技法を採用されたために何人かの職人にその技法を伝えることができました。つまり京都迎賓館は伝統継承という素晴らしい側面も持っていることになるのです。

京都迎賓館初の夜間延長公開にあたって一番の撮影ポイントは?

京都迎賓館初の夜間延長公開にあたって一番の撮影ポイントは?

写真:菊原 朝香

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夜間延長公開を開催することになったのは、実際に賓客が京都迎賓館を訪れるのは日が落ちてからということが多いためだそう。実際に賓客が訪れる時間帯の京都迎賓館がどういう雰囲気なのかを知ってほしいという思いがあって今回開催が決まりました。

京都迎賓館初の夜間延長公開にあたって一番の撮影ポイントは?

写真:菊原 朝香

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なんといってもやはり夜間の見どころイチオシは廊橋(ろうきょう)から眺める庭園。幽玄な美しさです。迎賓館赤坂離宮は建物自体をライトアップするという形での夜間公開だそうですが、京都迎賓館は内なる明かりから醸し出される優美さをそのまま手を加えることなく見せてくれます。360°どこから見てもその美しく、どこをファインダーで切り取っても素晴らしい写真が撮れますよ。

北側の池には錦鯉が放たれており、明かりで寄ってくる鯉たちに餌をあげながら賓客たちはその美しさに喜ばれるそうです。またこの中には新潟・中越地震で被災した錦鯉の産地・山古志村から避難してきた鯉もたくさんいるとのこと。そんな思いやりが隠されてもいるんです。

京都迎賓館初の夜間延長公開にあたって一番の撮影ポイントは?

写真:菊原 朝香

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賓客は和舟(わせん)に乗って庭を鑑賞することもできます。ただ賓客は夜到着、朝には出立しまうので、朝に乗るこの和舟にはなかなか乗れる賓客はいないそう。今まで6回しか使われてないそうです。ちなみにそのうち1回は、2011年に新婚旅行で訪日されたブータン国王夫妻です。その時の様子を撮影した写真も飾られていますよ。

京都迎賓館の一般公開・夜間延長公開に行くには?

京都迎賓館の一般公開・夜間延長公開に行くには?

写真:菊原 朝香

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昨年2016年7月から始まった一般公開ですが、基本的に賓客の接遇に支障がない時のみ行われます。なのでもともと不定期開催なのに、さらに急に公開が決まったり、逆に中止になることもあるそうです。毎週水曜休館なので期間中でも水曜は休館(祝日はのぞく)になります。

入館したら何時まででもいることは可能です。しかし休憩する場所や腰かけられる場所などはまったくないのでそれを考慮して入館申し込みを。大体の目安としては、所要時間は30分〜1時間ほどです。夜間延長公開に行く方は京都御苑は明かりがないため懐中電灯など明かりを持参することオススメします。

京都迎賓館の一般公開・夜間延長公開に行くには?

写真:菊原 朝香

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一般公開・夜間延長公開ともに、年齢制限は中学生以上で、参観料金は大人1,000円、中高生500円(年齢がわかるもの必携)。入場方法は事前申し込み(最大19人まで)と当日整理券(1人4枚まで)の2種類です。

事前申し込みはネットのみですので、ページ最後の関連メモに記載されているURLから開催日時を確認して、それぞれ希望日時や人数など必要事項を記載して申し込んでくださいね。ちなみに期間中の日の入り予定時刻は18:40ですよ。

夜間延長公開に関しては期間が限定されており、2017年4月28日(金)〜5月4日(日)の10:00〜20:00(19:20受付終了)に開催となります。事前申し込み期間は4月分は2017年3月28日(火)〜4月2日(日)、5月分は4月4日(火)〜9日(日)です。定員を超える申し込みがあった場合には抽選となります。申込結果は4月分は4月5日(水)、5月分は4月12日(水)に通知されます。

京都迎賓館の一般公開・夜間延長公開に行くには?

写真:菊原 朝香

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参観方式は、自由参観方式とガイドツアー方式と2種類ありますが、現在は一般公開・夜間延長公開ともに自由参観方式のみです。その代わり数に限りがありますが、希望者には音声ガイド機(200円)を貸し出しています。せっかくなかなかない文化や伝統に触れられる機会ですので、ぜひとも借りてさらにみなさんに造詣を深めていただけたらと思います。またカメラ撮影も可能ですから、ぜひカメラのご持参も!

評判次第では今後も行われる予定の京都迎賓館の夜間延長公開

京都迎賓館、いかがでしたか?普段はなかなか触れることができない世界を覗くことができるのはわくわくします。夜間の明かりに演出された荘厳な京都迎賓館はため息が出るほど美しいですよ。みなさんからの評判次第で、迎賓館赤坂離宮のように今後も夜間延長公開を行うことを考えているそうです。こういうところで日本国は世界の国賓・公賓をお迎えしているんだということを知っておくのも日本人として大切なことかもしれませんね。日本人であることを誇りに思えるような素晴らしい伝統の数々に会いに、ぜひ京都迎賓館へ行ってみましょう!

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/03/28 訪問

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