南千住は観光地としては有名ではありませんが、漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のキャラクターである本田速人の出身地ということもあり、ランドマークのガスタンクの風景は結構有名ですよね。
もうひとつ、南千住を有名にしているのが南千住駅に隣接している「隅田川駅」の存在です。これは貨物列車の駅の名前で、ここを拠点に北及び東方面に貨物列車が発着する一大ターミナルになっています。
この何十本もの線路とそこを行き交う貨物列車を見るため、この南千住駅南に位置する欄干は電車マニアの写真スポットになっているのです。こういった観光地ではないのだけれど産業そのものが人惹きつけるスポットが多いのが南千住の特徴です。これから紹介する「科学技術展示館」もそんなスポットのひとつです。
さて「科学技術展示館」とはいったいなんぞや?という話なのですが、種を明かすと、かつて日本の高等専門学校で唯一航空工学科を持ち「航空高専」として名を馳せた現「都立産業技術高等専門学校」の中にあるギャラリーをそう呼んでいるのです。
置くの屋上にレーダーのある警視庁の建物みたいなのが校舎で、手前右の建物が「科学技術館」です。
「科学技術展示館」では生徒たちが教材として利活用してきた技術史的に価値のある航空機を展示をしているのですが、見ての通り、小さな空間に航空機がぎっしりと詰め込まれている様子は圧巻ですね!これだけの小型飛行機を一度に目にする機会はあまりないのではないでしょうか。
これらの航空機には間近まで近づいてみることができます。写真は「東洋フレッチャーFD−25B(日本航空協会重要航空遺産)」。その名の通り日本で生産された飛行機です。
三菱のMRJが久々の「完全」国産飛行機として昨今注目を集めていますが、実は戦後もライセンス生産という形で国内でも飛行機は生産されており、それを支えてきたのが航空高専が輩出してきたエンジニアというわけです。勉強になりますね〜
「科学技術展示館」ではもちろんヘリコプターも抑えてあります。写真一番手前の「よみうりY−1(日本航空協会重要航空遺産)」などは戦後初の純国産ヘリコプターとして開発されたものの、試作機のみで実機の開発まで至らなかった機体です。こういった日の目を見なかった機体も置いてあるところなどマニア垂涎といったところでしょうか。
ところで、そもそも「高専」てなんだろうと思う方も多いでしょう。普通の高校でこんな航空機のエンジンのことなど学ばないですからね。
高等専門学校は通常の高校と異なり、修業年限5年の課程で構成され、工学・技術・商船といった分野の即戦力となる人材を育成する、エンジニアの社です。NHKで放映される「ロボットコンテスト」で活躍しているのも彼・彼女らも高専生です。そして、その高専で唯一「航空宇宙工学コース」をもっているのがココ「都立産業技術高等専門学校」なのです。
南千住駅から歩くと徒歩15分ほどでここ荒川キャンパスに着きます。また都営バス(上46)が校門付近から発着しており、同じ隅田川沿いの浅草や上野方面と接続していますので、観光地へのアクセスも抜群です。
そういったわけで「科学技術展示館」は今なお生徒のための教材として使用される教育設備の一部であり、それゆえに一般公開日はかなり限定されています。これほどの日本有数の航空機のコレクションがあまり知られていないのはそのためです。必ず事前に下部Memo記載のホームページから公開日をチェックのうえ訪問しましょう。なお入館はお財布にうれしい「無料」です!
公開日スケジュールのとおり、秋の高専祭りには2日連続で「科学技術展示館」が公開されます。しかし、それだけでなく運が良ければ、例年この時期に隅田川駅で催される「隅田川駅貨物フェスティバル」へも参加できるかもしれません。秋にイベントのタイミングが合えば、鉄道好きも航空機好きも満足な日になること間違いなしでしょう。
では気を付けて行ってらっしゃいませ〜
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(2024/4/25更新)
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